sognamo insieme

昨日の推しに会いに行く

遠ざかるネバーランド

過去のことばかり回想するのに飽きちゃったので、最近の観たものへの感想をつらつらと書きます。遠ざかるネバーランド、何を言ってもツイッターではネタバレになってしまうので、タイタニック一色になる前にどうしても書きたくて。

子供は誰でも大きくなる。たった一人、ただ一人の少年を除いて…。

現実から逃れたくなった貴方を「ここではないどこかへ」ピーターパンが誘います。

子供も大人も大好きなファンタジーの名作「ピーターパン」をモチーフに、

大人になりたくない少年ピーターパンと、

何も知らない少女ウエンディの出会いが生むダークファンタジー

2015年、松田凌版「ネバーランド」を上演いたします。

『遠ざかるネバーランド

2015年3月11日(水)~15日(日) @東京芸術劇場 シアターウエス

脚本・演出:ほさかよう(空想組曲

出演:

ピーター・パン…松田 凌

少年…矢田悠祐

ウエンディ…横田美紀

ルフィオ(迷子)…二瓶拓也

エコー(迷子)…小野川晶

トゥートルズ(迷子)…小西成弥

タイガーリリー…小玉久仁子

ドンキー(海賊)…川本 成(時速246億)

スターキー(海賊)…荒木健太朗

フォガーテ(海賊)…林 剛史

人魚ビスカ…時東ぁみ

ティンカー・ベル…平田敦子

ジェイムズ・フック…松村雄基

感想(ネタバレあり)

一緒に行った妹には不評でしたが、私はとても好みでした。

初めてこのお話を知ったのは、2013年、村井良大版遠ざかるネバーランドの記事を雑誌で見た時です。井深さんとの激しいキスシーンに衝撃を受け、見に行かなかったことを非常に後悔。そして、今回、松田凌くん主演なら行かないわけにはいかないと思い、幸運なことにチケットをお譲りいただけて観劇してきました。

ほさかようさんは、中二心をくすぐりそうな感じがひしひしとしたので、楽しみにしていたら見事ビンゴ!

しかし、方向性は裏切られました。まさかこっちとは!

ブラックファンタジーというから、ニコニコ動画のようなお話かと思っていたら、思春期の精神世界を描いたお話。ネバーランドに連れてきてもらったと思ってたら、自分の小さな箱庭(ネバーランド)のなかで、死と向き合うお話でした。

このお話のなかで「飛びたい」というのは「死にたい」ということ。

それを母親と同級生のスグルが必死で阻止しようとします。

よく似た設定のお話として、辻村深月の「冷たい校舎の時は止まる」を思い出しました。「凍りのくじら」にも通じるものがある気がする。

この物語の実質的な主人公は上田いずみという17歳の女子高生です。(名前がウエンディと似てるんだけど、ほさかさんの遊び心?それとももっと意味があるのかな)

ネバーランドの人物たちはティンクと少年(スグル)以外全員がいずみの分身。

ヒーローであるピーターパンとウエンディが自殺したい気持ちの象徴で、海賊たちが踏みとどまらせたい、踏みとどまりたい側というのが面白かった。

ピーターがどんどん仲間や海賊たちを惨殺していって、バイオレンスなシーンが多いので、ここが好みが分かれるところかな、と思います。

トゥートルズとのあのキスシーンの場面、こんなにエグい場面だったとは・・・

お互いが舌を噛み切ろうとしてますし。

トゥートルズとドンキーの関係がお気に入りです。

カイワレおじさんかわいい。

人魚のビスカとフォガーテの場面も好きでした。林さんのフォガーテ素敵。るひまでは変わり種の役が多い気がしますが、女に優しい荒っぽい役似合うー!かっこいい。

これが全部いずみだと思うとちょっと不思議な感じもしますが。

ウエンディが本来のいずみに一番近い存在で、エコーに対して「私たちは深海魚なんだから」という言い方をしますが、10代のときヒエラルキーの下の方で、上に行くのを虎視眈々と狙っていた深海魚だった私にはぐっさり刺さる台詞がたくさんありました。私も下半分描いちゃうよ。だってあと3日でしょ?告白して振られてるんでしょう?不安だもん笑

いずみは本当に2人で描く気があったのかな?最初から1人で描きたかったんじゃない?それを隠して、大事な友達だから2人でやるって言ってるんだから予備で下半分描くのくらい許してって思います。

しかしここまで描いたら、もっとエグいところまで行っても良かったなあ。

女子高生とはもっと強かで小狡くて脆い生き物だと思います。と、思うのは私が女子高生を経験してるからかな。

ウエンディの台詞に

死ぬっていうのはきっとすごい冒険よ!

というのがあって、すごいこと言うなウエンディ、と思ったんですが、パンフレットのほさかさんの言葉を見ると、原作にあった言葉らしいですね。

この言葉を基にして書かれたお話なのかな、と思いました。闇な台詞だなー。

個人的にはピーターパン大好きなお話なので、ピーターパンがみんなを惨殺してるところはつらかった。リリーにお父さんいるしね。そんな改変までしてピーターパンを悪役にしたいの!って途中まで憤ってたんですが、からくりを知って納得しました。松田凌くんは、こういう役似合うってずっと思ってました。悪い意味ではなく。自分のことを好きな子が好きなんだなーっていう役。ハマり役過ぎて、逆に村井さんがどう演じたのか気になります。

本来のピーターパンの大人になっていく子供たちを見ながら、自分は永遠に子どものままでい続ける、その切なさが好きです。

話が逸れましたが、大御所さんも若手の皆さんも素晴らしかったので、ぜひDVDにならないかなあ。平田さんのティンクからお母さんになるところ、温かくてずっと涙していました。

そういえば、セットのポールがふらふらしてて、それがヒヤヒヤしました。

一回照明に当たったような・・・笑

初日らしい細かなトラブルもありつつ、全力投球なところが非常に良いお芝居でした。