sognamo insieme

昨日の推しに会いに行く

モマの火星探検記

あけましておめでとうございます。

バタバタしていて、一度会報までに感想が書けなかったので、そのまま放置してしまいここまで時間が経ってしまいました。

このままDVDまで待とうかとも思ったのですが、それはまた感じが変わってしまうかなと思い今更ながらつらつらと書きます。

2012年に少年社中で行われた舞台の再演。今回が初見です。

 

<あらすじ>

宇宙をめぐる2つのストーリーが交差し絡み合い「宇宙とは何か?」を解き明かしていく。

 

《モマの物語》

宇宙飛行士のモマは、父との約束を果たすために人類初の火星探検に挑む。

 

「人間はどこからきたのか、なんのために生きているのか」

火星に向かう旅の中でモマはその意味を考え続けていた。

 

そんなある日、モマの前に「幽霊」が現れる。

驚きながらも奇妙な出来事を受け入れる中で、

モマは少しずつ人間が生きる意味について考えていくのであった…。

 

《ユーリの物語》

北の国に住む少女ユーリの父親は宇宙飛行士だった。

彼女が生まれる前に人類初の火星探検に旅立ち、帰らぬ人となったという。

ユーリは行方不明となった父親にメッセージを送ろうと、仲間と小型ロケットを作り始める。

やがて、失敗を繰り返すユーリの前に一人の「幽霊」が現れる。

幽霊はユーリに問いかける。

「宇宙の境界線はどこにあると思う?」

その姿にどこか懐かしさを感じたユーリは、幽霊との対話を繰り返しながら、仲間たちと小型ロケットを完成させる。

 

果たして、時空を超え、モマとユーリの思いは交錯するのか――。

 

<感想>

宇宙を通して地球、そして生きることを考えた話でした。前向きで夢に向かってキラキラしているモマ含む宇宙飛行士たちに宇宙への憧れを見ながら、隣の人、周りの人のことを考える。そんなお話でした。

夜空って、どこまでも広くて神秘的で、小さい頃悩んだり悲しかった時、1人でベランダでよく眺めていたのを思い出していました。

その憧れのまま、宇宙飛行士たちが空に飛び立っていることにまず驚きました。

とてもピュアで、ただ宇宙の新たな発見を求めて飛び立つ。何か起きても最後まで前向きな姿勢は、私が今まで見たことない人たち、考え方で自分にできるできないは置いておいて、とても素敵なことだなあと思いました。

 

あまりSF要素はないので、私のようにSFってなんぞやくらいの人でもとても楽しく観れました。DVDぜひぜひ。

話をネタバレなしでまとめるのが困難すぎるため以下、出演者ごとのネタバレ感想。(ゲストメイン)

 

矢崎広(モマ)

あまりにも本人と境遇が近すぎてどこまでが矢崎さんなのか分からなくなるくらいモマと一体化していたように思います。でも、よく考えたらやっぱり矢崎さんこんなにポジティブじゃないし、いじられキャラでもない(打合せのない前振りに弱い)な、と思うので自然すぎたからだろうなと。

モマは本当に夢に一直線で、前向きで、でも迷いや悩みもあって。私たちと同じ、等身大で話を進めてくれていました。

途中まで本当に明るく、日常の場面が多く進んでいくのですが、1番最後、火星に取り残されてしまう場面からが、矢崎広の真骨頂でした。

個人的には奥さん(彼女)のイリーナの気持ちも理解できて余計に悲しかったです。彼の「絶対帰るから、まってて」という台詞がキラキラしすぎていて、信じたくなってしまう。待つことを諦められなくなってしまう。ある種残酷な場面でした。ただ、どんなに絶望的なことがあっても、最後まで希望を捨てないモマに宇宙飛行士という人間の本質を見た気がします。

示すエピソードは他にもあって、カムイがモマを置いて飛び立つ場面でモマが笑顔で「いってらっしゃーい」という場面。いつもここ泣いてたんですけど、千秋楽はその後ポロっとこぼす「よかった…」で涙腺壊れました。モマはなんて優しくて強いんだろう。どんなに悲しいことがあっても、その中に一筋の光を見つけることができる。宇宙飛行士が楽天家だというのはそういうことなんだと思いました。

個人的にですが矢崎さんが結婚してすぐだったため、プロポーズ大作戦の場面は笑いながらちょっと心臓が痛かったのです。しかし本人の結婚がなかったら私はモマの結婚についてどう思ってたのかなと思ったりします。多分「まだ若いかなー?」とか「もう少し年を経てからでも良かったかも」とか思ったかもしれない。そう思うと、こういう役に挑戦できる幅を得たことは矢崎さんにとってとても大きいのかもと思います。

私はというと、この舞台が始まる前にこじらせ過ぎて「ファンと俳優という関係性の行き着く先はなにか」という問いを1週間くらいうーんうーんと唸っていて*1、でも矢崎さんがモマとして「人間はどうして生まれ、なんのために生きていくのか」って言った瞬間に好きーーー!愛してるーーー!!って冒頭ものの5分で切り替わる単純なオタクでした。この関係性の先に何もなくても、今私が幸せを得られる。これってとても大きなことなので、これからも応援していきたいと思います。

 

生駒里奈(ユーリ)

生駒ちゃんはこの舞台で知った方です。体当たりな演技をする方だな、と思いました。私はこういう演技力や技術うんぬんではなく本人の気質がぴったり合ってすごい爆発力を見せる場面に遭遇すると鳥肌が立つほど感動するのですが、生駒ちゃんはまさにそれでした。僕っ子で優しいリーダーで、素直でまっすぐで夢に一直線で愛に溢れている。素をよく知らないけど、本人の魅力がぴったり合わさるようなお芝居でした。子どもたちみんな回を重ねるごとに愛着がわいてしまって、どんどん最後が泣けてきました。おじさんとの掛け合いもテンポ感も良く最高でした。

ユーリと母イリーナとの衝突は、私もこんなことあったなあと懐かしく思ったり。最後は応援してくれるんですよね、やっぱりお母さんだから。生駒ちゃんは今テレビでお見かけしても応援したくなっちゃうので、無事乃木坂で推しメンとなりました笑

 

・松田岳(ガーシュウィン)

これは物凄い奇跡なんですけど、矢崎さんと共演を果たしました。これだけで毛利さんに圧倒的感謝で、またまた役が素晴らしすぎて圧倒的感謝です。

宇宙飛行士仲間の1人で、モマのプロポーズ大作戦を決行したり、最後の火星の場面で多分最もモマに対して後悔を抱く役。

この2人の共演だけでも素晴らしいのに、2人の場面が(謎に)多くて毎回会場内の温度を上げてました。

プロポーズ大作戦はがっくんと矢崎さん2人がいつも距離感が近すぎて可笑しかったです。この場面、ひたすら矢崎さんが笑いをぶんどっていくのですが、がっくんは笑いを堪えるのに必死そうでした。

岳くんは私の知る限り非常に矢崎さんのことが好きみたいなので、ファン、毛利さん、岳くん3者にwinwinでした…!(矢崎さんがどうかは分からないですが笑)

岳くんの魅力といえば、武骨な体躯から生み出される女性のようにしなやかなダンスがまず挙げられると思うのですが、今作ではダンスでそれをいかんなく発揮していました。オープニングのソロや中盤のダンスなんかは最もたる例で。目を引く身長でとてもポージングが綺麗なのでどうしても見てしまうんですよね。岳くんの魅力全開の舞台でした。

ちなみにガーシュウィン毛利衛さんの小説には出てこない、少年社中オリジナルのキャラクターなのですが、どうして名前をガーシュウィンにしたかというと毛利さん曰く「僕の一番好きな作曲家だから」だそうです。宇宙飛行士はモマ以外みんな作曲家だったり、陸の宇宙関係者はみんなSF作家だったり。名前の関連性を見つけるのも楽しい舞台でした。

 

鎌苅健太(ミヨー)

けんけんは何故か8〜9月にのみだけ観劇するという妙な周期を3年くらい繰り返しています。毎回思うのは、彼はとてつもなく演技が上手いということ。上手い下手は個人の感覚になってしまうので、私好み、といった方がいいかもしれませんが。今回もツッコミだけど温かい、人柄の見えるステキな役でした。なんでもない台詞が間の使い方で会場内の笑いを攫うんですよね。芸達者だし、本人の魅力で裏打ちされている部分もあるのかなあ。動きもいちいち素敵で周りからは「アイツ、けんけんに落ちた」と思われても仕方ないくらい、公演中はけんけんの演技を絶賛し続けてました。来年も夏から秋で観れるかな。期待を全く裏切らない、観に行く舞台にいると嬉しい役者さんです。

 

谷口賢志(ホルスト)

ホルストとジュピターの話が、恐らくこのお話の中で一番みんな泣いてしまう場面だと思います。

ホルストさんは優しく、温和で学識のある人。つい耳を傾けたくなるような、そんな役でした。超新星爆発については今もたまにふと考えます。遠い遠い宇宙が少し身近になるような気がして。

ジュピターはもう可愛くて可愛くて。幽霊というファンタジーが、ここに差し込まれているのですが、宇宙だし、そういうこともあるのかなと。

谷口さん、アドリブ劇が素晴らしすぎて毎回大爆笑でした。はじめましてでしたが、すごい役者さんだなあと思います。

 

・輝馬(タケミツ)

輝馬くん、今まで2.5次元舞台でしか観たことがなかったのですが、ここまで出来るなんて…!たしかに年齢より上の役が多めな彼ですが、この幅広い皆をまとめあげ、船長としてリーダーとして立てる手腕にびっくりしました。落ち着いて、包容力のあるある種達観している人。宗教観もなにもかもを受け入れて祈ることのできる人。それを20代で違和感なく演じられる凄さ。驚きです。

タケミツ船長の、起きたことをそのまますべて受け入れなさい、といった趣旨の言葉が好きです。憧れという名のちから、という言葉も好きです。色々と感じ取れる言葉を使う役だったように思います。

ちなみに、私は毛利さんが自作「ハイレゾ」とこの毛利衛さんの作品に共通点を見出したのは、この役名の元でもある武満徹の「小さな空」がハイレゾのとても大事な場面で偶然にも使用されていたことがきっかけなのではと勝手に推測しています。

 

・鈴木勝吾(テレスコープ)

ロボットです。彼が得意中の得意(だと勝手に思ってる)ロボットです。出番はそんなに多くないですが、カーテンコールまでずっとロボットなのでかなり目を引きます。勝吾くんって関節の柔らかさ変えられるのかな、と思うくらい関節の動きが制限されていて、あとほとんどまばたきもしていないです。以前ロボロボにてその凄さは分かっていましたが、改めてすごいなあ、と。途中から人間ということを忘れていました。マイクロスコープ岩田さんとのかけ合いも毎回楽しくて、モマを多分一番いじる二人組だったと思います。

そんな2人ですが、最後一緒に火星に取り残されてしまう場面でモマに「生きて。生きよう。」という台詞があります。東京始まった頃はここは結構あっさりしていて(ロボットだし)、それでもうるうるきていたのですが、後半から少し声が震えていて。ロボットとして、演技として正解なのかわたしには分かりませんが、その辺りから毎回この場面がだだ泣きしてしまうようになりました。1人と2体のロボットには確実にインプットされた機能以外のなにかがあった。そう予感させるような演技に変わっていて、やっぱり好きな役者さんだなあと思いました。

 

井俣太良(おじさん)

この話の裏主役はこの方だったのではないかと。全ての物語の始まりであり、終わり。みんな彼から発信されて動き出した感じがあります。基本的にみんなを導いているので、聴く側に回ることが多いのですがそれでもめちゃくちゃ魅力的でした。茶目っ気あふれる生駒ユーリとのやりとりが本当に息ぴったりで楽しかったです。ここが楽しいだけラストが泣けて…。

「人間はどうして生まれなんのために生きているのか」

「地球と宇宙の境目、どこまで上に行ったら宇宙なのか」

おじさんが2人に質問した答えはぜひDVDで。

 

物語の最後はとても悲しいのですが、光り輝いていて。

観終わった後の満足感がさすが少年社中でした。

この話はいわゆるバッドエンドなんですね。でも私は昔月に行ったら浦島太郎になる、という話を聞いたことがあって。相対性理論やらでよく理解していないですが、時間軸が違うので、宇宙では歳の取り方が緩やかになるかもしれない、という説です。宇宙飛行士になったユーリがほんとうに火星に行って、もしかしたらあのラストの場面は現実になるのではないかと個人的にはまだ希望を持っています。

*1:完全に結婚発表後にりさ子のガチ恋俳優沼を観たせいです