sognamo insieme

君を夏の日に例えようか

舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車

推しが煉獄杏寿郎になったので無限列車に乗車してきました!

 

前作の感想はこちら

 

k1mg.hatenablog.com

 

今回は1ヶ月どころか3ヶ月くらい経過してるんですが、書きます!諦めない!

 

Kステくらいから末満さんの2.5次元作品を観ていたので、原作準拠な姿勢は変わらないだろうと思っていました。前回もアニメで追加されていたしのぶさんと煉獄さんの場面も舞台では一切やらなかったので*1、アニメではなく漫画準拠で進む舞台ですね。

最初先行情報が発表された時S席にアリーナなくて、「もしかしてアリーナを全席無限列車にする….!?」と思ったけどそんなことはなかった(ちょっと観たかった)

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京都公演どうすんねんて話

 

 

無限列車について

一応原作も読んでて映画も見てるしもう泣くことはないと思ってたんですけど、初見めちゃくちゃ泣いた。マスクびしょびしょになるくらい泣いた。向かいにいた原作が好きそうな男性も泣いてたから、作品としてハイパーレベル高いと思いました。

まず列車がすごい。正面から見ると本物の大きさにびっくりする。映像もプロジェクションマッピングで動いてるかのような感覚になる。ただ、TDCだと席によっては角度がついてあまり分からないから京都劇場のような正面からしか見れない劇場の方が良かったかもなーと思った。

私は原作からずっと炭治郎の夢での家族との別れと、魘夢との戦いでの家族の場面が1番泣いてしまうんだけど、舞台でもしっかり泣けた。丁寧な作りで嬉しい。ずっと炭治郎を演じている小林亮太くんが本当に炭治郎として生きているのでその真っ直ぐさに涙してました。

始まりが魘夢の大希ちゃんの素晴らしい歌から始まるのも良かった。あれだけで強大な敵感が伝わる。前作で演じてた掛川くんもすごく良かったので、歌で圧かけていく大希ちゃんの魘夢は大希ちゃんならではで良かった。

かまぼこ隊はいつもの通り凄く良かったし、今回からの禰󠄀豆子ちゃんも可愛かった。

 

煉獄杏寿郎について

原作での印象は「良い兄貴」「良い先輩」。過去について補足があったものの、どっしりとした安定感のあるスーパーヒーローって印象でした。今回の舞台でもその印象は変わらずで、“強い”の表現が上手いなーと思いました。「ふぅ…よもやよもやだ…」の時の「ふぅ…」がめちゃくちゃ色気あってめちゃくちゃ強そうなので大好きでした!!!みんなBlu-rayで観て!!!

ただ、原作より「20歳の青年」という感じを強く受けました。母親から強くあることを求められて、父親から厳しい指導を受け、弟を守らなければならない立場。頼れる母もいなくなり、父も酒に溺れる中、弟の良き兄のまま歴代の煉獄家が継いでいる炎柱でいなければならない重圧。彼がその責務を全うした死の際の安堵したような表情が印象的です。彼は、まだ20歳の青年であり1人の血の通った人間だと感じて涙が止まりませんでした。「共感」ってとても大事で、彼がスーパーヒーローでありながらも1人の必死に生き抜いた人間であることにより、共感しやすくなって涙が出るのだと思います。

広くんは台詞の抑揚、言い回し、感情を一文ずつ変える。一つの台詞に込められた意味を伝えるために何通りもの言い方や魅せ方を研究しているんだと思う。歌についてもあくまでも言葉を伝えるための補助として歌っているので*2、台詞との違和感が薄い。広くんのお芝居は「良いもの見たなー!!!」って思うんですけどこの点のこだわりが凄いからだと思います。

猗窩座との殺陣は本当にやりにくそうだなって思ってた(笑)リーチが違うからね…。それでも毎公演どんどん息が合ってスピードも上がってて大興奮してました。傷メイクしてる間の代役の煉獄さんも日に日にスピードアップしてて、何の戦いを見せられてるのかと思った……

猗窩座の蒼木陣くんはフィジカル特化型のめちゃくちゃ強い(物理)俳優なので、本当強かった…予想通りというか予想以上でした

↑これは何故か予想を当ててしまったツイート(幼馴染の共演が見たいという邪な感情)

刀を持つ煉獄さんと素手の猗窩座、っていう異種の殺陣なのにどんどん息があってて、凱旋からは無音の最後の戦いで足音揃えるようになっててエモの極みだった。あれ(無音での奥義)、賛否両論だったけど私はこれぞ演劇!って感じがして好きでした。きっと戦っている2人の中では周りの音も昇ってくる朝日も時間の制限もない、2人だけの静かな空間で戦っている感覚だったんだと思う。たった15分くらいだったのに物凄く印象に残ってます。さすが。

 

煉獄さんの死を受けた後の煉獄家の話もしっかりやっていてくれて良かった。勢いを削がれる感じはあるものの、最後に煉獄さんの言葉で締めてくれるから綺麗な終わり方だなと思った。煉獄家と炭治郎が毎回全力でお芝居してくれるから涙腺にきました。

 

これにて、矢崎広という俳優のキメステは終了になるんですが、きっとこれからも出てくると思うので、というか刀鍛冶の里編で無一郎の回想で映像か何かで絶対出てくれると思うので!!!!楽しみに待ちます。義勇さんはその後なので気長に待ちます笑

早く遊郭編の発表してくれないかなあ。広くん、本当にお疲れ様でした。久しぶりの広くんの2.5次元舞台が観れてとても嬉しかったです。

*1:しのぶ役の葉子さんと矢崎さんのデュエット聞きたかったなー

*2:めちゃくちゃええ声で

朗読劇「リスナーたちの星空」

4/29 矢崎広×井上小百合回マチソワ

 

あらすじ

地方の深夜ラジオ番組『星屑ワイド 濱宮賢治ショウ』
この番組は10年続き惜しまれながらも聴取率が振るわず終了した。
それから10年――。編成の都合で、月一回放送の形で復活することが決まった。しかし期間は一年だけ。

第一回、4月。あるラジオリスナーから番組復活を喜ぶ投稿が届く。
それは番組でハガキ職人として有名だった高校生。今は会社員らしい。
須永祐紀、ラジオネームは「七転び七起き」。
昔、彼は番組の人気コーナー「あの人への手紙」でラブレターを投稿した。
相手は同じ番組のヘビーリスナーの佐倉聖美。
その恋愛を番組全体で応援し、最後には結ばれたという流れは伝説になっている。

七転びからメールには、番組復活への喜びと聖美さんとの恋愛の結末などが書かれていた。
当時聴いていたそれぞれからも次々に番組復活のこと、そして思い出話などが投稿されてくる。

すると第二回の5月に聖美さんからの投稿があった。
宛先は「七転び七起き」。番組の復活を喜び、そして現在の生活に対する悩みと七転びへの思いが綴られていた。

そして三回目には七転びからの投稿が届く――。

番組がきっかけで結ばれた伝説のカップルの恋の行方を軸に、番組の存続を願うリスナーたち奮闘、そして、それぞれの人生が番組への“投稿”を読む形で物語が紡がれてゆく。

メインの2人がリスナーの七転び七起き(須永)ときよみん(聖美)を担当し、他3人がそれ以外のリスナー、パーソナリティの濱兄(はまにい)は録音および客席に語りかける仕様でした*1

私も10年前はラジオめちゃくちゃ聴いてた方だけど、こんなに一部地域で内輪ネタで大盛り上がりするラジオが存在していることにびっくりした。全く知らない世界だよ。でも感想見ると「懐かしい」「○○(番組名)を思い出した」とかあるので経験者はいらっしゃるらしい。存在するとしても時代はもっと昔なんじゃ…?って気はするけど…。そこはかとなく登場人物も80〜90年代味を感じたので…。レコメンとか木村さんのワッツアップとかばっかり聞いてたゴリゴリのジャニオタだったので2000年代にもあったらすみません…。

脚本の感じも朗読劇というよりラジオドラマみたいだった。朗読劇を定義づける何かを私が持っているわけではないんだけど、地の文が全くないし、話の内容も劇場より車の中でなんとなくラジオで聞いてる方があってる気がしたので。

話は10年前にハガキ職人だった人たちが戻ってきて今の近況を話したり、新しいリスナーが加わったり*2、メインは七転びさんときよみんの恋愛とその後の復縁を1年かけて追いかけていって、ラジオの復活で大団円。きよみんが離婚するかどうかが1番山場だった。途中からラジオがチャット形式になるので、後ろの3人が演じ分けめちゃくちゃ大変そうでした。

きよみん役の井上さんは初めて拝見したんですが、上手だった〜。広くん、よく乃木坂の子たちと共演してるけど、みんなお芝居うまい。すごい。こういう子いる〜!リアル〜!って思ってた。でもそれはそれとしてきよみん…苦手なタイプの女子でしたね…。こういう女の子しか結局モテないんだよなーって凹んだけど、私の周り結構みんな苦手で安心した(笑)男子の理想の追いかけたくなる女の子って感じなんだろうけど、思わせぶりだし察してちゃんで面倒な女性だなって印象だったので、登場してる他のリスナーたちが女も男もみんなして七転びを責めてきよみんを守るスタイルなのが不思議だった。無事離婚できてよかったね。

七転びは…っていうか広くんは超久しぶりに見たー!舞台で見るのは8ヶ月ぶりだし、こんなに長く舞台でお芝居を見たのはいつぶりかもう覚えてません(笑)少なくとも1年は経ってる。久しぶりに観ると、本当に芝居が私好みだなって思います。芝居の自然さと聞き取りやすさがエグい。ぼーっと観ていても自然に聞き入ってしまう芝居。ナチュラル。でも技巧的。七転びのヘタレな部分も気持ちの切り替えもとても分かりやすかった。情けない場面として、みんなから本心言えよって言われて言い淀む部分があったけど、正直既婚者に告白するのは一歩間違えると不倫疑惑生まれてしまうので言いたくないの分かる。離婚裁判で証拠でっちあげられて慰謝料とか巻き込まれたくないでしょ普通…とか思ってました。

思ってた100倍ツッコミどころあったけど、あんまり何にも考えずにさくっと観れてよかった。武内くんの七転びも見たかったなー。ソワレにアフトクがあって、作演出の土田さんと広くんで井上さんを絶賛してました。本当センスありすぎて朗読劇初めてには見えん。分かる。広くんは昔「朗読劇こそ汗をかけ」と言われて今でも心に留めているそうです。朗読劇、意外とチケット代かかるので、見てるこっちからしても汗かくくらいの気持ちでやってほしいもんね。素敵だと思いました。ただ年始に見た毛利さんの朗読劇「桜の森の満開の下」がすごく良かったので、こっちにも出て欲しかった。今回朗読劇を観て改めて山賊見たかったなーーって気持ちがむくむくしてました。悔しい。

次の広くんは無限列車でしょうか。昨年の今頃、煉獄さんが発表されてからずっとずっと楽しみだったので嬉しいです。早く9月になーれ!

*1:エーステに通ってる友達と監督形式やんって言ってた笑

*2:私なら絶対入れないのですごいコミュ力だなと思った

舞台「鬼滅の刃」其ノ弐 絆

気がついたら千穐楽から1ヶ月以上経過してしまった…。各キャストの振り返り配信もさすがに大体終わったので、私も振り返りブログを書こうと思います。

 

kimetsu.com

 

前置き

1作品目の鬼滅の刃は配信で観ました。原作のスプラッタ色の強さが苦手なんだけど、舞台だとイメージに委ねられる部分が多いので幾分か救われた。だけど、演出の末満さんの2.5次元作品は原作が好きな人に向けて作っている傾向にあると思っているので*1、未履修で挑むと大体よく分からないんですよね。なのでやっぱり理解しきれない部分が多く、結局アニメを観て原作も読破しました。面白かった。笑止千万は履修後でも笑ってしまいそうになっちゃうけど。

元々義勇さんを演じている礼生くんにコロナ禍でがっつりハマったので2作目は観に行くつもりだったのですが、予習するぞー♪と思ってアニメを履修していた時、公演の詳細が発表されてびっくり。

矢崎広2.5次元舞台に帰ってくる…?

広くん出演の2.5次元作品といえばミュージカル薄桜鬼。未だ彼の代表作といっても過言ではないですが、出演は2014年が最後。その後もSAMURAI7バイオハザードに出演していましたが、それすら2015年。約6年ぶりの2.5次元舞台です。私が広くんをきちんと追いかけるようになったのは薄ミュがきっかけだったし、やっぱり今でもあの役を超えて好きな広くんの役には出逢えていません。そして当時はまだ駆け出しの俳優たちが大舞台に出る腰掛け的なイメージも強かったですが、今となっては演劇界の大きな柱の一つとなっておりミュージカルや大御所俳優さんも出演されることが多くなった2.5次元舞台。

またいつか大きな作品で大きな役で2.5に出る広くんを観たいな〜と思っていました。彼の演技力や歌唱力、殺陣を余すところなく披露できる役で、2015年より確実に客層が広がっている2.5次元舞台で多くの人に見てもらいたいと思っていました。

そして決まったのが全てを兼ね備えている役といえる煉獄杏寿郎!!!400億の男!!!

え〜かっこよすぎるよ矢崎広〜最高で最強のおかえりだよ〜大きな役すぎてお腹痛くなったよ〜

キャスト発表の時点で推しの2人が柱になることが決まり、私の最高の夏が始まりました。

前置きが長すぎですが感想です。

 

時は大正、日本。
炭を売る心優しき少年・炭治郎は、
ある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。
さらに唯一生き残った妹の禰󠄀豆子は、
鬼に変貌してしまった。
絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、
妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、
“鬼狩り”の道へ進む決意をする。

鬼殺隊となった炭治郎は新たな任務で
同期の我妻善逸や嘴平伊之助と共に
那田蜘蛛山へと向かうが、
山に潜む不気味な鬼の集団によって、
鬼殺隊は壊滅状態に陥っていた…
本来は群れないはずの鬼たちが、
お互いを家族という、異質な蜘蛛鬼一家。
現れる十二鬼月。
圧倒的脅威を前に追い詰められる一行…
はたして炭治郎たちは窮地を脱することができるのか―

そして、ついに動き出す鬼殺隊最強の剣士"柱"たち。
その目的は!?
炭治郎と禰󠄀豆子に更なる試練が訪れる。

新たなる脅威、紡がれる絆、集う柱…
鬼狩りの剣士たちの戦いは次なる舞台に―

 

感想

前述の通り、アニメを無限列車まで履修してから臨んだので最高に楽しかったです。

やっぱり絶対履修してから観に行った方がいい。知らない人も楽しめる作品が1番だけど、原作が好きな人に限りなく寄り添う作品づくりも2.5では“正解”だと思うので。

というか、国民的な作品すぎて見てる前提で作るに決まってる。

ただ、一作目は情報量も多くどうしても「忙しい人のための鬼滅の刃」になってしまっていた部分も否めず、それに比べると今作はエッセンスをギュッとまとめて限りなく観やすくしてくれていると思いました。少なくとも展開の速さは感じなかった。

蜘蛛の糸光ファイバー(?)で表現していたのが分かりやすくて好き。八百屋というには急すぎる斜面のおかげで映像の投影もめちゃくちゃ綺麗だった。

あと末満さんの作品はとにかくキャスパレがかっこよくて、ここでしか見れない無惨様vs煉獄さんの睨み合いが最っ高でした…!私は義勇さんと煉獄さんを定点しなければならなかったのでキャスパレと柱合会議は常に目が足りなかったです。結局2人の大事な場面を見逃しまくっているので何も見てなかったのかもしれない…。

今作、那田蜘蛛山編は義勇さんの活躍回なので殺陣がたくさん見れて嬉しかったな〜。今年前半に刀剣乱舞で100本ノック(物理)をやった本田礼生さんは殺陣が初演に比べて目覚ましく上手くなっており、水柱に相応しい流麗で速い殺陣でした。えーん最高。本人はまだ色々と思うところあるみたいなので、今後の成長楽しみすぎますね。

礼生くんにとって義勇さんは色々とスペックを抑えないといけない役だと勝手に思ってるんですが、殺陣がめちゃくちゃ魅力的になったのですごく良かったですね。日替わりネタも(伊之助が)頑張ってましたけど。千穐楽の笑止千万ネタで頬が緩む義勇さん、収録には上手く隠されそうなのでここに記しておきます。柱合会議のトラブル回収は全く見れなかったので配信で見れてありがたかった。

義勇さんは今後無限城まで出ないんじゃないかと思ってるので、4作品後また礼生くんで観れることを切に願っています。

煉獄さんは、出番としては全然なくてトータル20分くらい?でした。2幕まで台詞ないので第一声に私が緊張した。だって煉獄さんだし、10ヶ月ぶりの舞台でしたし。声の大きさにびっくりしたけど、それも煉獄さんぽくてよかったですね。あまり知らないけど原作好きの方の評判も良いみたいで良かったです。柱合会議までの煉獄さんって目がかっぴらいててサイコパスなアッパー兄さんって感じだったんですけど(悪口)、広くんの煉獄さんはいい意味でサイコパス感が減っててスッキリしました。アニメや漫画だとどうしてもコマにいない時にその人がどんな様子なのかが全く分からないので、予測がつかないと感情がぶつ切りに見えて「何考えているか分からない人」になるんだと思うんですね。

その点舞台だと、板の上に立っている限りその人は芝居を続けているので、様子を窺うことができる。本来なら読者が想像力でなんとかしないといけない「点」と「点」を役者が繋げてくれる。原作からさらに踏み込んだ一面を見ることができるのは2.5の良いところだなと思います。柱合会議の煉獄さんがまさにそうで、炭治郎の行動によって考えがどのように変化したのか非常に分かりやすくなっていました。さすがでした。

ラストは末満さんありがとうキャンペーン。こんな予告編見せられたら誰だって次回作を期待してしまうので早く発表してください。かっこよすぎて心が苦しくなってしまうので、無限列車編までに心肺を鍛えて全集中の呼吸ができるようにしようと思っています。

 

大好きな2人については話しきってしまったので、その他について。

まず、開幕したその日に小林亮太くんの体調不良が発表され、初日から3日間休演になりました。そもそも感染者数もやばいし、無事に幕が開いてほっとしたところだったので、結構本気で初日で終わるかも…?と思いました。ちょうど半年前に礼生くんが公演中腰をやった時も心配すぎて完治するまでやらないでほしいと願っていたので、該当チケありましたけど3日間の休演は当然というか、この期間にどうにか治ってほしいと思ってましたね。無事元気なこばりょた見れて良かったです。初演よりはだいぶ配慮された構成になっていたと思うので、暑さって怖いなと思いました…。

あと今回も歌すごく多くて、「なんでこれはミュージカルじゃないんだ…?」と一瞬2.5における舞台とミュージカルの違い考えちゃいましたね。どういう分け方なんだろ。キメステは和田さん作曲なんですが、なぜか佐橋先生イズムを感じるというか、薄ミュ初期を感じる音楽が多いです(伝わる人には伝わると信じてる)。江戸〜大正くらいの作品だから雰囲気似るのかな。1作目のトンチキ感が薄れて普通に良い曲が多くなってたのが逆に寂しかったですね。無限列車では夢の場面とかでトンチキな曲が聴きたい。そしてアンサンブル含め、今回から参加キャストの歌唱力が底上げされててストレスフリーで聴けました。門山さんのしのぶさんすごかったね。いつか義勇さんとデュエットしてください。

アンサンブルもみんな上手で可愛かったー🎶大好きなアオイが超可愛かったので満足です。また遊郭編で見たいなー。

銀河劇場も梅芸も立川も、全部の会場で雨が多いし*2、劇場寒くて防寒対策極めていたし、色々と思い出に残るキメステでした。楽しかったなー。無限列車ももちろん楽しみなんですが、大好きな2人が同じ板の上に立っているのを見るのは今作限りなのでめちゃくちゃ幸せで、振り返り配信も含めて大いに楽しませていただきました。

これから広は森へ、礼生はタタラ場で暮らしますが、わたしはどちらにもヤックルに乗って会いに行きます(は?)

*1:舞台Kで得た教訓。

*2:ちなみに広くんも礼生くんも雨男です

映画「すくってごらん」感想

ミュージカルでもラブロマンスでも金魚すくいの映画でもない。これはコメディだと思えばそれなりに面白いと思えました。演出と音楽が先に在って、それに合わせて脚本を作ったのかなあと思う。

 

sukuttegoran.com

 

 東京から左遷され片田舎の町へやってきた大手メガバンクのエリート銀行員・香芝誠が運命的に出会ったのは、金魚すくいの店を営む美女・吉乃。持ち前のネガティブな性格と左遷のショックから心を閉ざし、仕事だけに打ち込もうとするが、吉乃のことが頭から離れない香芝。しかし、吉乃は幼なじみの王寺昇への想いを秘め、こころを閉ざしていた。一方、女優の夢破れ地元のカフェで働く明日香には一目ぼれされ。果たして、エリート人生から外れてしまった香芝の人生の行方はどうなるのか?そして、秘密を抱える吉乃の心を金魚のようにすくうことはできるのか?今、金魚と恋心と出世をめぐるドラマがはじまる-

 

映画を観るとき、私はストーリーを1番重視してしまいます。そんなタイプの人にはちょっとおすすめしづらい、好みが両極端に分かれる話だと思った。

キャッチーな曲、ニナミカ的ビビッドな色づかい、空間軸や時間軸が捻れた演出、このあたりを中心に観るととっても楽しい映画なのでは。

あとなにより全員歌、うま。キャストのラインナップ観れば分かるやろって話ですが、耳が幸せだった。

ただ、私は主役の香芝誠がどーーーしても合わなくて、行動原理も理解できなかったのでミュージカルだと思って観てもストレスが溜まってしまって(笑)

「なんかおもろいことやってるなー。コメディなのかなー」って思って観たら1番楽しく観れました。その日の映画館のお客さんがガンガン笑ってたから、そのムードに呑まれて楽しくなっちゃったのもある。話は全く理解せずになんとなく楽しく観るのが1番良い気が。真壁監督は映画館で観ることを推してますが、私は正直おうちでダラダラと観る方が気楽に好きなところ摘めるので合ってるなーと思っています。演出も面白いとは思うんですが、芸術系大卒な割に芸術的な素養がないので…よく分からなかったですね。

 

原作もあるんですが、ほぼ別物。こちらは温かくて優しくて素敵なお話です。紙はほとんど売ってないので電子書籍がはやい。

金魚めちゃくちゃ掬いたくなります。金魚すくいって奥が深いんだなあ。

 

すくってごらん(1) (BE・LOVEコミックス)

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あとは各メインキャストの感想を簡単に。ここからネタバレ込みです。

 

香芝誠(尾上松也)

映画中の性格がほんっとに合わなくてストレスだったんですが、松也さん自体は振り切ったお芝居といい声で歌い上げててとても良い。顔芸やばいのでそれを見てケラケラ笑うくらいでちょうどいい気がします。脳内毒舌ラッパー。ポロッと溢れた悪口ラップが原因で左遷されたのに、左遷先では毒舌ラップを全部口から発してしまう状態になり、そのまま東京へ戻ることに…wwwこのままだとやばい奴がもっとやばい奴に進化して波乱の東京本社編が待ってると思うのですが、そこはスルーでエンドロールに入ったので笑いました(笑)

ピアノも当て弾きしたら良かったのになあ。全員適当ならまだしも、松也さんだけ適当だったので気になってしまいました。

 

生駒吉乃(百田夏菜子)

ももクロで見た時は元気なイメージだったけど、お淑やかで寂しげな吉乃でした。原作よりも寂しげな印象が強い(でもどちらも特に何か暗い過去があるわけではない)。

コンサートで自分より上手い子*1がいるから人前で弾きたくなくなって、荒屋で夜な夜なピアノ弾いてるのは相当な負けず嫌いだと思います(笑)ピアノもパワフルで荒いし。

見た目の割にこじらせちゃんだと思うので、明日香ちゃんの言う通り香芝にはこの子は無理。原作だと良いお友達って感じでしたが、映画だと吉乃ちゃんドン引きって感じで距離はほぼ縮まりませんでしたね。

ピアノちゃんと弾いてるし歌声も聞きやすいので、百田夏菜子ちゃんがこの作品によってミュージカルの苦手意識が強まらないといいな…って思ってます*2

 

王寺昇(柿澤勇人)

何の仕事をしているのかも、何を考えているのかも、誰に対してどう思っているのかもまっったく読めない人。原作と設定は全然違いますが、映画から受ける印象は原作と1番近かったと思います。柔らかくて飄々としてて。キャストビジュアルの時は全然違うなーと思ってたのにお芝居で近づけてた。凄い。あの帽子をずっと被ってる理由とかやって欲しかったなーーー。映画は結局タップダンスで投げるための帽子になってしまった*3…笑

歌ってピアノ弾いてタップダンスして全部クオリティ高くてびっくりしたんだけど、圧巻だったのは金魚すくい。伝説の人と言われるだけあって、金魚の方から近寄っているように見える。原作で描かれていた一定のリズムで掬うってこういうことかーーーー!と感動しましたね。私も金魚あんな風に掬ってみたい!

 

山添明日香(石田ニコル)

カワイイし色気あるし歌上手いし共感できるし、1番好きなキャラクター。何考えてるか分かる唯一のメインキャストです。

理想と挫折を繰り返しながらも前向きに生きてるところが素敵。喫茶店の経営危機は香芝のおかげでとりあえずは持ち直してそうなので、街の人に愛されるお店を続けていってほしいです。明日香は原作よりも映画の方が好きだなー!原作も可愛いんだけど、映画はキャラクターに深みがあってより魅力的。川西と幸せになるスピンオフを何卒!

 

川西(矢崎広)

メインキャストと言えるかは微妙なんだけど(笑)でも、ほぼメインキャストと言えるのではないでしょうか。

思ったより出番あってよかったー!少なくともGOZENよりはあった。

k1mg.hatenablog.com

 

休憩と称して1分20秒のソロもあったので本当にありがたい限りです…!

川西は基本的には香芝のツッコミとして存在しているのでパーソナリティはよく分からなかった。ライバル心メラメラしてるのか?と思いきや仲良くしたがってるし、そうでもなさそう。松也さんの方が貫禄あるので、先輩感はあまりない。(本人は苦手のようだけど)私は広くん、めちゃツッコミ上手いなと思っているので、存分に活かされててよかった。

川西がメインキャストじゃない割にソロがあって歌がうまいので、端から端まで歌うましかいない謎の映画として映画ファンにレビューされてるのが面白いね。美味しい役でした。明日香と幸せになって!

 

以上です!

まとめると

歌 良き

曲 まあまあ(感動して心が震える、っていうよりキャッチーって感じ)

演出 蜷川実花風で面白い?かも??

脚本 伏線を全部踏み倒すので深く考えない方がいい

金魚 可愛い

猫  可愛い

て感じです。

 

すくってごらん観てからミュージカル映画観たくなっちゃってドリームガールズとかバーレスク観て口直ししました。ちなみにララランドの時も同じ現象が起きたので、ララランド好きな人にはめちゃくちゃオススメしたいすくってごらん*4

金魚すくいはここに行きたい。

www.stroll-tips.com

かっきーと松也さんが練習していたらしい金魚坂さん。コロナが落ち着いたらすくいにいこう。

 

最後に妹のすくってごらんの感想が面白すぎるのでシェア

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*1:王寺さん

*2:日舞台挨拶で松也さんが突然歌う場面で笑ってしまってリテイク出しまくったって言ってたので

*3:ピアノの上でタップダンスする人初めて見た。危なすぎて冷や冷やしました

*4:ちなみに私はララランドも………って感じ

東京芸術劇場30周年記念公演「真夏の夜の夢」

人は人に恋してるのじゃない。

星だの、月だの、太陽だの、
ただの石ころで着飾ったコトバに
恋してるだけなのさ。

日本を舞台にしたオシャレで洗練された乱痴気騒ぎの一夜を目撃しました。

 

www.midsummer-nights-dream.com

 

そういえばひろしくんには「これからもシェイクスピア作品をやってください!!!」って言ったことあったなあと思いつつ*1、コンスタントにシェイクスピア作品に出演してくれて、しかも今回はシェイクスピア作品きってのイケメン、ライサンダーなんて、推しがいのある推しだなあと思うわけです。

 

あらすじ引用

創業130年の割烹料理屋「ハナキン」。
その娘・ときたまご(ハーミア)【北乃きい】には許婚がいた。
板前のデミ(デミトリアス)【加治将樹】である。
デミはときたまごを愛していたが、彼女は板前のライ(ライサンダー)【矢崎広】に恋心を寄せていた。
ときたまごとライは〈富士の麓〉の「知られざる森」(アーデンの森)へ駆け落ちする。
それを追いかけるのはデミと、彼に恋をしている娘・そぼろ(ヘレナ)【鈴木杏】。
森では妖精のオーベロンとタイテーニアが可愛い拾い子をめぐって喧嘩をしている。
オーベロンは媚薬を使ってタイテーニアに悪戯をしようと企み、妖精のパックに命令する。
ついでにそぼろに冷たくするデミにも媚薬を使おうと思いつく。
しかし悪魔メフィストフェレスが現れ、パックの役目を盗みとる。
そこに「ハナキン」に出入りしている業者の面々が結婚式の余興の稽古にやって来て、事態はてんやわんやに……。

 

日本に置き換えているにも関わらず、演出も衣装もルーマニア輸入だったので、私の知ってる日本でもない、異世界感が漂っていたなあと思います。ビニール袋とか多用してて色合いがビビッドで可愛い。現代演出オペラみたい。

 

大学院生の時にシェイクスピア論の授業を取ってたんですが、シェイクスピアって台詞が韻を踏みつつ綺麗なので、そのセンスが凄いなって話を当時友人としていて。

Helena Love looks not with the eyes,
but with the mind.
And therefore winged Cupid painted blind.
Nor hath Love’s mind of any jugement taste,
Wings and no eyes figure unheedy haste.

ヘレナ  (恋人ディミートリアスへの
移り気を嘆いて) 恋は目で見ず、心で見る。
だから、絵に描かれたキューピッドは
いつも目隠しをしてるんだわ。
恋の神様には判断力もない。
翼があって目がないのは、
無分別でせっかちなしるし。〔第一場〕

夏の夜の夢(シェイクスピア) 12の名言

例えばこことか。発音にそんなに詳しくないので違ってたらすみません。詩だったらこういう韻を踏んでる形めちゃくちゃあるんですけど、セリフにこんなに上手に組み込んでるの凄いですよね。これって翻訳されると全く意味がないので*2、この楽しさを英語がわからない自分には体験できないんだろうなあって思っていたんです。ところが、野田秀樹版だと擬似体験がたくさんできる!!!これがとても楽しかった〜!言葉遊びが好きな方だからですかね。「木の精」=「気のせい」とか「夏の精頭」=「夏のせいかしら」とか。妖精以外にもたくさんあったんですけどあんまり思い出せない。ウィットに富んだ言葉遊びで、シェイクスピアも原語で聴くとこんな感覚になるのかなあと思いました。貴重な体験だった…。

登場人物について。世の中の女はみんなそぼろ(ヘレナ)を抱えて生きてると思ってるんですが(主語がでかい)、鈴木杏ちゃんのそぼろが舞台を背負っていて解釈大一致でした。そぼろ、仕草も美しいしバレエのような動きが綺麗だし、メイクは怖いのにどこかかわいい。自己肯定感低いのにデミさんへのアピールが激しいのは海外の女だなって感じがする(笑)そぼろは観客と同じように見て、同じように覚えているので、ストーリーテラーとしても存在してくれてました。おかげでこの不思議な話になんとかついていけました。

でもやっぱり主役はメフィストだと思います。

舞台を日本に変えたことや役名を和名にしたことより、メフィストフェレスの存在がこの話を混沌とさせていたと思います。

この話、ただでさえ登場人物多いのにこれ以上メフィストなんて必要か??と未だに思ってるんですけど(笑)

どういう繋がりかと思ったらファウストにもワルプルギスの夜が舞台になってる幕があるんですね。ワルプルギスの夜(夏至祭)の乱痴気騒ぎってことかー!真夏の夜の夢のあらすじを知っていても、初見では話の内容も登場人物の見分けもよく分からなかったです。みんな白塗りだし。どうしてもメフィストはパックと役割が被るので、手塚とおるさんのパックが影が薄くなっちゃってたのが残念。チャーミングなのに出番が半分だもんなぁ。

メフィストの行動の目的が分からなくて*3、あと隅々で伏線ぽいものがありつつ回収されなかったりするから、最初は観たいタイプの真夏の夜の夢じゃないな〜〜〜って思ってたんですけど、結局メフィストは寂しかったのかなって思ったら後半可愛く思えてきました。これは単に今井明彦さんのお芝居によるところが大きい。カタコトでチャーミングで、そこが怖い感じ。でも、掴みどころのなさの中に幼い子のような側面があって。私はやっぱりメフィストはそぼろが生み出したと思ってるので、後半2人が自分の中にある気持ちに気づいて泣いてる場面は2人とも愛しかったです。

そぼろを取り巻く3人は全員若くて正統派なお芝居。ときたまごのきいちゃん、東京後半は声枯れしてたけど歌上手だったので、今度は歌のあるお芝居観たいなー。デミの加治くんは、多分はじめましてなんだけど、若手俳優として異質な存在感。声も聞き取りやすいし、間の取り方も面白かったのでまたお会いしたい。我が推し矢崎さんはスーパー最高にイケメンでしたね。もはやパンイチはネンイチ頻度で観てるので*4、そんなに驚きはしないんですけど、改めてめちゃくちゃ綺麗な身体でした!!!!ひろしくんの身体のライン好きだなー!!!私は矢崎さんの台詞の温度の高さが好きで、シェイクスピアにぴったりだと思ってるんですが、今回もライサンダーの熱っぽい台詞と合っていてとても良かった。こういう可愛さを封印した正統派なかっこいい役、久しぶりな感じしました。今度はリチャード3世が観たい!この間プルカレーテさんやっちゃったけど!!「馬をくれ!代わりに国をくれてやる!」って言ってほしい台詞すぎる…!!

他の登場人物としては妖精の夫妻もよかったー。加藤諒くんのタイテーニア、どぎつさと本人の可愛さが相まってとてもキッチュ。あと厨房の出入り業者の皆さんも面白かった。最初のミーティングがダントツで笑えたので、元々の皆さんが面白かったのかも。

笑いのツボは正直全然ハマらなかったんですが、これは単純に世代が違うのと笑いのスピードが合わなかったからかなと思う。最近気づいたんですが、わたしは台詞のスピードが速い方が笑いのツボがハマりやすいんですよね。作品としても台詞のスピードとか物語のスピードが速い方が合う。性格がせっかちだからかもしれない。なので、同じ野田秀樹脚本でも中屋敷さん演出の半神の方が、話の意味はわからなかったけどがっつりハマってました。まあタイプ全然違うので、シェイクスピアの悲劇を観たらコロっと掌返すかもしれないです。やっぱりシェイクスピアも悲劇が好きなので。

あと今回、舞台美術と衣装の方のスタッフの方とのレクチャートークがあって、これがとっても楽しかったー!

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舞台セットや衣装のイメージや意味、稽古の裏話まで盛りだくさんで、演出の意図とか作品の理解が深まった気がします。

難解な舞台はこういうのガンガンやってほしい。難解じゃなくてもやってほしい…助手で登壇者の女性2人が経歴も面白くて、普通にパーソナリティについても聞きたいくらいでした。もはやお金払いたかったな…。詳しくはTwitterにまとめています。

総じて芸術の秋を満喫しました。あと2公演、なんとか無事に走り切りますように。

*1:いつの話だ

*2:高橋和子さんの訳はめちゃくちゃ好きですが!!

*3:森を燃やしたいのは分かったけど、なんで燃やしたいの??

*4:あえて韻踏んだ

ジャージー・ボーイズ ・イン・コンサート2020

公演から早くも1カ月以上が経ち、無事に終了してほっと胸をなでおろす日々です。

やっと仕事がひと段落し、遅ればせながら感想をば!

 

今回は配信もあったので、配信と劇場とそれぞれ良いところがあってどちらについても書ければと思います。自分ガタリは前記事に書いた!読まなくていいです。

2018年の記事とほぼ同じセトリなので倣って書きます!ボブについてが多いのはご愛嬌!

k1mg.hatenablog.com

 

《出演》中川晃教藤岡正明尾上右近矢崎広東啓介/spi/大山真志
《コーラス》加藤潤一/法月康平/畠中洋/綿引さやか/小此木まり/遠藤瑠美子/大音智海/白石拓也/山野靖博/若松渓太

 

《春》

Ces soirées-là [All cast]

 最初の3回が配信だったのですが、そのオープニングもめちゃくちゃエモかった!我々が直前に送った応援リプライが各座席の背もたれに印刷されて貼ってある…!前の出演者の応援メッセージが最前に貼ってあってすでにウルウルでした。

フランス語でラップ調に編曲されたこのオープニングは、何回聞いても最高にテンションが上がるー!藤岡トミーの語りが好き大好き。久しぶり。

劇場ではこの曲ですでに号泣して初日はあまり記憶がありません。何見てたんだろ…?多分配信の方がしっかり観ていた気がする(笑)

Silhouettes [Tommys]

 藤岡トミーのシルエット久しぶり泣いた。初めましての尾上トミーはSOOOOOOOO CUTEなトミーで度肝を抜かれました。これまでのトミーのイメージと圧倒的に違う。完全に藤岡さんの舎弟のような尾上トミーでした(笑)GREEN本編だとどんな演技構成になるんだろう…?

個人的にこの曲、フランキーが登場して第一声で劇場を掌握する感じが好き。この時のフランキーのキラキラした声にトミーと同じ高揚感を味わえるもん。

You're the Apple of My Eye [Tommys]

この曲の「僕のものになれ」は甘すぎてトミーにリアコになる歌詞だと思ってます。

あとこの曲の手拍子(タン!タタン!ho!)で、思わずペンラ振り上げたくなる人は全員ジャニーズ通ってるという偏見

I Can't Give You Anything But Love [Tommys & 中川]

いつもここのフランキーはまだウブな感じに演じていると思ってるんですが、コンサート版はここからフルスロットルだから良い。かわいいフランキーにも会いたいけどね!!

Earth Angel [Tommys]

藤岡トミーがここのアレンジめちゃくちゃ変えてる日があって大大大正解だった。楽譜的には遊びすぎなんだろうけど、このアレンジもコンサート版だから多めに見て欲しいな♡収録日には多分一切やってなかった…。

Sunday Kind of love [中川&藤岡]

恐らく春の中では1番好きな曲!この曲、2階席から観ると綺麗なマリア様のステンドグラスが床に映っているんですよね。あっきーフランキーの綺麗な声と合わさって、思わずペンライト消してしまうレベルに神々しい場面。

台詞を挟んで後半は藤岡トミーのハモリも聴けるお得ソング。この2人のこの曲でのハモリはコンサートでしか聴けないので、いつも最高だ〜!!!って思ってました。

My Mother's Eyes [中川]

これジップに頼まれて歌うんだけど、ジップがいないしそのくだりもないので、なんで歌ってるか理解できない人いるのでは…?と思ってました。今回のキャスティングで前のコンサートよりも話の流れを知らないで来ている人が圧倒的に多いと思うので、そこはもう少しストーリー補完しても良かったんじゃないかなあ…。まあここはどっちでもいいと思います。あっきーフランキーは何歌わせても上手い🎶って話なので。

I Go Ape [尾上]

本公演演ったことないのに、トミーとしてこの曲を1人で歌うことになった右近さんの心境を知りたい*1…笑

でも右近さんso!so!so!cute!!なので、めちゃくちゃ可愛くて、緑のペンラ振り回しちゃいました♡笑

本公演でもバリバリ踊ってくれると思う!期待!

《夏》

Short Shorts [矢崎・東]

この曲をなんだかんだ踊ってくれたのが、海宝ボブととんボブの違いですね!!!笑

2人ともshort shortsの踊りは可愛いのに、台詞はめちゃくちゃスタイリッシュに登場するからかっこいい〜!ペンライトが広がる客席をバックに話すのがめちゃくちゃ好きでした。

 I'm in the Mood for Love / Moody's Mood for Love [中川]

この曲のボブたちの表情が大好きなんです!!!前回のコンサートではぴろボブはここでそんなにお芝居してなかったんですが、今回は本公演並みに芝居してて嬉しかったー!

とんボブは良いビジネスパートナーを見つけた!ってめちゃくちゃ良い顔するんですよねー。品がある坊ちゃんって感じがめちゃくちゃ良き。

ぴろボブはずっとそうなんですけど、宝物見つけたみたいな顔するんですよ。目がキラキラしちゃう。この先自分のキャリアと…ってあんまり考えてない気がする。とにかくこの人と近づきたい!音楽やってみたい!ってピュアなボビーな印象です。

Cry for me [Bobs]

ボブたちのクライフォーミー!!!本公演では絶対叶わない夢の共演です!!!

とんちゃん声量がすごい。ひろしくんは本当に安定したなあと思いました。初演でここ、手に汗握ってたのが嘘みたいだなあ。

An Angel Cried [矢崎]

やっぱりバックコーラスメドレーからは逃れられないんだなあ…(遠い目)

いやでも!こんな難曲を任せてもらえるだけでも嬉しいです!!今雨ぴろさん、公演中雨多すぎて帰り道に1番歌ったかもしれません。

最後の高音、外すことなく歌えてスゴイ!

I Still Care [東]

とんちゃんの声ってあまーーーいですよね!!

息多めボイスで柔らかく歌ってて素敵でした。

ハモリのぴろさんはこの辺で遊んでて、「堕ちる涙〜」のくだりでよく涙を落としてる演技を日替わりでしていました。しかしここも高音ハモリがある…!お疲れ様でした…!

Trance [矢崎]

この曲めちゃくちゃ私の好きな矢崎さんの声!!かっこいい!!

今回は低音のドスが効いててさらに良かったです…!

この辺で印刷工場のくだりやるんですが毎日モノマネをしていて面白かった笑

本人出演のため半沢直樹ネタが後半多めでしたが…笑 こういうところ、上手いよなあと思ってました。

Sherry [GREEN]

sherry前のBob'sの小芝居が毎度可愛かった。

ボブたち、2人とももう1人の自分って感じでよく対話するんですよ笑 他の役は結構相手に誰だお前?って感じだったり、遠くから見守るって感じが多い気がするんですけど。

ここで4人が初めて声を合わせるので、めちゃくちゃ感動しました。本来はcry for meなのですが、敢えてコンサートはsherryに変更してる気がする。観客からすると初めて4人を浴びるので、印象が強く残るんですよね。

Big Girls Don't Cry [BLACK]

新キャスト多めのブラック。ハモリが綺麗だねー!!新キャストのとんちゃんも真志もクセのない柔らかい声質だからかなあ。

ここの振り付けを一緒に出来るのが楽しすぎる!!!声は出せなくても、振り付け出来るのは良いですよね…!

Walk Like a Man [All cast]

最初のCes soirées-là以来の7人。藤岡さんおかえりなさい〜!!!この曲は藤岡さんがいるといないとで音圧が違う気がする…!

大好きな曲なので、めちゃくちゃ拍手しながら叫びたかった…。我慢しました…。

December 1963 (Oh, What A Night) [矢崎]

広くんがまたこの曲をソロで任されるとは思わず、帝国劇場の0番で虹色のスポットライトに照らされながらステージを駆け巡る推しを見る事ができました。夢かな。5年くらい前はめちゃくちゃ立って欲しかったけど、最近はそんなに帝劇にこだわる必要ある?って思い始めてたので、本当ならそんなに思い入れはないはずなんですが。

めちゃくちゃ泣きました。もう降りても後悔はないってくらい満足したし、ここまで連れてきてくれてありがとうって気持ちでいっぱいでした。わたしが描いていた夢はここまでだったので、後は広くんがどんな高みに連れて行ってくれるのか楽しみにしてようと思います。

この前のプロポーズ(?)であっきーが無邪気に毎回ぶっ込んでくるところが好きでした。天然には勝てん。

My Boyfriend's Back [chorus]

THE Angelsの皆さん!今回はまりゑさんの代わりにびびちゃんが加入してました。衣装は黒のワンピースで本公演よりシックだったんですが、3人とも当たり前に歌うまで可愛かったー!

特に色指定なかったんですが、持ち込みペンラ組がピンクにし始めたら日に日にピンクが増えていって、後半会場中がピンク色になってて爆上がりしましたー!公式にはない色なのに(笑)JA最高!(自画自賛)

My Eyes Adored You [東]

私は毎回この曲でわんわん泣いてました。タイミングがあまりにも…で、とんちゃんの心情を慮るとこの曲の歌詞があまりにしんどかった。

本人はあくまでボブとして歌ってると思いますが。とにかく良い声だなーとんちゃん。身長が高くて映えるし今後が期待される役者さんだなあと思います!

Dawn (Go Away) [All cast]

客席をバックにこの曲を歌われるのはずるい。泣かざるを得ない。

私は多分JBでこの曲が1番好きです。歌詞は悲しいけど、夜明けというタイトルの通り曲自体には希望がさしていると思うから。

なんだか今の世の中を鼓舞するような気にもなって泣いてしまいました。私たちが観客として劇場に来る意味。ステージでリアルタイムで彼らが私たちに向かって歌う意味。その全てがぴろボブの台詞とともに込められている気がしました。

後半のあっきーの声が進化していて、この曲の声がホーン楽器のように飛んでくるのでびっくりしました…!どんな発声してるんだろこれ…

Walk Like a Man (リプライズ)

DAWNで泣きすぎていつもこの曲の準備が間に合わない笑

ここ藤岡さんのパワーフルスロットルなので最高!本公演はトミー歌わない(はず)なので、コンサートだけで聞ける音圧…!すごい…!

《秋》

Big Man in Town [BLACK]

縦にも横にもBIGな男たちが「ビッグになーるから♪」って歌うので、笑うの不可避。

地味にここダンスが難しいので、真志が1番ちゃんとしてました。やっぱり踊れる子…!身体は大きいのに…!

すくすく成長してて、同い年ですがニコニコしちゃいますね。

Beggin' [spi]

はいきた。私はこの曲を楽しみにコンサートを待っていたと言っても過言ではありません。

spiさんはその期待もなんのその、めちゃくちゃパワーアップして魅せてくれました…!最高だった。

毎回「人生の影に囚われ」の演出に言及してました。いやここ演出込みで大好きすぎて。気が狂ってるな。

Stay [中川 矢崎 spi]

私、未だにBlueの亡霊なんです。芝居がめちゃくちゃ好きだったんですBlue。そのメンバーでstayやってくれて嬉しかった。spiさんは毎日お芝居が違うので、毎回楽しい。

ニックが振り返った先に2人が歌っていて、そのまま去った後にフランキーが居なくなったニックを見ていたのが、すれ違いが切なくて好きでした。

Let's Hang On! (To What We've Got ) [大山]

stayの一部始終を真志ニックも袖から見ていたんですが、これは配信でしか分からないところがめちゃくちゃエモいポイント。客席にいると謎のスポットライトしか見えないんですよね。

それを踏まえて語りとソロに入る真志ニックがなんとも寂しかったです。

後半は原曲キーで歌っていて痺れたー!

《冬》

Opus 17 (Don't You Worry 'bout Me) [中川 矢崎]

今回のコンサートは芝居も結構がっつりしてくれてて、ここもぴろボブがとても素敵なお芝居でした。矢崎さんのボブはニックがいなくなったことへの立ち直りが実はフランキーより遅いんじゃないかって思っていて。それが歌い続けるフランキーの眩しい姿に背中を押されて、「強く立ち向かうよ」の歌詞のタイミングで立ち直る芝居をしていた日があって、それがめちゃくちゃ好みでした。広くんもだいぶ日によって違いがありますけど、私の観た中で印象に残っていたお芝居です。

バイ・バイ・ベイビー Bye, Bye, Baby (Baby Goodbye) [中川]

フランシーヌのくだりは初見さん殺しすぎる…。まあ曲を楽しめば良いんですけどね!

本公演で奥さん役のビビちゃんがフランキーをひたすら見つめてたのが印象的でした。

C'mon Marianne [中川]

私この曲すごく好きなので、夢中になるレコード会社の気持ちがわかる。

Can't Take My Eyes Off You [中川]

本当最高!本場のフランキーこの曲のサビ歌わないで歌わせてくるので(笑)シンプルに全部聴かせてくれるあっきー最高だなってなりました(低すぎるハードル)

欲を言うなら、私はこの場面を上から見つめるボビーが大好きなので、どこからかボブが見てくれる演出が欲しかったです。ボブ推しより。

Working My Way Back to You [中川]

この曲のペンラ芸そこそこ難しいんですけど、わたしそこそこできるんですよ!笑

だからこの曲の振り上げ完璧な人を観ると、ほっこりしてしまう(笑)

みんな次のコンサート(いつだ)はがんばろ!

Fallen Angel [中川]

フランシーヌが死んだこと言わないので、初見殺しNO.1ソング。映画を観てから来てる前提なんだよなー。観てる人も多いと思うけど…。

複数回観てるわたしはあっきーのお芝居に泣いてましたが、観たことない人に伝わらないの勿体ないなあと思ってました。

Rag Doll [ALL cast]

復活のRag Doll。でも私にとってはようやくクリエから帝劇に来たことを感じさせる曲でした。きっと本公演も帝劇でやってくれるって信じてるから、その時改めてまた感動するんだと思います。

Who Loves You [All cast]

泣かざるを得ない。

広くんが前楽の挨拶で言っていたのがまさにこの曲についてだったんですが

「この曲には手を伸ばす振り付けがあって『かけがえない幸せを奪う』という歌詞の先の『探せ』で目の前を掴むんですね。その先にはお客様がいる。色々大変な状況ですけど、僕はこの手の先に向かってこれからも頑張っていきたいと思います」

という感じのニュアンスのお話で。

元々好きだったこの曲が大好きになった瞬間でした。千秋楽、広くんの手の伸ばした遥か先(つまりめっちゃ後方)にいたんですが、がっつり掴まれてしまって号泣しました*2

この人を応援していて良かったなあと改めて感じました。この前楽挨拶、藤岡さんへの文句とか他にもめちゃくちゃ面白かったので、東宝さんぜひ今からでもアップしてください〜!!

《アンコール》

いつものメドレーでした!

December 1963 (Oh, What A Night)〜Walk like a man〜Sherry〜Can't Take My Eyes Off You〜Big Girls Don't Cry

can't〜での藤岡さんのハモリが最高of最高だった。Blackは和やかに肩とか組んでて、Greenはそれぞれが暴走してた印象です笑

 

コンサートって本公演ありきだと思うんですが、今回は新キャストの方もそのファンの方も(あと、今回から興味を持って観てくれた方も)大変だっただろうなーと思います。

でも、このやるかやらないかを迫られる状況下でやり遂げたことは大きいし、その希望として相応しい作品だったと思います。

願わくば、この数年のうちに本公演をやって欲しい。そう願って東宝の2021年ラインナップをギリギリ見つめています。

その時には全国からなんの不安もなく来れて、どんなに盛り上がっても安心して声を上げられる状況になっていることを祈っています。

そしてトミー・デヴィート氏について心よりご冥福をお祈りします。

*1:伊礼さんも同じ目に遭ったので、新人トミーの登竜門化してる

*2:広くんは後方席の方が色々と(勘違い)ファンサがもらえるので良きです笑

モマの火星探検記2020

あの大好きなモマが帰ってきたよ!

岡崎*1以外の土地を一緒に巡ってユーリ達と夢を追いかけた2ヶ月間。

今コロナで公演中止の波をもろにくらい超超めげてるのですが*2、一旦忘れて書きます!

 

www.shachu.com

 

あらすじ

《モマの物語》
宇宙飛行士のモマは、父との約束を果たすために人類初の火星探検に挑む。
「人間はどこからきたのか、なんのために生きているのか」
火星に向かう旅の中でモマはその意味を考え続けていた。
そんなある日、モマの前に「幽霊」が現れる。
驚きながらも奇妙な出来事を受け入れる中で、モマは少しずつ人間が生きる意味について考えていくのであった...。

《ユーリの物語》
北の国に住む少女ユーリの父親は宇宙飛行士だった。
彼女が生まれる前に人類初の火星探検に旅立ち、帰らぬ人となったという。
ユーリは行方不明となった父親にメッセージを送ろうと、仲間と小型ロケットを作り始める。
やがて、失敗を繰り返すユーリの前に一人の「幽霊」が現れる。
幽霊はユーリに問いかける。
「宇宙の境界線はどこにあると思う?」
その姿にどこか懐かしさを感じたユーリは、幽霊との対話を繰り返しながら、仲間たちと小型ロケットを完成させる。
果たして、時空を超え、モマとユーリの思いは交錯するのか――。

 

2017年に引き続いて矢崎広さんと生駒里奈さんのW主演で続投となりました。

2017年の感想はこちら。ネタバレはこちらの2017版の方が少ないと思います。今回はガンガン書いてます。

k1mg.hatenablog.com

 前回も今回も終わってすぐには書けなくて…なんだろうじわじわと書きたいことをまとめてるんですよね。

2020年度版は2017年度版より、個人的にはより分かりやすく感情移入しやすくなっていたと思います。若干せりふが追加されたことがうまく作用しているような。SF素養がない人でも入り込みやすくなった気がしました。

 やっぱり大好きな話だなあ。

以下、1人1人感想を書いていこうと思います。

全体はそのあとで

 

 

大竹えり(お母さん)

 えりさんは前回に引き続きのイリーナ(お母さん)。

前回はお母さんという側面より、モマの彼女という側面の方を強く感じたんですが

今回はお母さんの顔をたくさん見た気がします。

でもそれも回によって違う印象になることが多くて、面白いなあと思っていました。

物語としてはユーリの夢を邪魔する存在ですが、「敵」ではないんですよね。それがわかりやすくなっていました。

お母さんとおじさんがユーリやモマの頬に手を添えて話しかけるなどの「繋がり」が目に見えてわかりやすくなっているところなんかまさに。

お母さんの後半の「宇宙なんて大嫌い」という絶叫があまりにも悲しくて。

ユーリのこれからが、お母さんにとっても救いになったらいいなと思います。

 

長谷川太郎(保安官)

太郎さんめっちゃ可愛かった~~~(めぐさんは太郎さん贔屓)

保安官さんの制服着てる太郎さん見てるとカラマリの先輩みたいだよねかわいい

こんなに愛嬌たっぷりの太郎さんのおじさんに懐かないわけなくない!?!?

 本当に伯父なのにおじさんと呼んでもらえない可哀想な保安官さんですが、モマの雑誌についてユーリに問い詰められてる時のお芝居が切なすぎて好きでした。

あと、おじさんに乗っ取られた時のお芝居を全公演毎回変えてた。チキンへ宛ててだったから鳥料理のネタほとんど制覇してたと思います笑 毎回の楽しみでした。

 

竹内尚文(ホイップ)

前回に引き続き竹内さんのホイップ。前回より遊びが少なく、精神年齢もちょっと上がっていた気がする。今回の中学生チームの中では結構まとめ役ぽい?中学生チームは同じことをしていてもキャストによって印象が異なるのが面白いなーと思いました。

 

赤澤燈(ハカセ

こちらは2017年のありそさんからともるんへバトンタッチ。ともるんのハカセはユーリへの恋心はあまり感じなかったなあ。ありそさんの時に邪推してただけでありそさんのハカセも明確に好きだーとか言ってたわけではないのですが。

一度涙腺がゆるゆるだった時ハカセの台詞「名前は愛だ!」という部分で、うっかりその熱量に泣いた日があります。名前=愛、だからイリーナがモマが(勝手に)名付けた名前で呼んでいることにも、きっとそこには愛があるんだと思わせてくれる台詞でした。

 

加藤良子(オカルト)

オカルトも前回に引き続きの良子さん。しかし今回はですます調になっていた気が。

ユーリとオカルトのコンビが前回よりもっと仲良しな感じがした。中の人の影響かなあ。

 

諸星翔希 (チキン)

私諸星くんのチキン大好きなんですよ。今回中学生チームでたくさん泣いていたのは諸星くんのチキンによるところが大きい*3。今回のチキンはお母さんのこと、大好きなんですよね。多分ユーリや仲間たちよりお母さまが好き。でも彼は最後にロケットを守ることを選ぶ。その場面になんだかめちゃくちゃ泣いていました。親への反抗というか主張って、人が大人になるために欠かせないことだと思うんだけど、演じるとどうしても「毒親VS被害に遭う子ども」っぽく見えることが多くて。今回のチキンはそのバランスがとても良くて好きでした。あと変顔への振り切り方がすごい。辞めジュが他の若手俳優と比べて一番突出していることって「舞台度胸」だと思います。諸星くん観ながら改めて思いました。

 

廿浦裕介(カレイドスコープ)

最近かっこいい廿さんを見続けていたので(GOZENはそんなことないか笑)、久しぶりに茶化す廿さんでした。前方上手に座ると宇宙授業で絡んできてくれるのがうれしい。

しょごのテレスコープが進化したことによってカレイドスコープもより人間らしくなった気がします。最後、スコープスがモマと一緒に残ることが「もっと悲しい」と言っていたカレイドスコープ。彼には人としての感情がかなり高レベルで備わっている。もしかしたら私たちよりも自分の感情に対して繊細に敏感に理解しているのかもなあと思っていました。

 

伊藤昌弘(レイ)

前回の相馬くんが本人のバックグラウンドもあって、あてがきか!?と思うほどだったので、今回伊藤くんは重かっただろうな、と思います。でもめちゃくちゃ堂々としていて初舞台とは思えなかった。

ポジティブで純粋で、次の試験では本当に火星に行きそうなレイでした。回を増すごとにめちゃくちゃ良くなっていってて。本人もおっしゃってましたが「出来ないって決めてるのは、自分なんじゃないか」って台詞めちゃくちゃ良いですよね。モマの中でも相当上位の名台詞だと思います。

 

川本裕之 (ベルヌ)

川本さんのベルヌさん好きだったです~。正直この辺のキャストチェンジは2017年より好みだったなと思っています。

宇宙授業の声掛けの上手さよ…!お友達とベルヌのコメントが楽しいからあえて最初は「こんにちは」って言わないようにしよって言ってました笑

川本さんの普段はとぼけた感じが可愛らしかったです。その後のシリアスな場面はかっこよ食ってONOFFの切り替えが上手い、仕事ができる人って感じ。

 

杉山美央(アイザック

過去になにがあったのかな、と思わせるアイザック。彼女の「ここからでも宇宙を感じることができる」はおじさんの最後のクイズの意味を最初から分かっていた人だから出る言葉なんだと思います。アイザックが女性だとどうしてもイリーナの件もあって女性が夢を諦める構図になりがちだったので、そこはヴェラやユーリがいてくれてよかった。アイザックはイリーナと似た考えで、それでも宇宙に関わっている人。宇宙を嫌いになることですべてを拒絶していたイリーナも、彼女の話なら聞けるところが、前回より説得力を持って観ることができました。いつか未央さんのイリーナも観てみたいです。前回から思っていますが、今回アイザックを観て、よりそう思いました。

 

鈴木勝吾(テレスコープ)

前回より…性能が上がっていた!!笑

なんでこんなに細かく色んな種類のロボットの演技ができるんでしょうね。本当に凄いと思います。今回は瞬きもゆっくりならできてるようで良かった。テレスコープを私はあんまり「鈴木勝吾」として認識していなくて。もうロボットとしてとても愛おしいです。スコープスでグッズ化して欲しい。これって凄いことだなあと思います。

日替わりもしょごが一手に引き受けていて、本当に頼もしい俳優さんだなあ。ミヨーの晩御飯の時に「オヤツ」とか「カエダマ」ってボソッと言ってたのが可愛かった。

前回あんなに最後の「生きて」に泣かされていたのに、今回またバージョンアップしていた!!もう最初の伏線のショートコントから泣いてました。モマが今回スコープスに優しくなっていたのも、喧嘩しつつも仲の良い関係性がしっかり見えてより泣く…。

改めて台本を読むと鈴木勝吾という俳優のすごさをしみじみ感じます…。次はどんな役で見られるのか楽しみにしています*4

 

田邉幸太郎(マイクロスコープ)

圧倒的出オチ!!!まさか顔が見えないなんて思わなかったー!!そしてまさかデザイン本人なんて思わなかったー!!めちゃくちゃ油断していて登場した瞬間笑ってしまいました。可愛かったー。岡崎以外でもグリーティングやってほしかったな…。キャラクターカードの裏の設定で、ずっと月にいたロボットで、今回が最後の任務だったと書いてあって切なくなりました。マイクロスコープは圧倒的に他のアンドロイドたちよりもロボットに近いんだけど、それでも感情はダイレクトに伝わってきて、ロボットたちの感情に寄り添って観ると、また別の物語が一本作れそうだなと思ったり。

 

田村颯大/永島叶和 (ジュピター)

ジュピターはWキャストでした。颯大くんは前回の日向くんを彷彿とさせる可愛らしいジュピター。叶和ちゃんはお芝居がめちゃくちゃうまい!気づく演技とか細かくできる子でびっくりしました。叶和ちゃんは一足先に千秋楽だったんですが、みんな号泣していて良いカンパニーなんだなあと改めて感じてホッコリしました。

 

小須田康人(タケミツ)

友人と話してたんですが、前回の輝馬くんが教祖さまのようなカリスマ性があるとしたら、小須田さんの船長はもっと身近な感じ。いつもは飄々としていて、偉そうでもなくただそこにいるだけで船長としてどっしりと見えるのは流石だなと思いました。

若者の悩みに寄り添い、一緒に喜んで一緒に悲しむ。理想の上司すぎました…。

 

山崎大輝ガーシュウィン

大輝くんを生で見るのは初めてです。DVDなどでマイペースな役を演じているのしか観たことがなかったので、ガーシュウィンのイメージはあまりなかったんですが、ドハマりでしたね。一番「普通」で一番「若者」のガーシュウィンは観客の目線に近くて感情移入がとてもしやすかったです。前回のモマが大大大好きな岳ちゃんのガーシュウィンもそれはもう大好きで、やっぱり今回観ながら恋しかったりしたんですが、大輝くんのガーシュウィンもとても好きでした。最後にモマとの別れを受け止められないガーシュのおかげでお客さんも宇宙飛行士のメンタルについていけるので…これはアフタートークで井俣さんがおっしゃっていてその通りだなと思いました。

あと大輝くんは舞台の上でとってもフラットなんですね。舞台上で起きたトラブルを見なかったことにしないでガーシュウィンのまま反応する。それがとっても面白い役者さんだなと思うし、彼の底知れなさを見た気がしました。

 

堀池直毅(バルトーク

お髭がナイス*5なバルさん。実は身体能力が高くて、宇宙授業の中でぐるっと無重力の一回転をしているのがすごいなあと毎回思っていました。

バルトークとミヨーのコントも楽しかったー。結構今回のバルさんはいじられキャラというか、放置されたり台詞を奪われたりしていたので、その変化も面白かったです。

 

内山智絵(ヴェラ)

智恵さんも今回続投でヴェラだったんですが、前回より女性らしくなっていました。オープニングダンスも前回岳ちゃんが柔で智恵さんが剛って感じのダンスだったのが、色気のあるペアダンスになっていたし、お芝居もかっこいい女性という感じだったのがかっこよさを残しつつ柔らかくなっていたと思いました。素敵なお姉さんって感じ。

どうしても女性が地上に残っている中で、ヴェラが宇宙飛行士として活躍していることはとても素敵だなと改めて思ったし、その真意が聞きたい気もする。イリーナとアイザックとヴェラの話を見てみたいなー。

 

松村龍之介 (ミヨー)

のすけは絶対ガーシュウィンだと思っていたらミヨーで、最初はどうなるかな…と思っていたんですが、後半にかけてぐんぐん私好みになっていきました(笑)

前回のけんけんのミヨーがそれはもう素晴らしくて完璧だったのですが、今回のミヨーも素敵。モマと同年代だとめちゃくちゃ分かりやすくなっていました。キャラクターカードに書いてあるんですが、二人ともムーンチャイルドプロジェクトに参加していて、多分10代からの付き合いなんですよね。最初にモマにお父さんのことを話したのもミヨーだし、彼だけはモマのお父さんに会ったことがあるのかなと思っていました。

ミヨーは基本的には飄々としているキャラクターなので、誰とでもスマートに対応するのですが、モマの時には「モマ~!」と等身大で話しているようで心を許せる友達なんだなあと思っていました。それだけに最後のお芝居は悲痛。台詞と心が乖離している芝居って弱いんです私…。東京の時は後半にかけてどんどん乖離していて、楽ではモマを見て台詞が言えないほどでした。ミヨーが止めているはずのガーシュウィンより辛そうだったので、ぐちゃぐちゃするからか地方公演からはもう少しさらっとしていました。心に刺さるミヨーで私は大好きでした。

 

鎌苅健太ホルスト

前回の谷口さんからは、少しヤンパパになったホルストさん。まずビジュアルがめちゃくちゃかっこよかったので、理想のお父さんすぎますね。私ならこんなにかっこよくて宇宙飛行士のお父さん自慢でしかないなあ。

けんけんのお芝居大好きなので、谷口さんとどう変えてくるかなと思っていたら、全く違っていました。あくまでも等身大、けんけんが演じるホルストさんでした。谷口さんがもう少し大人でダンディで柔らかなホルストさんでそれはそれは好きだったんですが、けんけんも良かった…!ジュピターがいなくなった時のお芝居はもう芝居には見えなかったです。本当に家族を亡くした人の叫びで、見ていてあまりにもしんどかった。

ジュピターと再会した時も決して泣き顔を子どもには見せないんですよね。本人がパパになったこともあると思いますが、けんけんの細かなお芝居がやっぱり好きだなと思いました。

あと、日替わりが楽しい。前々から知っていましたが、ほんとに凄い。

 

井俣太良(おじさん)

おじさんも前回同様井俣さん。コミカルで楽しいおじさんの部分は残しつつも、どこか悲しさを秘めている部分がよりくっきり見えた気がします。

モマに対しての後悔とか、ユーリへの期待とか、そういった部分を(私が前回キャッチしきれてなかっただけかもしれませんが)、より強く感じました。

最後の台詞でいつもぎゃんぎゃん泣いてるのですが、一度通路後ろで観ていた時、脇にはける手前でロケットの出発を見守って笑顔で去るおじさんの姿にさらに泣いてしまいました。これはDVDで抜いてほしい・・・。中通路どうやったら抜けるか分かんないけど・・・。

 

生駒里奈(ユーリ)

生駒ちゃんのお芝居が10000000000倍上手くなっていた…!トゥーランドットで観て分かってたんですが、またユーリとして会うことができてより感じました。

特に今回は細かくお父さんに芝居を寄せていて。ラストシーンのシンクロ率の高さにまた涙腺が崩壊した。前回は結構さらっとしてたと思うんですが、しっかり2人の感情が追えるようになってとても印象強い場面になったなあと思います。

モマの裏物語は生駒ちゃんが夢を持って、自分の道を進んでいくドキュメンタリーなので、またその成長を同じ役で観ることができてうれしいなと思いました。生駒ちゃんとユーリは一体化しているような鏡のような2人で、初演の時からこの親和性の高さというか、生駒ちゃんの奇跡を見ている感じがして、生駒ちゃんがユーリと出会った瞬間に立ち会ってよかったなあと思います。

ユーリが夢に向かって走り出し幕が閉じる時、生駒ちゃんもまた、舞台という夢に向かって走り出すんでしょう。彼女の瑞々しさ、疾走感のおかげで、いつも結末の悲しさを超えて、とても爽やかな気持ちで観終わることができました。

 

矢崎広(モマ)

前回が、森大さんや台本からくるモマを演じていたとしたら、今回はがっっつり矢崎広のお芝居セレクション100%だったのがとても好みでした。森さんのモマも好きなんですが、あれは森さんだからできるような気もして。今回はよりモマが本人に近づいていたというか。自分でもよくアフタートークで言ってましたが、お父さんの件も含めて、矢崎さん自身が前回よりもさらにモマというお芝居を通してさらけ出されていた感じがする。私はひどいファンなので、彼の人生で得たこと全てを舞台で観たいし、舞台上でボロボロになっているところを観るのが好き。芝居という虚構の中にある本当を観たいんだと思います。今回は随所に見えた気がして、それが好みだった。

と、言っても彼は役者なので全部お芝居なんですけど*6!その芝居もどんどん変わっていって面白かった。最初の頃の方が好みだった場面もあれば、後半の方が好みだったところもある、中盤の東京楽で好きな場面もある。そのバランスが絶妙だったと思います。

しかしどの回も最初登場して5秒で泣き、そのままエネルギーを爆発させてオープニングに進むので、毎回宇宙に飛び立つまでにすでに心を鷲掴まれまくってました。モマは今回が最後とのことですが、これからももっと魂を削るような広くんのお芝居がみたいなあ、大好きだなあと改めて思った公演でした。

 

感想

全体の感想としては冒頭でも書きましたが、2017年よりもひとつひとつの場面をしっかり描くようになっていたと思います。その分前回にあった疾走感は減速したものの、SF知識に乏しくてもついていきやすくなったかなと。かなり早めの再演で、好色やネバーランドがまた観たかった私としては、もうモマするんだ…?と思う気持ちもありましたが、最高の仕上がりだったので、本当に観れるだけ観て良かったなあと思っています。今回を経てわたしにとっても、とっても大事な作品になりました。

モマの言葉はニュートリノとなって私の身体をすり抜けて、やがて私を構成する一部となっていく。そんな感じがします。今のこの状況でもしんどいことは多いけど、モマの言葉に知らず知らずのうちに支えられていると思っている。

 

*1:行きたかった…

*2:決死の思いで取った雪組がチリ(=休演)と消えました

*3:ちゃんなかのチキンももちろん可愛かったよ!

*4:来月チェーザレで早速見ますが…笑

*5:舞台でもいじられている

*6:でもお芝居=嘘ではないと思っている