例えば誰か1人の命と引き換えに世界を救えるとして、僕は誰かが名乗り出るのを待っているだけの男だ
舞台を観ている間、Mr.Childrenの「HERO」が頭から離れなかったです。ナミコシは果たしてHEROなのでしょうか
原作ミリしら、乱歩への知識もミリしら*1な私ですが、今回第三弾完結編の第6弾キャストで松田の岳ちゃんが出演が決まったので前楽、千秋楽にマチソワしました。
ついていける自信はミリもなかったけど、意外とついていけた!面白かった。
初見は学がないので登場人物の話している内容がちんぷんかんぷんだったんだけど、2回目では理解しておくべきところと分からないままでいいところが大体はっきりしたのですんなり入り込めた感じがします。
個人的に混乱の元凶なのがナミコシという存在。みんなの話題の中心であるにも関わらず、生きているのか死んでいるのか最後まではっきりしなかったのが、個人的に観ている間クエスチョンマークが取れなかった。
概念のような存在で、実体としては死んでいると捉えた方が私はすっきり観れました*2。
この話の根底にあるものは愛で、誰かへの想いで全ての事象が起きているんだけど、それがあまりに大きな事象すぎて(世界を変える的な)突飛な印象を受けてしまうんだと思う。
それこそがバタフライエフェクトなんだよってことなのかもしれないですけど*3。
どこの事件が誰のきっかけで起きてるのかもっと分かりやすくしてくれたら分かったかなあ…。脳外科医の先生とかどうして宗教団体全員で狙った…?誰かの何かの縁故…?
カラマリ*4の時もそうだったんですが、私はひと単語分からないとそれが引っ掛かってしまって先に進めないようで、話してる途中から理解が追いつかなくなるんですよねー。勉強が出来ない人あるある。
なので物語は理解してるかって言われたらあんまり分かってないです!数学で性格見えないし!暗黒星ってなんだろって感じだし!サマーウォーズと同じように考えたらいいですか?ってそこからもう着いて行けてないのかよっていう。
面白いと感じたのはキャラクターの働きが大きいかもしれない。2回しか観てないのにすごく愛着が沸いたんですよねー。
アケチはTHE主人公って感じで、天才なんだけど悩んだり迷ったり等身大の17歳なところがいい。
コバヤシ少年は個人的に考えのロジカルさが好きで、色んな事象についての話が聞きたくなる!感情より論理優先なんだなあ。ラストももうちょっとロジカルに納得して欲しかったけど。
ハシバは最後の熱さが素晴らしい。日替わりの頭の回転の速さに何回も笑いました。
ナミコシはずっと花沢類にしか見えなかったんだけど、そんな人私しかいないのかな…。人類を大きく分類したら間違いなく一緒だと思う。あんまり人のこと考えてないところとか。掴みどころないのに魅力的なところとか。山﨑くんはこういう役どころ似合いますね。
カガミはなんでこうなったカガミ〜〜と思わざるを得ない…。円形だからトキコの死体が2階に釣り下がってるの、楽で知って悲鳴上げるかと思った。
そのカガミを止めようとするナカムラさんがかっこよすぎて痺れる…。2人が飲みに行く場面で泣いてしまう…。3枚目と見せかけた最強の2枚目…。
影男さんもかっこよかった…こちらも3枚目と見せかけた2枚目…色んな危機を影で救ってるじゃん…しゅんりーの面白さも遺憾無く発揮されていて、爆笑した
ミナミちゃんは最初全く言葉が頭に入って来なかったんだけど…なんだろ…勢いで笑い倒された感…
ヤマネさんはもうめちゃくちゃ気持ち悪くてさすがヤバめの宗教団体のトップだった…ハシバくんのこと若干お気に入りぽかったところがマックス気持ち悪かったです(最高)
タマムラさんは感情移入しやすかった。こういう団体って必要悪だと思ってないと動けない人って必ずいると思うから、1番強力にマインドコントロールされてたんだろうなあ
コモダは1番読めなかった…なんだかんだ最後まで生き残るのはこういう人なんだろうなあ…。それでも、ハナサキのことは最後まで大切だったのだと私は思いたいな…
ハナサキは!ハナサキは…!がくちゃんにこの役を与えていただきありがとうございました!最高に色気だだもれ17歳だったので基本的に1回目の教団の話がほとんど頭に入ってこなかったのはハナサキの!せい!前楽はナミコシやアケチへの恨みや負け惜しみがすごくてめちゃくちゃ小物感あったんだけど、楽は大正解でした…。負け惜しみの中に滲み出る寂しさとか疎外感をすごく感じた…。結局彼はナミコシに会いたくて会いたくて仕方なかった可哀想な高校生なんですよね。ただ会って謝りたかった。コモダはそんな自分をまるっと受け止めてくれる初めての大人だったのかなあと思います。それがブロマンスなのかラブなのかは分からないですけど。ジャイアン味の中に弱さが見え隠れするのが最高でした。影男さんとの場面楽しかったなー。
3作目という集大成の作品で、各キャストのキャラクターへの理解の深さをしみじみ感じました。これも2.5の醍醐味だなあ…。
某放火事件とか某轢き逃げ事故とか、痛ましい上に加害者への罰が甘すぎるのではないかというモヤモヤを抱えている今に、あまりにもタイムリーな話でした。その気持ちに私たちはどう向き合えばいいのか、その答えは明示されなかったけれど、個人の意思で私刑することだけは間違っている、HEROになる方法は他にきっとあるはず…そんな思いで観ていました。