sognamo insieme

君を夏の日に例えようか

ジャージーボーイズPVレポート

東宝さんはわたしのダーリンからイベントものにはそこそこ当選させていただけるので本当に感謝です。

それは恐らく私が様々なSNSを駆使して宣伝することを見込んでのことだと(勝手に)思っているのでジャージー・ボーイズのPVをレポートしたいと思います。いつものごとく脳内で再生しているので、誤りがあったらすみません!宜しければご指摘ください。

撮影場所は都内某所のライブハウス。

フロアの真ん中に高さ30cmもないくらいの四角い2畳(矢崎広曰く)のステージが設置されており、外側にマイクが4本。チラシのフライヤーにも使われてるあれです。

お客さんはそのセンターステージの周り、元々設置してある本来のステージの壇上、フロアの段差上(中川さんと向かい合う辺り)に配置されます。

整理番号順に入場し、スタッフの方から場所を指示される形だったので、WOWOWで当たった2人1組の方々以外はほぼ1人で参加している状態でした。

私は終業後ギリギリ参加だったため、藤田さんがフランキー・ヴァリのコンサートに行った感想の後くらいからしかお話を聞けていないのですが、「青春は続いていくのだということをこのPVのラストに皆さんと踊ることで伝えていきたい」と熱く語ってらっしゃいました。

キャストの皆さん、10:30からPV撮影してらしたとか。シェリーとかあと数曲WhiteもRedあるみたいなのでメドレーみたいな感じになるのかな。

私たちが参加するのは"Big girls don't cry "。

多分1分半くらいの長さでした。

藤田さんのお話が終わった後、白石さんと石川さんらが加わって振り付けの講習。

参加者には事前に石川さんが振り付けをしている動画が配られており、皆さんフリは完璧。

動画を見た人ーって訊かれててほぼ9割は手を挙げてたかと思われます。

ギリギリ参加のため、これ以上迷惑はかけられないと動画を繰り返し観ていた私。本当に観ていて良かったです…笑

観客だけのリハを2回ほど行い、「最後のBig〜は跳んで盛り上がってください」とか「歌い終わったら拍手と歓声くださーい!オッケーが出るまでお願いします!」とかややアレンジはあったものの、スムーズに進行し、さあ!ボーイズたちの登場です!と思いきや、予想以上に巻いており、まだ準備中ですとのこと。

藤田さんがお話で繋いでいました。

マイクの調整をしながら、「これで誰がどこに来るのかわかりますねー」とか吉原さんのマイクの前で「ここにあっきーは来ないですもんねー」とか笑

あと、「皆さん振り覚え良すぎです!藤岡より全然!」とか笑

そんなこんなしているうちにようやくフォーシーズンズRedが登場。

矢崎さん藤岡さん吉原さん中川さんの順だったと思うのですが、観客とのあまりの距離感の近さに一旦ハケようとするフォーシーズンズ笑

マイクの位置について、リハーサルです。

中川さんを正面にして左回りに藤岡さん、吉原さん、矢崎さんの順。

私は中川さんと藤岡さんの間くらいにいました。

観客には白石さんと石川さんも混じっていました。

藤田さんか演出助手の方から「踊り子さんには手を触れないでくださーい」と言われる距離感でスタート。

藤田さんからは「テンションはずっと高めでお願いします!!」って言われていたため、エキストラ皆リハーサルからしっかり盛り上がってました。hooooo!とか拍手にびっくりのフォーシーズンズ。

吉原さんは「動物園の動物になった気分だよ!」とおっしゃってました。

藤田さんからは「最後のテンションはいいです!そんな感じで最初の方からお願いします!」と言われて「はいっ」と意気込む私たち。「え、まだ盛り上がるの?」「俺たち呑まれてるんだけど」と怯えるフォーシーズンズ。

吉原さん「ちょっと待って、これ俺たちはどういうスタンスでいればいいの?」と藤田さんに質問。

藤田さんは「この曲はフォーシーズンズが人気アーティストとして地位を確立した時の曲。堂々と歓声に応えて」的なことをおっしゃってた気がします。

リハからそんなテンションだったため、1回目テイクからしっかり盛り上がるエキストラ。「これから何回も撮るので、このテンションを落とさないようにお願いしますー」と藤田さんから指示が入ります。

2回目が撮り終わり、3回目の前に「あと3テイクで終わりです!」と言われるフォーシーズンズの方々。「えー!おれ後1回だと思ってたのにー!」という矢崎さんに「おれもー」と乗っかる吉原さん。ねー!とふざけるお二人。中川さんが「面倒くせえって言いながらやるときはやる」って表現されてたのが、まさに!って感じのRedです。

3テイク目に入る前に藤田さんの思いつきでエキストラが隣の人と入れ替わるよう指示されます。だいたい1人参加な会場だったのですが、皆さん隣の方に話しかけてタイミング良く入れ替わるよう打ち合わせます。

振り付けながら盛り上がりながらの入れ替わり。自然と入れ替わることに夢中になりすぎて、終わった後藤田さんから「うちのボーイズたちを忘れないでください!」と言われてしまうエキストラ笑

「そーだよ!俺たちのこと見てなかったでしょー!」って言う中川さん。

…はい。確かに全然見てませんでした。

4テイク目は段上の方達もフロアに降りて上からの撮影。入れ替わりはなしです。

4テイク目終わったところで10分休憩になりました。熱気とライトで暑くて、みんな実はフラフラだったのです。

5テイク目はフロアにいる観客とフォーシーズンズがいるステージの間をカメラがぐるぐると回ることに。一回リハーサルをしてぶつからないように気をつけながら本番です。

6テイク目はご褒美テイク。使われるか分かりませんが、ステージにフロアの観客が全員近づいて振りを踊ります。

「これ踊れます!?」と振りを確認するフォーシーズンズ。

「踊り子さんには手を触れない」が非常に厳しいくらい近い最前列。お客さん同士で「ぶつかっても良いから盛り上がりましょう!」と言い合う素敵なエキストラさんたち。

それを聞いた中川さんから「ぼくマイク傾けたらぶつけちゃうかも」と言われてました笑

まさに毛穴が見えそう(というか見える)距離感でした…!

あんなに近くでフォーシーズンズの面々を見ることはもうしばらくなさそうです。

中川さんがハンドクラップでノッて盛り上げてくれたおかげで1番盛り上がって全員がひとつになった気がした6テイク目。採用されたらいいなあ、と内心思っています。

撮影が全て終わり、ひと言ずつ。

「本番も観に来てください」と中川さん。

「最高の作品にします」と藤岡さん。

「俳優なんで、あんまりこういう場には慣れていないんですが、本番は藤田としっかり作品を作り上げますので。」と吉原さん。

「皆さんの勢いに押されてびっくりしちゃったんですが、皆さんの熱気のおかげで良いPVになると思います。」と矢崎さん。

藤田さんから「これから、つらい稽古をして、良い作品を作っていきますので、皆さん是非本番も観にいらしてください。」とご挨拶があり、〆でした。

本当に自画自賛みたいですが、エキストラがとても優秀で。盛り上がるときは盛り上がる。話を聞くときは静かに聞く。俳優さんたちにキャーキャーするのもカメラが回っている時のみ…といった感じで、どこから連れてきたんだろう?と思うくらいでした。良いPVにしたい、照れがあると見てる方が恥ずかしくなるから、思いっきり盛り上がった方が良い、と知ってる方が多かった印象です。実際人前に立つことに慣れている方が多かったんだろうな、と思っています。「温度下げているのに、熱気で下がらない!」とスタッフさんが言うくらい暑くて水も飲めない状況でしたが、リハ含め毎回フルパワーで頑張りました笑

素敵な仕上がりになっているといいなあ。

最後にフォーシーズンズのメンバーの様子を一人ずつ

中川さん

エキストラに驚きながらも、ひとりひとりを見てくれて一緒に盛り上がって、盛り上げてくれた印象です。

近くの人にすぐ話しかけてくれるし、フォーシーズンズともコミュニケーションを取りつつ、周りも見れる方なんだなあ、と思いました。

その割に気がつくとどこかに居なくなってたりもするんですけど笑

チャーミングで明るくて、なにより歌が上手いー!フランキーに寄せてる?気がします。私はフォーシーズンズに馴染みがあるわけではないため、あまり大きなことは言えないのですが、イメージを崩さない歌声になっているんじゃないでしょうか。私が知ってる中川さんのお声とは結構違った気がします。PV撮りながらも完全口パクではなく、ちょこちょこ生声が聴こえてきたのですが、ハイトーンが素敵でしたー!

他の曲も楽しみです。

藤岡さん

とっても優しいんですよね、藤岡さんって。

1番お客さんとの距離が近かったかもしれません。

私は前日の居酒屋まさから2日続けてだったためちょっと気まずく(勝手に)なっていたのですが(笑)

それでもやっぱりとっても気遣いのできる方だなあ、と思いました。

毎テイク「よろしくお願いします」と頭を下げてくれるし、キャストがお水を飲む時間が2テイク目か3テイク目にあった時も「すみませんね、みんな喉渇いてるのに僕たちばっかり飲んじゃって」と気遣ってくれるし、最後にはハイタッチ大会でしたし。カメラが回ってるときにだけ行われているのが可笑しかったですけど(エキストラがサクラみたいで)

盛り上げ上手でエキストラに1番感謝してくれていた気がします。

テイクの合間も衣装が可愛いというエキストラの声に反応して、ドットの部分を見せてくれたり、そのまま中川さんと芸人になってくれたり。(「マサです!」「アキです!」とやってくれました。)

Redはツッコミ不在らしく、1番ツッコミらしい吉原さんが「なんでやねん」とツッコミを入れてくれました。

そんな藤岡さんですが、フリと歌は1番入っておらず、序盤は毎回矢崎さんに確認してました。

矢崎さんと仲良しな感じでタイタニック以来に2ショットを見た私は大喜びでした。

カメラが回ればきっちり決めてくれていたし、楽しみです。

吉原さん

Redのコワモテ代表でガラ悪い代表で面倒くせえって言う代表の吉原さん。

身長も高くて威圧感たっぷりですが、私吉原さんの飾らない人柄が好きなんですよね。

以前吉原さんが「お客さんと役者はステージと客席で繋がっていると思っているし、それが理想」とおっしゃっててすごく共感できたし、心に残っていて。

そんな吉原さんには今回のPVは距離が近すぎたのか、「動物園じゃねえ!」とか「どんな感じでいればいいのかわかんねーよ!」とかおっしゃってたんですが、いいんです。吉原さんのカタギでちょい悪なところが好きなので。そして面白かったので笑

そしてカメラが回ってない時はやってらんねーよ、って感じなのに、音楽が始まるとすっごくかっこよく盛り上げてくれるんですよね。天井に指差しながら。

なんだかんだ盛り上げ上手なのでした。大人な貫禄が素敵でした。あと、初めて低音ボイス聴いたのですが、低い音域もびっくりするほど素敵な声ですね。バスマスター(楽器)かと思いました。

矢崎さん

はい!今回の1番の御目当てです。今年初めての矢崎さんはキョドっていてふわふわしてて、なんだか久しぶりの素のぴろしでした。

最初マイクの前に立って目の前が男性なことを吉原さんに大爆笑されていた矢崎さん。実はジャンヌダルクイングランド軍のエキストラの方だったらしく、矢崎さんもそれを覚えていて、ステージの上から久しぶりの再会をされていました。

矢崎さんは1番踊りがしっかり入っていて、テイク毎に他のメンバーに教えたり(主に藤岡さん)、自分の振りを確認していました。

矢崎さんは藤岡さんにはほぼタメ口、中川さんと吉原さんには敬語でしたが、皆さんと軽口を叩いていて、ほんと人見知りしなくなったなあ、としみじみ。

中川さんから「スポーツなにかやっていたの?」って訊かれて「野球やってました。」「小学生のころから、野球だけやってましたね」ってお話されていて、運動神経いいんだねー、と。

本当、運動神経いいですよね。ドッグファイトを経たからか、ダンスのキレがさらに精度を増していた気がします。

Redの中では最年少なので恐縮しているところも見受けられましたが、意外と(?)堂々とフォーシーズンズしてました。ただ、お客さんには1番気圧されてましたけどね笑

肩をダウンダウンダウンする踊りがとってもかっこいいので、PVにも映り込んでいたらいいなあって思います。

歌い終わったらすぐ笑いながら中川さんの方を向いて肩組んでいたテイクが多かったので、PVのラストはニコニコの矢崎さんが見れるかもしれないです。

踊ってる間は全く様子が伺えなかったので、私も完成を楽しみにしています。

そんな感じのPV撮影でした。

なんだかとっても長くなってしまいました。

公開は3月頭を予定しているそう!

まだ5ヶ月も先ですが、こんな個性豊かなメンバーで行われるジャージーボーイズ。RedもWhiteもとっても楽しみです。

ドッグファイト

2015年こんなに行く予定じゃなかった舞台大賞でした。

それなのに名古屋の千秋楽を行きたかったとジタバタしてるなんて、オタクの欲望というものは底なしです。

 

以下あらすじ

 

ベトナム戦争出征前夜のアメリカ、サンフランシスコ―。

エディ(屋良朝幸)と2人の親友・ボーランド中河内雅貴)と

バーンスタイン(矢崎 広)は訓練期間を終えた兵士たちで、

自分たちを“3匹の蜂”(スリービーズ)と称するほど仲が良い。

 

彼らは母国での最後の夜を楽しむために街で大騒ぎをはじめ、【ドッグファイト】に参加する。

ドッグファイト】とは、海兵隊に伝わる、パーティに一番イケてない女の子を

連れてきた者が賞金を得るゲーム。

 

エディは街のとある食堂に行きつき、ウェイトレスのローズ(ラフルアー宮澤エマ)と出会う。

エディはローズをパーティーに連れ出すことに成功し、彼女は生まれて初めてのデートに興奮する。

 

エディはローズの優しさに触れ、次第に彼女をパーティに誘ったことに心苦しさを感じ始めるが、

時すでに遅く、2人はパーティーに参加することになり・・・。

 

ドッグファイト】―それは兵士である彼らに愛情を捨てさせ、

冷徹さを築くために大人たちが仕組んだ罠でもあった。

 

 

以下、感想

 

大阪の初日で観た時には、ボーイミーツガールの後のベトナム戦争がつらすぎて、リピできないかと思ったのですが、最後のカーテンコールの楽しさが回数を重ねる毎に増していき、また私の推しである矢崎広さんのバーンスタインが目まぐるしく演技を変えてくるので、それを追いかけるためにどんどんチケットが増えた恐ろしい作品です。

 

一番素敵だったのはエマローズと屋良エディの丁寧な心の動き。

ミュージカルって歌で伝わってしまうので心の動きを端折ってしまうきらいがあると個人的には思っているので、そこを丁寧にしっかりと描いていて毎回胸がときめきました。

エマローズは元が可愛くて華奢なので、ブサイクというよりは地味でパッとしない子、といった感じなのですが、大人しいと思いきや、嫌なことは嫌、と言える子。そして変に卑屈にならず、見栄を張ってしまうところとか、でもボロが出ちゃうところとか、逆にとても可愛らしく共感できました。

エマちゃんは地声に芯があって、さらに透明感のある綺麗な歌声だったので素直に心に響いてきてとても気持ちが良かったです。

エマちゃんのローズが好きすぎて初めて矢崎さん以外にお手紙を書きました。それほど私にとってローズは革命的な役でした。

こんな女性になれたらいいな、頑張ればきっとなることができると思える女性。

エマちゃんはとてもクレバーで、役への寄り添い方や解釈の深さが優れていたから女性の共感を得ていたのではないかな、と思います。

シスアクのメアリーロバートも観る予定なので楽しみ。あの役もとても共感を得る役だと思うので素敵だろうなあ。

誰より台詞の喋り方が吹き替えっぽくなくて、それも感情移入できる理由だったんですが、帰国子女で英語ペラペラなのに不思議だな〜と思って、「…逆に外国人=吹き替え喋りという概念がないのではないか」という結論にたどり着きました。しかも帰国子女あるあるのWやTHの発音が気にならない!素晴らしいの一言でした。

 

この愛らしいローズをブスだからとパーティーに誘うエディと海兵隊員たちが女性をモノとしてしかみなしていないところが最初とても不快だったのですが、エディがローズを自分と同じ存在だと思い始めたところ、そしてそこから海兵隊員たちと微妙に感情がずれていくところがとても分かりやすくて。屋良くんの演技は毎回安定していて、安心して観れました。そして回数を重ねる毎に海兵隊員たちにも感情移入してしまい、最初は腹ただしいだけだったのに徐々に何も知らされず死んでいく未来が哀れで悲しくなってきました。

 

主な3人のキャラクターとして、ボーランドは1番大人というか、戦争の現実を知っているのではないかと思わせる発言がちょこちょこありました。これから行く場所の過酷さを知っているからこそ、今を楽しんでいるような。戦争の怖さに気づいていない仲間たちにも戦地で後悔しないように、現地での心のあり方を身につけられるように立ち回っていた気がします。ともすれば1番性格悪く見えるんですが、視点を変えると1番仲間想いだったのかもしれません。

 

バーンスタインは、中の人ゆえに特に注目して観てしまっていたのですが、とにかく愛すべきおばかさんというか子どもというか。無垢なんですよね。脳内が性欲で満たされている子ども。戦争なんて自分たちの力があればなんとかなると思っていて、本気で信じていて、最後の夜の馬鹿騒ぎもその前祝いと思ってるみたいで。

女と寝ることしか考えてなくて、女性をモノとしか考えてなくて、ブスな女の惨めな姿を馬鹿にすることも平気だし、強姦まがいなこともする。

…言葉にすると本当最低ですね笑

しかし何故だかバーンスタインは愛らしい子どもに感じるんです。これは矢崎さんの魅力なのでは、としか言えないんですけど。

極力観客が不快感なく観られるようにしていると思いました。ここでバーンスタインボーランドを嫌になってしまうと最後に受ける悲しさが薄まってしまうんですよね。

特にタトゥーを入れる場面でバーンスタインの本来の人間性が出ていたと思っています。

バーンスタインは色んな大人や周りの仲間たちが大好きで心から信頼していて、狭い世界の中で色々なことを知らされずに生きていたのかなあ、と思います。

「知らない」ということが免罪符にはならないと思いますが、「知らされない」というのは一周まわって可哀想になりました。

まわりを囲われていて、その中でなんの疑問も持たずに戦争に行くことをゲームか何かだと思っている。少年兵と言える年齢ではないですが、それくらい無知で無垢に見えました。だから最後の場面が悲しくて、やりきれない気持ちで。前情報で好きになれるか不安なキャラクターだったのですが、私自身は嫌いではなかったです。

タトゥーの場面でニコニコした笑顔で、「お前が俺を守るし、俺がお前を守る」って言うバーンスタインに戦争の恐怖に内心怯えていたのであろうボーランドは救われていたのだろうし、私自身もこの場面でバーンスタインのことが嫌いにはなれないなあ、と思った気がします。

矢崎さん個人の話になると、毎回毎回演技やアドリブを変えてくるので、見逃すまい必死で通いました笑

歌も大分安定してた気が!ミュージカルでもここまでしっかりお芝居作ってくるんだな、と新たな発見だったのでジャージーボーイズも楽しみです。

 

屋良くんが演じた主人公エディですが、心情がボーランドバーンスタインの間に位置しているように感じました。

バーンスタインほど何も知らないわけではなく、どこかこれからの不安が心に引っかかっているけどボーランドほど割り切れない、といった印象でした。

もし、ボーランドバーンスタインがローズを見つけていたらエディのようになったかというと、個人的にはそうはならないと思います。

エディの現状への迷いとか不安とか疑問がローズも自分と同じ意思を持つ人間だということを気づかせたのかな、と。

自分と共通点がある人って親近感から急激に仲を縮められるじゃないですか。ローズが初めてのデート、初めてのパーティーにどきどきしているっていう共通点に気づいて、エディは人間の気持ちをひとつ取り戻したのだと思います。

とにかく最後生き残ってしまったエディの慟哭がつらくて…。

ローズの元に戻ってからの私の解釈が本来と全く違う方向性で、正直蛇足だと思っていました。

今も、もうちょっとやりようがあったのでは、と思いますが、戸井さんのおかげで前向きに解釈できて良かったです。

 

ameblo.jp

 

この見方でもう一度観たいなあ、と切に思います。

 

ドッグファイトは人と人との在り方を丁寧に描いていました。年末ということもあり第九とどこか共通しているメッセージ性が私はとても好きでした。

戦争を題材に残酷な事実を描く話より、「広島に原爆を落とす日」や「ドッグファイト」のように、たった数人の中で起きる悲劇の方が戦争という存在を近くに、そして悲しみを強く感じてしまうんですよね。個人的には、なんですけど。

現代の日本にエディのような人生を送る若者を生み出してしまってはいけない、と強く感じました。

激動の2015年、この作品を今演る意味を強く感じ、観ることができて良かったな、と思いました。

バイオハザード・ザ・ステージ

矢崎広さん10月2本目の主演舞台です。

ファンとしてもバタバタしてましたが、なんだかんだとても楽しく通ってました。

あらすじ

西オーストラリアの大学で突如起こったバイオテロ事件。

現地に到着した対バイオテロ部隊BSAAのピアーズとクリスは、

その大学で教鞭をとる元S.T.A.R.S.隊員レベッカらと協力し事態の鎮圧を図る。

そこに現れた謎の青年タイラー・ハワード。彼は一体何者なのか?

そして彼の口から聞かされた事件の裏にある驚愕の真実とは?

蔓延するウィルスと迫りくるゾンビの群れが世界に放たれてしまうのか!?

感想

バイオハザード5と6の間で起こったお話。

ゲームからの出演はクリスとピアーズとレベッカです。

私はゲーム未プレイなので、ゲームの登場人物が!みたいな感動はあまりありませんでしたが、未プレイの人にもかなり分かりやすく作られていた気がします。

クリスの中村誠治郎さんは、舞台Kでアクションが物凄くてとても期待していたのですが、期待通り素晴らしかった!

さすがでした。

クリスはかなり良い男で、チームとして仲間をとても大事に思っていてかっこ良かったです。

ピアーズの栗山くんは可愛い感じでした。

ライフル重そうだったなあ。

舞台初経験にはとても見えない。声通るし、動けるし、演技も分かりやすい。

これからも舞台でも活躍していってほしいです。

レベッカが潜入していた学校で起きたバイオテロにクリスとピアーズが鎮圧に向かい、そこで現れた謎の青年が矢崎さんが演じるタイラー・ハワードです。

タイラーはエージェントの一員でありながら、この事件の首謀者の疑いがあるリアンの息子で、リアンの無実を証明するために学校に潜り込んでいたのですが、クリス達と会い、事件の真相を突き止める役柄です。

このタイラーが本当に良い矢崎さんだった!ありがとうございます!ありがとうございます!!

常々、矢崎広は何かを背負い込んだり、孤独のオーラを纏う役柄が似合うと感じているのですが、今回ドンピシャでした。

タイラーは序盤、父親を信じようとするあまり、他のバイオテロ鎮圧をしようとするメンバーを排除しようとします。なので、前半は味方か敵か分からないようになっていて、ニヒル銃口を突きつける仕草が大ヒットでした。

対立するおかげで1幕のラストに誠治郎さんと闘う場面があるのですが、そちらもかなり良かったです。

矢崎さん、とても運動神経がいいと思うのですが、それがいかんなく発揮されていたかと思います。俊敏というか。

もちろん、誠治郎さんはアクションに長けている方なので、合わせてくれたのだと思いますが、それでも一番のアクションの見どころはあの場面じゃないかな、と。

タイラーはずっと1人きりで父親を探しながら生きてきて、その父親をも失いそうな中、クリスと出会って仲間となることで本来持っていた正義感を取り戻していきます。

その過程をとても繊細に描いていました。

父親役の岸さんとの場面も回を重ねる毎にどんどん熱くなり、良い場面になっていったかと思います。

岸さんは演技的な面でマイベストジャベールなので、そういう意味でも親子としての共演は胸熱でした。

今度はお歌で共演してくれないかなあ、と夢は広がるばかりです。

また最初と最後に同じ台詞を言うんですが、それが「俺」から「俺たち」に変わってることもささやかですが、タイラーにとっては大きな変化だったのだろうな、と。

矢崎さんは舞台の上で成長していく過程をとても丁寧に描くことを心がけている気がするので、タイラーは得意な面を見せられる役柄だったと思います。

衣装も本人のスタイルの良さが見える衣装でした。格好良かった。

舞台自体ツッコミどころも多々ありましたが、私自身はとても楽しみました。

壁のステレオからゾンビの声が聞こえるのは何度行ってもびっくりしたなあ…

体感お化け屋敷といった感じだったですし、イベントも多かったですし、楽しく観れました。

黒いハンカチーフ

「黒いハンカチーフを拾った。落とし主の連絡を乞う」

それはかつて、伝説の詐欺師フジケンが、大きなヤマを仕掛ける時だけ使っていた暗号広告だった。

高度経済成長期の日本を舞台に、世紀の詐欺事件が幕を開ける-

たった4日間ですが、濃厚でしっかりとしていて痛快なお芝居を観せていただきました。

昭和30年代にタイムスリップした4日間。

舞台は法的に売春が認められていた場所、赤線と呼ばれる街(今でいう新宿2丁目)。その赤線が廃止される寸前のお話です。

ヤクザの下っ端、宮下は衆議院議員の海老沢の賄賂の証拠を見つけ強請っていた。しかし、取引に向かった宮下の彼女、夢子は店の前で何者かに轢き殺されてしまう。夢子の無念の死にやりきれない赤線にある喫茶ノアールに集まる日根先生を中心としたメンバーは夢子の仇討ちを決行することに…

といった、分かりやすく面白い展開でした!

年をサバ読むけど可愛らしい夢子しゃん、ドジな下っ端小物感満載の憎めない宮下、自分たちの命を安売りする捨て鉢の娼婦たち、可愛いのに強い佐登子ママ、そして中心にいる日根先生というノアールのメンバーがとても好きでした。

詐欺をはたらきはじめてから、うっかり者の松平とクールな神谷が加わって、より魅力的になる感じが好き。

この話の中心にいる娼婦たちがやたらと捨て鉢で。「自分なんて死んでもいい」みたいな考えの持ち主ばかりで。もう赤線もなくなって仕事を失うし、そもそも自分を大切にできなくなってるからなんでしょうけど。それが悲しいような潔くてかっこいいような。

日根先生は医者なので怒ってたけど、その自分のことを省みない危なっかしすぎる真っ直ぐさが日根先生を動かしたんだと思っています。

夢子しゃんは宮下のことが本当に好きで良い奥さんになりたくて必死なのがいじらしくかったです…。残念なことにすぐ死んじゃうんですが。ここで夢子が魅力的じゃないとこれからの話の説得力が大きく変わってしまうので、夢子って大事な役だなあ、と。夢子姐さん、とっても良かったです。

そして、悪役たちの魅力が凄まじくて…!

演技が達者なおじさんたちが集まって本気なのか演技なのか分からないくらいふざけた芝居をしているんだから、もうおもしろいに決まっています。

るひまさんは本当に面白おじさんたちを持ってくるのが上手で、小劇場界隈にあまり詳しくない私はいつもその実力にびっくりしています。

今回はるひまにしてはふざけ度低めでしたが、それでも、脇を固めるいぶし銀の強烈なことといったら…!!

楽しくて面白いんです。でもめちゃくちゃ怖い。怒らせたらいけないオーラがビシビシと出てるような感じ。この緊迫感は、普段若い人の舞台ばかり行っている私にはとっても刺激的でした。

正義が光り輝くのは魅力的な悪役あってこそだと思うので、素晴らしい影だったなあと。牛島も銭田警部も海老沢も。あとはいぶし銀ではないですが、キヨシ(笑)メタルさんはこういう癖のあるキャラをやらせるとピカイチですね!言葉ほとんど聞き取れなかったけど、面白かったなあ。

コンゲーム自体は読めるところもちょこちょこありました。が、最後の佐登子ママには綺麗に引っかかったのでスッキリしましたー。こういうのは騙された方が楽しいと思うので。

どこからが詐欺なのかお客さんも分からないので、一緒にハラハラした展開に巻き込まれました。

そもそもこの件の前に日根先生が本当に詐欺をやってなかったのかも分からないですからね。

深読みをしようと思えばいくらでもできるので、リピートは色んな人の表情を見るのに必死でした。

日根先生は渋くてかっこよくて。特に後半から、周りとコミュニケーションを取りつつ周りに任せちゃうというか、そういう余裕が出てきて特に良かったです。

40歳という役設定はとっても厳しかったと思いますが、年齢よりどっちかというとグループの中の在り方というか、関係性を見せる方が大変な感じがしていました。みんなが頼れるような昭和の定番のヒーローのかっこよさをこの時代で、この年齢で演じるのってかなり難しいと思っていて。

後半から矢崎さんがどんどん柔らかく余裕を持って演じていて、良い意味で「隙」ができるということが大事なのかもなあ、と思いました。あの演技が達者な先輩たちの真ん中にどーんと居るってかなり大変だったのだと思います。なんとなく、普段よりカーテンコールでホッとしたような表情だったし。

しかしカンパニーの雰囲気がとても良く、温かく矢崎さんとの関係を築いていたようで、それが日根先生と仲間たちとしても表れていたような気がして、とても好きでした。

それにしても4日間ノンストップだったにも関わらず、どんどん変化していった矢崎さんの柔軟性に改めて驚きました…。

そして私はるフェアが大好きなので、あっちゃん演じる神谷と日根先生のコンビもとても好きでしたー!

2人の演技の信頼感というか、お互いどんな暴投しても大丈夫なんじゃないかという関係性がとても好きで。

義経くんと弁慶くんに泣かされた身としては久しぶりのタッグに歓喜でした。

また違う舞台でこの2人を見れたら幸せです。

その点、凌くんの鬼塚なんかはあまり日根先生とのやり取りがなかったので残念でした。2人ががっつりと芝居しているのをまた観たいです。

お話として痛快で楽しく後味もすっきり騙されて終わるので、エンタメを観た!という気持ちになれて楽しく通えました。

カーテンコールで満面の笑みで涙を噛み殺しながらスタオベを眺めて深くお辞儀をする矢崎さんに、もう何度目か分からないノックアウトをされました笑

なんと10月は矢崎さんの主演が2本もあります。明後日からバイオハザードです。こちらもホラーは苦手ですが楽しみです。

目まぐるしくて大変ですが、これからも矢崎さんがどんどん壁をよじ登っていくのを陰ながら応援していきたいと思います。

しっぽのなかまたち

18日と21日後半の回を観に行きました。

久しぶりのすごくライトな口あたりの作品!そして初めて矢崎さんの朗読劇を観ました。

いいですねー!

間の取り方とか計算する余裕があるのか、魅力全開でとっても面白かった。

『六畳一間の王国』

超人気作家に飼われている雑種犬・龍之介は、高級マンション暮らしに

高級ドッグフードの贅沢三昧で超傲慢!

近所で暮らす野良猫に毎日自慢話を聞かせる生活を楽しんでいた。

しかし、ある時からご主人の様子が変わり始め、ドッグフードも粗末な物になってしまう。

あからさまに嫌な態度をとって、拗ねる龍之介だが…。

もう!とっても!矢崎龍之介が可愛かったです!!

傲慢で自己中で、飼い主の夢想志朗が与える餌にも文句つけて。

台本にしっぽがついてるんですが、それで感情表現するのにびっくり。嬉しかったら台本ごと付いてるしっぽをぶんぶん振って喜んでいる様子を表すとか。かわいい。わかりやすい。

女の子が演じる猫ちゃんにいつも上から目線で(餌分け与えてるからね)、でも猫ちゃんからは呆れられてるそんなおばかな龍之介がとっても可愛かったです。

夢想さんは龍之介をモデルにした作品で一躍有名になるのですが、その後ヒット作を生み出せず、借金を抱え込んでしまいます。インテリアがなくなって部屋が広くなることには何も気づいていないけれど、牛100%から50%、そしてカリカリへと餌がどんどんランクダウンすることに不満な龍之介。そして金谷という借金取りに借金のカタとして龍之介を奪われてしまうのですが…

当の龍之介は牛120%の餌をくれた金谷にホイホイついていきます。

この時の龍之介の「かーねやー」という言い方が可愛くて。

しかも、あるある…!ペットって、こういうぶりっ子するときあるある…!

と思わずにはいられませんでした。

金谷から騙されて逃げ出して、夢想志朗の大切さに気づく龍之介が愛しかった。

餌をくれるだけじゃなくて、広いお部屋に住まわせてくれるだけじゃなくて、愛してくれる、心配してくれる。そんな夢想志朗がなんだかんだと大好きで自分にとってかけがえのない存在だと龍之介が気づくところはじーんとしました。

個人的に矢崎さんのおばかな演技は本当に魅力的だと思っていて。なんかキラキラしているんですよね。

矢崎さんを初めて見た頃はおばかな役ばかりだったなあ…と懐かしく思いました。

しかしどこか、いや!どこも憎めなくて!

とにかく可愛いブルドッグでした。鼻筋がないってネタにしてたけど、鼻筋綺麗ですよね、矢崎さん。

【さよなら、ありがとう】

俊介と麻耶は結婚生活に終止符を打とうとしていた。

二人の飼い犬・ハチと飼い猫・テンをどちらが引き取るかで、大喧嘩!

ハチは俊介に、テンは麻耶の側についてペット同士も意見が分かれる。

はたして、二人と二匹の運命は!?

矢崎さん不在のお話。

ハチとテンが優秀なペットすぎて愛しい。

こんなペットだったらどんなにいいかって思うくらい可愛いいい子達でした。

麻耶と俊介の2人が喋ってるとき、2匹揃って喋ってる方向に首を傾けるのが可愛くてツボでした。

展開としてはそう簡単に離婚がなくなるなんてあるかって感じですが、ハチとテンが幸せならそれでいいです。

鎌苅くんのハチが好きだったなあ。離婚届バリバリ食べるのが本当爆笑で。笑いの取り方が上手でした。この後の犬の大学でも抜きん出てました。

他の作品も観てみたい。

【犬の大学】

保健所に捨てられた三匹の犬たち。

しかし三匹はもう一度、誰かに飼ってもらいたいと強く願う。

でもどうすれば人に好かれるのか、うまいやり方が分からない。

三匹はついに、年老いた猫に教えをこい、

弟子入りまでするが…

はいきた!矢崎さんミサイル先生です!

クッキー、ファン太、ケンシロウの3匹に愛され方を教えてあげる長老猫。

3匹が最初はちょっと敬遠してたミサイル先生にどんどん懐いていくの可愛い。さすが愛すべきバカ犬たち。

ミサイル先生はこのバカ正直なワンちゃん達に「吠えない、媚びない、取ってこない」を教え込みます。

クッキーは吠える癖が抜けない元ヤン系でファン太はアホの子でケンシロウが武士みたいな子でした。

ちゃんと先生と生徒っぽくミサイル先生に逆らえなかった感じだったのは21日かな。

18日はたまに逆転してました。ミサイル先生が「本当ツッコミいれるの疲れるわ〜」って言うと「どっちが!(ボケてるんだよ!)」って逆に突っ込まれたり。台詞途中から分かんなくなったりしてましたもん。松廊の解散朗読劇を思い出しました(笑)本来の関係性みたいなものが透けて見えるのも面白いところですね。

ボールを客席に投げてはキャッチっていう参加型な部分があるんですが、お客さんもどうしたらいいのか分からずによく分からない空間が繰り広げられていたのが可笑しかったです。

ミサイル先生で矢崎さんのお爺さんな演技を初めて見たので新鮮でした。

最後はちょっとグッときました。

私は世話を他人任せにするタイプなのですが、それでもあんな風に思われたら幸せだと思います。

初めての矢崎さんの朗読劇でしたが、とても楽しかったです。

重いものが続いていたので良い口直し?にもなったし。

元々朗読劇って良さがあまり分からないところがあったんですが、岡本さん演出のものから少しずつ面白さが分かってきた感じです。

普段の舞台とは違って「僕は(わたしは)あの時こうだった(こう思った)」という台詞が多く、ともすればただ読んでいるだけになってしまうため、基礎的な演技力の差が結構はっきりと見えるものだなあと思います。

向き不向きとか慣れ不慣れもあるとは思いますが。

まだ朗読劇の魅力はわかりかけているくらいのところなので、もう少しフットワーク軽く色々観ていければと思います。

矢崎さんが出演してくれるのが一番手っ取り早いんですけどね笑

女中たち

想い出になる前に書こうと思ってはや1ヶ月が過ぎてしまいました。

暑い夏の日に三軒茶屋で起きた文字で書き起こせばとても小さな事件を、2人の女中たちの闘いを、2人の俳優の戦いを、忘れたくない気持ちでいます。

Aパターン ソランジュ:矢崎広 クレール:碓井将大

Bパターン ソランジュ:碓井将大 クレール:矢崎広

舞台は奥様の部屋ワンシチュエーション。ごっこ遊びに興じる2人の姉妹、ソランジュとクレール。

最初の登場で2人の俳優が椅子を奥へと持っていき、クレールが肩甲骨周りの筋肉を魅せつけている間にセットの上半分が上がっていき、上がりきった音をゴングに芝居が始まる。

この始まり方が本当に好きで、身も蓋もない話をすると、この美しい筋肉を観られただけで、チケット代の元は取れたと思ってました。

ソランジュはクレール、クレールは奥様を演じ、最初は一方的に奥様が女中を罵るのだが、途中から、クレールの反撃が始まる。クレールが奥様に手をかけたところで目覚ましのベルが鳴り響く。

この手をかける場面のAパターンが本当に好きで。

美しい肉食獣のように奥様に飛びかかる矢崎さんと美しくあえぐ碓井くんが本当にスリリングで。

このまま殺人事件の目撃者になったらどうしようと思うほど臨場感あふれる演技でした。

2人は口げんかをしながら奥様を殺す算段をたてる。

奥様は2人のことを愛している。ご自分のピンクの便器を愛しているように。人としてではなく物として。

もうまっぴらなのだ。自分たちの蜘蛛みたいな身分が。

だから、奥様を殺す。旦那様は自分たちが内緒で書いた偽の手紙で告発したため、今は囚われの身。ところがそんな旦那様から仮釈放されたと電話が入った。旦那様は筆跡を調べ上げて犯人を見つけだすだろう。何も知らず憔悴しきった奥様を殺すには今晩しかない。

「人を殺すってなんとも言えない気持ちになるものね」と興奮にのぼせて歌っていると、奥様が帰ってきた。奥様のお世話はソランジュがやるので、クレールはその間に奥様への菩提樹花茶を準備する。睡眠薬を10錠入れたお砂糖たっぷりのお茶。これを飲ませれば奥様を殺すことができる。

2人が本来の自分に戻った場面。

本来の自分というものが、もうこの状態の2人にあるのか分からないくらいすでに錯乱状態にある2人。

お芝居をすることが2人の個を溶け合わせているように見えた。

奥様を殺す演技のふりをしながら、本当はクレールを殺すつもりだったソランジュ。

「あんたを自由にしてあげたかった」と言う。

先ほど溶け合っていると書いたばかりであれですが、なんとなくこの場面で2人のキャラクターが見えてきます。

ソランジュは姉。彼女にとってのアイデンティティーが姉であるということ。知識が豊富で、想像力が豊か。奥様を一度殺そうとしたがいざベッドに眠る奥様を見ると殺せなかった。旦那様を告発したときも、お手紙を作る協力はせずに旦那様とイイ感じに逃避行する自分を夢想していた。

クレールは妹。この時点で、クレールの方が一段落ソランジュより下の扱い。恐らく牛乳屋の本命はクレール。旦那様へのお手紙は全部彼女が作った。ソランジュよりも行動派。

なんとなくです。

奥様が帰ってきて、旦那様が囚われの身となったことを嘆く。そして私は彼が囚人となってもどこまでも着いて行くそういう女なの私はと延々とソランジュに語り続ける。

ソランジュがどんな言葉を投げかけても奥様の心に届くことはなく、そこにクレールがやってくる。

クレールの相槌は奥様の機嫌をどんどん良くする。

「奥様は今までより素敵な黒のドレスをお仕立てになるべきですわ!」

そして菩提樹茶に口付けようとする奥様。その直前に、ふと思い立ったようにソランジュへの尋問が始まる。「あの手紙を書いたのは誰なのか。誰だと思う?私は犯人を絶対に探し出してみせる。」

そこで電話の受話器が外れていることに気づく奥様。焦る二人。そしてとうとう旦那様が釈放されたことを白状する。

ソランジュにタクシーを呼びに行かせ、クレールと2人で待つ奥様。

そこで奥様は、クレールの頬紅と箪笥の上の白粉と目覚まし時計に気づく。

そして、菩提樹茶を飲んで欲しいと懇願するクレールに

菩提樹花のお茶で殺すつもりね。この私を。お前の花で。お節介で。今夜はね、シャンパンを飲むのよ」

と言い放ち、屋敷から去っていく。

残されたクレールが奥様が自分たちにやってくれたことをひとつひとつ述べて「奥様の優しさは毒薬なのです」と呟いたところに苛ついたソランジュがやってくる。

個人的にはここが一番緊迫感のある場面でした。古畑任三郎的なドキドキです。奥様の多岐川さんの登場で、舞台の雰囲気がガラリと変わるのが面白かった。

滝のようだった台詞たちがこの場面だけ小川のせせらぎのようになる感じ。

おっとりとした雰囲気の中にしかし殺意だけがピンと張り詰めていて、とてもスリリングでした。

奥様がどこまで知っていたのか知る由もありませんが、なんとなくAの方が断定的でBの方が弄んでいるような印象を受けました。

矢崎ソランジュのここの殺意を持った目が大好きで。矢崎さんは本当にこういう歪んで卑屈な人間を見せるのがうまい。笑顔の中に殺意を込めるのが見えてぞわぞわしました。

そして碓井クレールは愛され上手。何気なく愛される、という演技ができるのってすごい。妹の方が愛されるってあるあるだと思いますが、奥様がソランジュへの当たりが強いのはまだ他に理由があるかなって。

人間誰しも自分の人生では自分が主役で、自分が一番波乱万丈であるのだと思っていると思うんです。

奥様にとって悲劇のヒロインであり続けることが人生の主役であることだとしたら、それを脅かす存在が、ソランジュの卑屈な微笑みなのだと思います。

私はその辺の女とは違う。自分が一番不幸でなくてはならないのに、それを屈強に跳ね返すヒロインでなくてはならないのに、ソランジュの「私は不幸」という雰囲気がそれを阻害しているように思いました。

それが奥様にとっては我慢ならないのかな、と。

奥様がソランジュに対しての当たりが強いと特に感じたのは後半の回からなので、感覚でしかないのですが。

ここから怒涛のラスト場面です。

奥様を殺せなかったのはクレールの落ち度だと責め立てるソランジュ。自分も前に殺せなかったのに、棚に上げるお姉さんです。

もう終わりだ、ここから逃げようというソランジュにクレールは疲れた、姉さんには私がどんな気持ちで奥様と2人でいたか分からないと憔悴して項垂れてしまう。

それをさらに責め立てるソランジュ。そしてとうとう我慢の限界に達するクレール。

奥様になりすまし、「私を罵倒しなさい」とソランジュに言い放ちます。

クレールの突然の変わりように戸惑ってしまうソランジュ。自分の気分を乗せるよう罵ってほしいと懇願します。ありとあらゆる言葉を使ってソランジュを罵るクレールでしたが、どんどんネタ切れに。しかし乗ってきたソランジュは奥様(クレール)を罵倒し、クレールの首を絞めます。

動かなくなったクレールを確認して、長台詞、というより一人芝居を始めるソランジュ。クレールのお葬式と自分が徒刑場に送られて死んでいく様子をお芝居を交えながら語っていきます。途中からそれを起き上がって見ているクレール。

そして、それに気づくソランジュ。私たちはもうお終いだと嘆くソランジュに、クレールはお芝居の幕引きをしようと投げかける。

「私たちは自由になる。陽気になるの。あなたは1人で2人分の人生を生きるの。とても大変なことよ。でも忘れないでね。あなたが徒刑台にあがるとき、その後ろに私がいるってことを」

そう言って、ソランジュにお茶を勧めさせる台詞を言わせる

「奥様、菩提樹花のお茶をお召し上がりください。」

「まああなた、一番立派な紅茶茶碗に入れたのね」

嬉しそうに呟くクレール。

菩提樹茶を飲み干す。幕。

奥様がいなくなってからの2人の気分の上がり下がりが目まぐるしく、どちらか上がるとどちらかが下がり、鏡のように呼応しながら大きなうねりになって終末に向かっていっているようでした。

後半碓井ソランジュの「私たち、やっぱり呪われた姉妹だった」という言い方が大好きでした。どうしようもない絶望感、孤独感を2人に感じました。どう足掻いても2人で幸せにはなれなかった。そして矢崎クレールの温かい最後の台詞。クレールにとってはソランジュを解放できればそれで良かったのかもしれません。死ぬことで自由になれると本当に思っていたのかは分からない。もしかしたら、二人とも自由になれたし、ある種のハッピーエンドかもしれないと思っていた時もあったのですが、ソランジュの最後の表情で、この人はクレールなしで自由になれるのか、奥様の呪縛から解かれるのかは分かりませんでした。

もちろん自由になってほしいけれど。

私はこのお話を女中たちがしがらみや身分から解き放たれ、個になるために奮闘する話だと解釈しています。

彼女たちが人生をかけて追い求めた自由。自分という、個という身分。それを容易に得てしまっている私には、彼女たちを本当に理解できることはできないのかもしれないけど、それでも2人が愛しくて、品性の欠片もない言葉や行為も自分の嫌な部分や卑屈な部分を見ているようで、抱きしめたくなったし、幸せであればいいと思っています。

私にちゃんとジュネを理解できているのかは謎ですし、もともとこういう小難しい話はあまり観ないので、解釈も自分の手に届く範囲でしかできないのが悲しいです。ただ、とても好きな戯曲でした。生きることに真正面からぶつかっている話は好きです。

スイッチングキャストもとても良くて。2人が同じ役をぐるぐると演じ、カフェオレのように混ざっていくのがこの物語の本質に迫っている気がしてとても楽しかった。

もうスイッチングじゃなきゃ女中たちが観れないのではないかと思うくらいです。

意味がわからず全くついて行けない時にも、シミーズ一枚で半端丈ワンピースでガツガツ動く若い男の子たちを見れるだけで眼福だったので、視覚的な楽しみ方もできるのがとても気が楽でした。正直なところ。

チョコミミゴーオンジャーヴェニスの商人くらいまでしか知らなかった碓井くんですが、思った以上にクレバー。昔からですがかなり独特の雰囲気を持つ俳優さんです。女中たちという作品に入れ込みすぎてるのではないかと心配になるほどの狂気の演技なのに、数分後のアフトクではけろっとしていたりという読めないところも魅力。色々と初日は不安視していた箇所もどんどん良くなっていて。まだ23歳。凄い。これからが楽しみです。

奥様の多岐川裕美さんは恥ずかしながら初めて演技を拝見しまして。その圧倒的なパワーというか、オーラというか存在感に度肝を抜かれました。奥様の言葉は多岐川さん御本人のお言葉なのかなと思うほどしっくりと馴染んだ演技、声、仕草。こんな若造が言って良いものか分かりませんが、パーフェクトでした。2.3回目までは奥様のシーンから集中力がぐっと増すように思うほどでした。

多岐川さんの存在が真ん中でこのお芝居を支配していたような気もします。またどこかで多岐川さんのお芝居を観れたら幸せです。

矢崎さんも観たことのないくらいの追い込まれ具合で。そして改めてすごい俳優だと思いました。間の取り方でこの緊張感しかない舞台で笑いを取り、最後の間では泣かせにかかるという。すごく良かったのが、殺意を込めた目の演技。そして色んな場面での身体の力の抜け具合。無駄な力が入っていないので、とても柔軟に見えました。 そしてとても魅せ方が上手だった。

私はやっぱり彼の演技が大好きです。マクベスを観なかったことはとても後悔しているけど、これを観なかったら同じくらい後悔していたと思います。

私がこのお芝居で最も評価しているところは、3人ともに「見せる」ということを諦めなかったところ。ともすれば挑戦を見る、というスタンスになりがちな演目だと思います。事実、私はガチンコ勝負を観に通ったところも非常に大きいです。しかし、演者はお金を取って見せるエンターテインメントにすることを諦めず、実現させていたのが、本当に素晴らしかったと思うのです。毎回矢崎広碓井将大と多岐川裕美ではなく、ソランジュとクレールと奥様の一晩の戦いが行われていました。

だからこんなにも心を奪われ、抜け出せないのだと思います。

劇場もスイッチングキャストもとても面白い試みだと思ったので、またTSで舞台を制作していただければと勝手に期待。

三茶で過ごした暑くて熱い夏。これから三茶を通りかかる時には2人の姉妹のことを思い出すのかな、と思います。

ぴろしFCイベ夜の部〜矢崎広とDUOでやるファンイベント〜

矢崎広さんのファンイベント2部に行ってきました。

 

 

ドラクエの音楽が流れて、SAMURAI7のキラキラソング(正式な名前忘れました笑)を歌いながら登場。

赤と黒と白のパーカーに黒いパンツ、黒いシューズといういでたち

 

「みなさんこんにちは!DUOでやる?矢崎広の?矢崎広のDUOでやるファンイベント。昼の部、滞りなく(?)終わりました!

今年も1年今歌ったSAMURAI7から走り続けております。

昨日解禁になったんですが、10月にやる演目が『幽霊はここにいる』から、『黒いハンカチーフ』に変更になりました。

制作側の事情によるもので、みなさん心配されてるかと思うのですが、僕は変わらず前向きに、楽しみにしていますので、どうぞよろしくお願いします。」

と黒いハンカチーフについて冒頭でお話しされてました。

昨日ザワザワしてたし、不安を払拭させたかったのかな。

本当に楽しみのようだったので、安心。

るひまさんと矢崎さんが良好な関係でいてほしいので。

そして一回「皆さんをちゃんと見ていいですか?」と言って客電あげて、ぐるっとひとりひとりのお顔を見てました。

いつも絶対に目が合わない矢崎さんだからなんかとても不思議な感じ

「これでもうみんな友達だね!」

 

☆Q&Aのコーナー

順番ぐちゃぐちゃです。思い出した順。

 

Q.好きな女性のタイプ

「雑誌とかではよく小動物みたいな人って言ってるんですけど(笑)

好きなタイプ…特にない…っていうと、男の人が好きになっちゃうから笑

その日とかタイミングとか仕草によって変わりますよね。『あ、今のこの言葉でのこの笑顔いいなー』とか。

あ!居酒屋さんとかでお皿をこう…(配膳してる)ときのここ(首から肩にかけて)が好きです!変態なところを見せてしまいました。へへへ」

 

Q.台詞の覚え方

「台詞なんてもう余裕のよっちゃんだと思ってたんですけど、余裕のよっちゃんってわかる?でも女中たちで全然覚えられなくて…

基本は台本を離して、つまったらまた見て…っていう反復です。反復が得意なんです。僕。

昔から歴史とか国語とか得意で、数学と英語が苦手。英語とか覚えるだけじゃだめじゃないですか?え?英語は覚えるだけ??数学とか。

だから無駄に自分が演った役の歴史とかは詳しいです。土方歳三とか義経くんとか、どりじゃんの後藤象二郎とか。」

 

Q.オフの過ごし方

「きいちゃう?きいちゃう?いつもと同じだよ?ずっと寝てるかゲームしてる。外出ればいいのにね。海行ってサーフィンとかすればいいのに。次のチャプターに行きたいんだよ!(しーん)ほら、みんなこういう空気になる〜!」

 

Q.ハマってる食べ物はなんですか?

「ハマってる!?うーん、最近はずっと素麺食べてます。この時期は素麺だよね。そこに僕の好きな納豆ともずく入れればもう美味しいんだもん!素麺です」

 

Q.ツムツム以外に好きなゲームはなんですか?

「きたー!ほら、やっぱりみんな聞きたいんじゃん!こういう話!ツイッターを読まれてるかたはご存知かもしれませんが、パワプロです。僕の横には矢部くんがいますし、僕のライバルは猪狩守です。知らない方はウィキペディアで調べてください」

「今度ドラクエXIが出るなー。でもPS4とDSどっちを買おうかなー…(手をぽん!)どっちも買えばいっか」(これは確か別のとこで言ってました)

 

Q.なんて呼ばれてますか?

「僕のことをぴろし、って呼び始めたのは初舞台の『空色勾玉』でお世話になった西山水木さん。『お前は名前は?広っていうのか。ならお前は今日からぴろしだ!』って。そこからテニミュで覚えてもらえるようにあだ名をつけようってなって、僕は『ぴろし』しかなかったのでそう言ったらそこからばーって広がって。そして、今はぴろしって呼ばれてることも多いんですけど、やっくんって呼ばれることも多いですね。『矢崎』の「や」だと思うんですけど。あ、ちゃんじんだけ俺のことざっくんって呼ぶんですよ。ちゃんじんは『俺だけの名前で呼びたい…!』って言って呼んでるんですよね〜。ちゃんじん…なんでちゃんじんっていうの?陳内将なのに。あとで聞いとこー♪あ、じんちゃんからか!解決!」

 

Q.8/2が誕生日なので、一言ください

「え、明日?明日誕生日なの!昼の部だったらどうしようー(いらっしゃいました)。あ、あなたですか?おめでとうございますー。8/2か…はに、ハニーの日なので心の蜂蜜を贈ります!」

 

Q.1番心に残っている台詞

「何度もやってるからかもしれませんが、やっぱりミュージカル薄桜鬼の土方歳三の台詞ですね。『紛い物だろうがなんだろうが貫きゃ真になるはずだ』。初演の斎藤一篇から参加していたんですが、やっぱり原作があるものを舞台化すると、皆様心配だと思うし、僕たちも不安だったし、そんな時に背中を押してくれたのがこの言葉で、二番煎じとかモノマネとか言われても貫いたら本物を超えることができるんじゃないか。そう思って演ってましたね。」

「あとは『自分の心に思うところがあって、譲れないものがあるなら、真っ直ぐに前を見ていろ』とか『背を向ければ切る』もかっこいいですよねー!俺、千鶴やりたいかも笑」

 

Q.落ち込んだ時どうしますか?

この方は初めて矢崎さんを観に来たらしく、とっても嬉しそうに「初めまして♪」と返していた矢崎さん

「落ち込んだ時…正しいのかは分からないんですが、とことんまで落ち込みます。『俺はなんなんだ…』ってところまで(笑)そこから光を見つけて上がっていきます。

反省して、反省して、時間が経ったら、そこまで言わなくても良くない?って思って(笑)そうやって乗り越えてます」

 

Q.ドラえもんが現れたら何をお願いしますか?

ドラえもん、そっかー。何するかなー。(ドラえもんをなでるジェスチャー)とりあえずどこでもドアはほしいよね!んー、でもちょっとかさばるかなー。通り抜けフープもいいよね。東京に住んでると、電車だとこう(回る)だけど、まっすぐ行くと近いんじゃないかなーって思うことあるよね。あ、でも取り寄せバッグが一番ほしいです、僕。よく忘れ物するので(笑)あと、タイムマシンで過去に戻りたいかな…なんてね!」

 

Q.私は傘をさすのが苦手なんですが、矢崎さんは日常生活で苦手なことはありますか?

「苦手なこと…というか、傘をさすの苦手?えー!あ、でもわかる気がします。傘持って片手ふさがれて、改札通るともう両手ふさがるじゃないですか。傘をリュックにさげてる、小学生みたいなやつがいたら僕です(笑)この間Twitterでも言ったんですけど、両手がなんかうまく使えないんですよねー。このマイクとか、浮けばいいのにって思います。」

 

Q.大切な女性に山形を案内するなら、どこに連れて行きますか?

蔵王樹氷です!ただ蔵王は宮城の人と取り合いになるんです(笑)

あとは月山の地ビール飲めるところに昔両親が行ってました。おしゃれですね。あと鶴岡には映画村があるし、米沢には米沢牛とかあるし」

隣の方「ファンイベント!」

「(袖に向かって)ですって。そっかーFC旅行かー。できたらいいですね」

 

最後の質問です

Q.どうしたら毎日が楽しくなりますか?

「え!どうした?何があった?んー、毎日の視点をちょっと変えてみるだけでも楽しいですよね。ちょっと外に出てみるとか…自分も出ないのにね(笑)サーフィンとかすればいいのにね(笑)そういう日常のなかのささやかなことを変えてみるだけでも楽しいですよね。

あ、あとは僕の舞台、おいでよ。へへ」

 

☆ミュージカルタイタニックより

ハートリーの「秋」

「これもたくさんリクエストいただいた曲です。ウォレス・ハートリーという実在した人間が、タイタニックが沈む時に船の上で演奏したのが『秋』という曲で。タイタニックでこれを歌うときは本当に緊張しました。だってミュージカルでスタンドマイク立ててスポットライトで歌うなんてあります!?すごく貴重な体験をさせていただいたな、と。」

 

 

☆プレゼントコーナー

プレゼントされたものは

◎マグカップ

◎扇子

◎女中たち原作本

◎矢崎画伯のイラスト色紙

◎バックステージパス

でした。

 

◎マグカップ

真っ白な無地のマグカップにサインを書く仕様。

ぴ「コーンポタージュとか入れるのにちょうどいい大きさ。好きー。」

サインをしている間はご歓談ください、と。

ぴろしのファンは本当に仲良しで、それをマザー牧場からひしひしと感じていて、それがとても嬉しいそうです。

私もぴろしを通じてたくさんの方と知り合って仲良くさせていただいていて、本当に楽しいから、矢崎さんにはとっても感謝していて、その通りだなあと思います。

マイクが持ちながらサイン書けなくて「ほら、(Q&Aで)言ったでしょ!浮けばいいのに!」

 

◎扇子

同じくサインして手渡し

「最近暑くて、東京どうした?って感じですよね。もう日傘男子、とか言わなくていいと思うんですよ!男子も日傘をさしたい!さしていい暑さ!色白のあの人は何やってるんですかねー。日傘さして…。女中たちの次の日には朗読劇の稽古『楽しいー』ってツイートしてて(ぶつぶつ)」

 

◎女中たちの原作本

背表紙にサインしてプレゼント

「女中たちを観に来てくれた方ってどのくらいいますか?うわー!いっぱいいる!ありがとうございます!本当にあの作品は大変で。中屋敷から怒られるし。」

 

◎矢崎画伯のイラスト色紙

選ばれた人の好きな絵を描く

「矢崎画伯ですよ…笑

やっぱり画伯が才能を開花させたのは、タイタニックですよね。紙コップに絵を描いたらそれがTwitterに載る載る!あの名だたる大御所たちが、僕が始めた紙コップのイラストを真似してるんですよ!?笑」

選ばれた方は土方歳三の絵をリクエストしてらっしゃいました。

まさかの薄桜鬼ではなく本物の土方歳三の絵を描く矢崎画伯。

「とし」が平仮名と漢字に挑戦してて「とし歳三」になってました。

 

◎バックステージパス

「今度の『黒いハンカチーフ』のバックステージパスをプレゼントします!来ちゃいなよ!楽屋に!これだけじゃさみしいから、パスにサインしときますね。」

 

☆ゲストトークコーナー

ゲストは中屋敷法仁さん

 

ゲストトークの発表のとき会場が「碓井くんでしょ、はいはい」っていう空気になったのを察知したのか「みんな、ツイッターとかでこう…お昼の内容とか教えてもらってるんでしょ〜。そんな皆さんを!裏切ります!」って言って中屋敷さん紹介してました笑

 

中屋敷さんとのトークはふんわりしまくりだったので、箇条書きで

 

・8/1ファンイベが決まった時から「私用」と事務所のカレンダーに書いていたやしきさん

・演出助手の方から、「2人だけのトークは不安」と言われた

・僕が暴走して碓井くんも乗っかって変なこと言って、矢崎くんがまとめようとしていつもぐにゃんと時空が歪む

 

◎好きな男性のタイプ(質問者:中屋敷さん)

中「さっき好きな女性のタイプきかれてたけどさ、男性はどうなの?どういう人と友達になりたいの?」

「えー、なんだろう…わかんないけど、ちゃんじんとか碓井くんみたいな心に熱いものを持ってる…熱い人は憧れます!そういう人ですね!」

中「…俺、全然当てはまらないんだけど」

 

中屋敷さんが見た本番前の矢崎広の奇行

・全力でカメハメ波をうつ

・楽屋からでてうろうろして突然遊びに来る

・イタズラを仕掛ける

・気に入ったイタズラはもう一回やる

・本当小さい子みたいだよね!矢崎くんって!!!

 

・中「矢崎くんは、イバラの道を行くよね。守りに入らない。そして『あ、イバラがある』ってひとつひとつ確認しながら進んでいく感じ。普通イバラの道を避けるか突き進んでいくよね?どうなの?」

ぴ「だってイバラの道行けって言われたら、あ、はい…って行くしかないじゃないですか!」

中「矢崎くんは、なにか要求されても『いやだ』って言わないよね。」

ぴ「言いますよ!屋敷さんには!」

中「でも結局やってくれる」

ぴ「だってさー、反抗したいんだもん。誰がAB交互とかにしたんだって考えると、屋敷さんにこうイライラしてきて…」

中「僕は矢崎くんのファンだから、できるだけ舞台上にいる矢崎くんを見たい。ハケとかいらないの。だから、今回もサイドに台所のセット作ろうかなって話してて。この前のフランダースの負け犬もそうなんですけど」

ぴ「フランダースの時もはけられないから、本当にお水を飲む時間がなくて。セットのハートの窪みの溝に水おいて、後ろ向きで腰掛けて項垂れてるときにこっそり飲んでた」

 

 

・中「朝起きたらなんで俺中屋敷なんだろうって思う。絶望する。だって目が覚めたら俺になってるんだよ!?嫌じゃない?」

 

・なかやざきって雑誌とかで振られても「なかやざき?いやー知らないっすね」って反応を二人ともする。なかやざきくんが一周回って大きくなって僕たちのところに戻ってきたらいいなって思って、と矢崎さん

 

・楽屋でやるカメハメ波をやってみる。その前にキーボードに勢いよく手が当たってしまったので不発。

 

・屋敷さん台詞覚えてって言ったのに覚えてない。「また手袋だわ!」からの台詞を言ってみる。3文節くらいで「局長命令だ!」(笑)

ぴ「局長じゃねえよ!俺副長だから!!」

 

◎女中たちについて

ぴ「本当に毎公演毎公演慣れなかった。毎回が新鮮だし舞台に立つのが怖いと思った。一度も慣れることはなかった」

中「矢崎くんが帰りに楽屋から出て行く後ろ姿がいつも明日来てくれるのかな…って感じだったよね」

矢「中屋敷さんがすごいダメ出しするからさーもうすごいしんどくて」

中「え、え、そういうの言うのやめよう?俺今せっかく面白おじさんって感じで見られてるのに。」

ぴ「言うじゃん!台詞とかひとつ間違えると凄い勢いでかけよってきてさー」

中「今ここ間違えたよね!?あー、ダメだ!もうダメだ!終わったー、ってやつ?」

ぴ「それだよ!」

 

・女中たちの稽古中、電話の代用を紙コップに「TEL」って書いてるものにしてて、それを糸電話のように使っていた矢崎さん(笑)ぴ「なにがおかしいの!?」

本物の電話がきていらなくなると屋敷さんはずっとその紙コップをポケットにいれて女中たちを見ていたそうです。

中「矢崎くんが、『旦那様…!クレールでございます!』って何度も言ってた紙コップだよ!?」

「むしろ、今日ここで披露できてよかったよ!じゃないとただ家に矢崎くん使用の紙コップを置いてる人になるんだよ!?」

 

・中「なんかさ、最近矢崎くん勢いよくぐいぐい来るよね!なんで!?こわいんだけど。僕そんなに防御力ないって最近気づいたから」

 

◎緋色の研究

中「もう俺にとっては天国で!舞台の上から演じている矢崎くんを見れる!って思って。ワトソンの方が台詞多かったから、先の台詞確認して、…よし!長いって思ったらその間ずっと矢崎くんを見てた。そして自分の番になったら読む。矢崎くんはどう出るかなって思ってたら見つめ返してきたよね」

ぴ「僕負けず嫌いなんで、舞台の上で突拍子ないことされると、やってやる!って気持ちになっちゃう。だから屋敷さんに負けずに見てました。こんな変なコンビが初日だったので、これから皆もどんどんおかしい感じになっていったらしいよね」

 

・これからもプレイヤー同士でなにかできたらいいよね、とお二人

中「女中たちが決まったとき、本当に1%くらい、相手役、俺か!?と思った。そしたら碓井くんで、ああ、そうだよねって」

 

・ぴ「ね、屋敷さん見てると受け入れてあげなきゃって思うでしょ?僕絶対普段道歩いててこんな人いたら避けて歩きますもん!」

中「え、僕も同じ気持ちで矢崎くんのこと見てるよ!」

 

・ぴ「僕たちがしゃべってるとね、こういう感じで(苦笑いのお客さんたち)周りのみなさんが『あたたかく見守ってあげなきゃー』ってなるみたいです」

 

屋敷さんが舞台からいなくなったあと

「本当に面白い…変な…方と出会ってしまったなあ、と思っているし、今回も二つ返事で出てくれたし。この出会いを大切にしたい。中屋敷さんも僕のこと…あの…ね、ああいう風に想ってくれてるから(照れる)。これからも続いていければな、と思っています」

 

☆矢崎さんが着替えている間にマーベラスの方々特製の薄ミュ土方篇VTR。

そして矢崎さん着替えて登場。白のボーダーにグレーのパンツ(な気がする)

まさかのOFFっぽい服からOFFっぽい服でした。

 

☆歌のコーナー

 

福山雅治「最愛」

「僕が15歳で初めて『役者になりたい』って言ったのが父で、父が『行ってこい』って言ったから、僕は今ここにいます。父が僕の一番目のファンで。そして今、こんなにたくさんのファンの方がいて。でももう会えない人もいます。それはもうどっかに行っちゃったとか、そういう理由で会えない人もいます。別に僕に大したことがあったわけじゃなくて、普通にみんなが経験する出来事しかないんですけど。皆さんの心の大切な人を思い浮かべながら聴いてくれたら、と思います。」

「皆さんの心になにか込み上げてくれたら嬉しいです。」

 

◎ミュージカル『ミス・サイゴン』より

「Why God Why」

これからの舞台から

「先ほども言いましたが、次の舞台は『しっぽのなかまたち』です。前も出たことあるんですが、女中たちを引きずらないように、今少しずつ役を抜いてます。さすがにしっぽに女中たちは連れて行けないので(笑)

10月には『黒いハンカチーフ』があります。演出は河原さんです。

昔小栗先輩と一緒に出させていただいた時計じかけのオレンジで演出してくださったのが河原さんで、あの時何もわからずに舞台に上がっていた僕を小栗先輩と河原さんが鍛えてくれました。そして今回は主役で演出していただけるということで、もちろん成長を見せつけたいという気持ちもありますが、それより前みたいにたくさん鍛えてほしいと思います。

そして、12月、東宝ミュージカルに参戦させていただきます。参戦って、スマッシュブラザーズみたいですが(笑)会場はシアタークリエ。今年はいつか立ちたい、何年後かには立ちたいという舞台にどんどん出演させていただいてます。

僕はミュージカルが大好きで、前回ここでのイベントでも『モーツァルト』の「僕こそ音楽」と『エリザベート』の「最後のダンス」を歌わせていただいたんですが、皆さんに僕の最初のモーツァルトを、最初のトート…(笑)、トートを、見せたくて歌いました。今回はミュージカル『ミス・サイゴン』から「why god why」という歌を歌います。この歌はクリスという役の歌なんですが、僕の最初のクリスを、最初に皆さんに見ていただければと思っています」

 

◎ハイタッチお見送り

1人一言くらいは声をかけられる感じでした。

 

出口で、黒いハンカチーフのフライヤーと特製ポストカードをもらって終了〜♪

 

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