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君を夏の日に例えようか

映画「すくってごらん」感想

ミュージカルでもラブロマンスでも金魚すくいの映画でもない。これはコメディだと思えばそれなりに面白いと思えました。演出と音楽が先に在って、それに合わせて脚本を作ったのかなあと思う。

 

sukuttegoran.com

 

 東京から左遷され片田舎の町へやってきた大手メガバンクのエリート銀行員・香芝誠が運命的に出会ったのは、金魚すくいの店を営む美女・吉乃。持ち前のネガティブな性格と左遷のショックから心を閉ざし、仕事だけに打ち込もうとするが、吉乃のことが頭から離れない香芝。しかし、吉乃は幼なじみの王寺昇への想いを秘め、こころを閉ざしていた。一方、女優の夢破れ地元のカフェで働く明日香には一目ぼれされ。果たして、エリート人生から外れてしまった香芝の人生の行方はどうなるのか?そして、秘密を抱える吉乃の心を金魚のようにすくうことはできるのか?今、金魚と恋心と出世をめぐるドラマがはじまる-

 

映画を観るとき、私はストーリーを1番重視してしまいます。そんなタイプの人にはちょっとおすすめしづらい、好みが両極端に分かれる話だと思った。

キャッチーな曲、ニナミカ的ビビッドな色づかい、空間軸や時間軸が捻れた演出、このあたりを中心に観るととっても楽しい映画なのでは。

あとなにより全員歌、うま。キャストのラインナップ観れば分かるやろって話ですが、耳が幸せだった。

ただ、私は主役の香芝誠がどーーーしても合わなくて、行動原理も理解できなかったのでミュージカルだと思って観てもストレスが溜まってしまって(笑)

「なんかおもろいことやってるなー。コメディなのかなー」って思って観たら1番楽しく観れました。その日の映画館のお客さんがガンガン笑ってたから、そのムードに呑まれて楽しくなっちゃったのもある。話は全く理解せずになんとなく楽しく観るのが1番良い気が。真壁監督は映画館で観ることを推してますが、私は正直おうちでダラダラと観る方が気楽に好きなところ摘めるので合ってるなーと思っています。演出も面白いとは思うんですが、芸術系大卒な割に芸術的な素養がないので…よく分からなかったですね。

 

原作もあるんですが、ほぼ別物。こちらは温かくて優しくて素敵なお話です。紙はほとんど売ってないので電子書籍がはやい。

金魚めちゃくちゃ掬いたくなります。金魚すくいって奥が深いんだなあ。

 

すくってごらん(1) (BE・LOVEコミックス)

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あとは各メインキャストの感想を簡単に。ここからネタバレ込みです。

 

香芝誠(尾上松也)

映画中の性格がほんっとに合わなくてストレスだったんですが、松也さん自体は振り切ったお芝居といい声で歌い上げててとても良い。顔芸やばいのでそれを見てケラケラ笑うくらいでちょうどいい気がします。脳内毒舌ラッパー。ポロッと溢れた悪口ラップが原因で左遷されたのに、左遷先では毒舌ラップを全部口から発してしまう状態になり、そのまま東京へ戻ることに…wwwこのままだとやばい奴がもっとやばい奴に進化して波乱の東京本社編が待ってると思うのですが、そこはスルーでエンドロールに入ったので笑いました(笑)

ピアノも当て弾きしたら良かったのになあ。全員適当ならまだしも、松也さんだけ適当だったので気になってしまいました。

 

生駒吉乃(百田夏菜子)

ももクロで見た時は元気なイメージだったけど、お淑やかで寂しげな吉乃でした。原作よりも寂しげな印象が強い(でもどちらも特に何か暗い過去があるわけではない)。

コンサートで自分より上手い子*1がいるから人前で弾きたくなくなって、荒屋で夜な夜なピアノ弾いてるのは相当な負けず嫌いだと思います(笑)ピアノもパワフルで荒いし。

見た目の割にこじらせちゃんだと思うので、明日香ちゃんの言う通り香芝にはこの子は無理。原作だと良いお友達って感じでしたが、映画だと吉乃ちゃんドン引きって感じで距離はほぼ縮まりませんでしたね。

ピアノちゃんと弾いてるし歌声も聞きやすいので、百田夏菜子ちゃんがこの作品によってミュージカルの苦手意識が強まらないといいな…って思ってます*2

 

王寺昇(柿澤勇人)

何の仕事をしているのかも、何を考えているのかも、誰に対してどう思っているのかもまっったく読めない人。原作と設定は全然違いますが、映画から受ける印象は原作と1番近かったと思います。柔らかくて飄々としてて。キャストビジュアルの時は全然違うなーと思ってたのにお芝居で近づけてた。凄い。あの帽子をずっと被ってる理由とかやって欲しかったなーーー。映画は結局タップダンスで投げるための帽子になってしまった*3…笑

歌ってピアノ弾いてタップダンスして全部クオリティ高くてびっくりしたんだけど、圧巻だったのは金魚すくい。伝説の人と言われるだけあって、金魚の方から近寄っているように見える。原作で描かれていた一定のリズムで掬うってこういうことかーーーー!と感動しましたね。私も金魚あんな風に掬ってみたい!

 

山添明日香(石田ニコル)

カワイイし色気あるし歌上手いし共感できるし、1番好きなキャラクター。何考えてるか分かる唯一のメインキャストです。

理想と挫折を繰り返しながらも前向きに生きてるところが素敵。喫茶店の経営危機は香芝のおかげでとりあえずは持ち直してそうなので、街の人に愛されるお店を続けていってほしいです。明日香は原作よりも映画の方が好きだなー!原作も可愛いんだけど、映画はキャラクターに深みがあってより魅力的。川西と幸せになるスピンオフを何卒!

 

川西(矢崎広)

メインキャストと言えるかは微妙なんだけど(笑)でも、ほぼメインキャストと言えるのではないでしょうか。

思ったより出番あってよかったー!少なくともGOZENよりはあった。

k1mg.hatenablog.com

 

休憩と称して1分20秒のソロもあったので本当にありがたい限りです…!

川西は基本的には香芝のツッコミとして存在しているのでパーソナリティはよく分からなかった。ライバル心メラメラしてるのか?と思いきや仲良くしたがってるし、そうでもなさそう。松也さんの方が貫禄あるので、先輩感はあまりない。(本人は苦手のようだけど)私は広くん、めちゃツッコミ上手いなと思っているので、存分に活かされててよかった。

川西がメインキャストじゃない割にソロがあって歌がうまいので、端から端まで歌うましかいない謎の映画として映画ファンにレビューされてるのが面白いね。美味しい役でした。明日香と幸せになって!

 

以上です!

まとめると

歌 良き

曲 まあまあ(感動して心が震える、っていうよりキャッチーって感じ)

演出 蜷川実花風で面白い?かも??

脚本 伏線を全部踏み倒すので深く考えない方がいい

金魚 可愛い

猫  可愛い

て感じです。

 

すくってごらん観てからミュージカル映画観たくなっちゃってドリームガールズとかバーレスク観て口直ししました。ちなみにララランドの時も同じ現象が起きたので、ララランド好きな人にはめちゃくちゃオススメしたいすくってごらん*4

金魚すくいはここに行きたい。

www.stroll-tips.com

かっきーと松也さんが練習していたらしい金魚坂さん。コロナが落ち着いたらすくいにいこう。

 

最後に妹のすくってごらんの感想が面白すぎるのでシェア

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*1:王寺さん

*2:日舞台挨拶で松也さんが突然歌う場面で笑ってしまってリテイク出しまくったって言ってたので

*3:ピアノの上でタップダンスする人初めて見た。危なすぎて冷や冷やしました

*4:ちなみに私はララランドも………って感じ