sognamo insieme

君を夏の日に例えようか

日本版ジャージー・ボーイズ初演

私は歴史的な初演に立ち会ったのかもしれないと思えた公演でした。

2月のPV撮影、いや10月のキャスト全発表からずっとそわそわしていた公演。私の中で2016年の目玉とも言える公演でした。アッキーの発表の時には、藤岡さんは選ばれそうだから1回くらいは行きたいな〜♪と軽く考えていましたが、結局RED5回White1回行きました。

だって矢崎広が選ばれてしまったんだもの。今年の夏も中屋敷さんと濃厚にお芝居すると思っていたところにまさかのミュージカル。そしてミュージカルの申し子海宝直人とのWキャスト。

発表された瞬間1日中お腹痛くて、仕事中ぼーっとしていたのを覚えています。

私は盲目ファンなので、「矢崎さん最高!天才!大好き」botなんですけど、それでもミュージカルファンの耳の肥えた皆様に海宝せんぱいと比較されるのは本当に胃痛が止まらなかったです。

…とりあえずその話は置いといてJBの話に戻します。

2月にPV撮影。見事に多動性を発揮しずっとジャンプをしている気持ち悪い自分と素晴らしきエキストラの皆様と赤フォーシーズンズたちの楽しいVTRが公開されてから、あっという間に7月がきました。

毎月ジャージーニュースとか、インタビューとかWOWOWさんとかあって、本当にあっという間でした。

予習をしようか迷っていて、結局何も観ないで行きました。

矢崎さんもたいがいあれですが、私も「初めて観るボブは矢崎さんがいい…!」と考えちゃうタイプなので(笑)

まあ、結局観ても全然大丈夫なくらいベクトルの違うボブだったんですが!

赤と白、明らかに赤の方が見てるので、どうしても情が入ってるのは赤なんですが、どっちもとても良かったです。好みで分かれそうな感じです。

ドロドロのストプレが好きな方は赤、爽やかにミュージカルが好きな方は白が好きなんじゃないかと、勝手に思っています笑

同じ台詞、同じ曲、3人以外キャストも同じなのにこうも違うお芝居になるのかと、改めて芝居の面白さに気付けた舞台でした。

フランキーは同じ中川さんなのに、そのフランキーさえも赤と白で変わって見える。人は誰かとの出会いで形成されるって本当だなあ、と。誰かが変わるだけでキャラクターを変えられる中川さんの柔軟性にも驚きでした。

ただ、どちらでもカテコが死ぬほど楽しかった。まるでフォーシーズンズのファンになったような感覚で、嬉しくて泣きながら楽しく踊れる舞台なんて滅多にあるもんじゃありません。再演決まったので、お祭舞台好きな方は是非に行ってください。こんな楽しい舞台がこれからも続いていくことがとても嬉しいです。

【あらすじ】

ニュージャージー州の貧しい片田舎で、彼らは出逢った。

「天使の歌声」と称されるフランキー(中川晃教)は、兄貴分のように慕う

トミー(藤岡正明/中河内雅貴)とニック(福井晶一/吉原光夫)の

グループのボーカルに迎え入れられる。

作曲の才能があるボブ(海宝直人/矢崎 広)の加入をきっかけに、

彼らはザ・フォー・シーズンズとしての活動をスタートする。

金もコネもない彼らを待ち受けていたのは、過酷な下積み生活。

そして、「シェリー(Sherry)」のヒットを皮切りに、「恋のヤセがまん(Big Girls Don't Cry)」、

「恋のハリキリ・ボーイ(Walk Like a Man)」など全米ナンバー1の曲を次々に生みだしていく。

だが、その裏では莫大な借金や家族との不仲、グループ内での確執、

様々な問題がザ・フォー・シーズンズを引き裂いて・・・。

成功の光、挫折の影、その先に彼らが見たものとは――。

【White】

1度しか観ていない白ですが、中河内トミーが引っ掻き回したフォーシーズンズでした。とっても良いスパイスだったなあ。トミーめっちゃ良い子なんですよ。頭弱いだけなんですよ。「ボビーむかつくよね、うんうん」って観てました。

優しさの塊でお父さんみたいだった福井ニック。若い2人のために身を引いたように思えたけど、実は劣等感が…!っていう驚きがありました。

そしてパーフェクトボーイ海宝ボブ。正直私のイメージしていたボブはこっちです(笑)

cry for meでの説得力が凄すぎました。これは才能あるわ、ってお客さんまで全員が納得するボビー。フランキーのこと以外は全員どうでも良くて、クールだけどちょっと愛嬌もある。最後の「僕がいなければ」を小声で言うところも可愛かったー!

白はハーモニーもとっても素晴らしくて、常にフランキーが1番聞こえていた気がします。そしてフランキーがフォーシーズンズのメンバー一人一人を大好きだったのがとても良く伝わりました。フランキーのフォーシーズンズ内でのポジションの移り変わりや、心情の変化が分かりやすい白。大千秋楽で観てしまったので、もっと早くに観ておけば良かったなー、とちょっと後悔しました。

【RED】

そして、マグマのようにドロドロで熱かった赤。

長くなります。ご了承ください。

まず、中河内トミーより圧倒的に悪いやつだった藤岡トミー。藤岡さんのトミーはまるで劣等感の塊で、でも優しさの塊でもありました。フランキーを見つけた時の表情が言葉に出来ないほど素敵で!「こいつを育てたい!」という純粋な気持ちと、「こいつには勝てない」という劣等感を常にフランキーに抱いていた気がします。ボブのことも認めていて、本当はその凄さを理解しているけれど、常にフランキーから認められているため、つい上からものを言っちゃう感じがしました。

トミーの中には常に「フランキーの上にいたい、中心にいたい」という気持ちがあり、それがどうにも上手くいかず空回りしていた感じがありました。

そのトミーの弱さが本当に好きで、悲しかったです。

吉原ニックは、超セクシーでした!!

気遣いできて、色気があって。

stayの時の泣きそうな顔が印象的です。

フランキーを育て、ボブの親友で、トミーの世話をし続けて。自分のことは後回しでいつも誰かのことを見守るニックが限界を迎えることに、すごく納得がいきました。劣等感もずっと見えていて、最後の告白も「知ってたよ」と言いたくなる感じ。

私が誰よりも共感していたのは吉原ニックでした。

観客への寄り添い方が上手な方だと思います。

そして、矢崎ボブ。思い描いていたボブとはちょっと(かなり?)違い、愛嬌がある面白いボブ。フランキーのことが大好きで仕方なくて、フランキーがいたおかげで成功した一発屋の天才。彼の才能は歌ではなくて、自分とフランキーを信じること。それに尽きた気がします。そしてそれがトミーとニックを傷つけている。

トミーのこともニックのことも好きで、だけどフランキーを押し上げることに夢中だったから気付けなかった。2人がいなくなった後フランキーのいないところで少しその気持ちが見えるのが好きでした。私の深読みかもしれませんが(笑)

「君の瞳に〜」のリリースも、ヒットするためというよりフランキーのための方が強かった気がします。フランキーがホーン入れたがっていたから、それが映える曲でヒットさせたかった。そういう人間くさいボブが好きでした。

December'63は「イヨッさすがプロDT!」と声かけたくなる仕上がり(笑)お兄さん達がイジメてくれて良かったねえ。私は矢崎さんめっちゃエロいと思ってるので、そろそろDTぽくない役柄も見たいです。わがままです。

私は大好きなボブで、さすが矢崎さん演技力やばいとか思っていましたが(盲目なので^_^;)、あまりにイメージから逸脱しているので他のお客様にはどう映るんだろうと思っていたら、意外と受け入れられていて嬉しかったです。

海宝センパイが正統派だったので、あえて変えてきたのか、レッドチームが本人に近いところで演じていたので合わせたのか分かりませんが、本当にゼロから作り上げた感じがして面白いと感じました。

歌声もかなり成長していて、本人の言う「ヒリヒリするようなスリリングな道」をこれからも突き進んでいただければと思います。

全体的にハーモニーというより圧がすごかった赤チーム。藤岡さん吉原さんの声の厚みによってもう感動レベルが鳥肌もので。最初はすごすぎてわけわかんなかったんですが、段々このハーモニーで鳥肌立つのが好きになりました。

赤の一人一人の弱さや狡さが透けて見えるのがとても好きで。人間ドラマが濃く描かれていて、それぞれの心情を読み取ろうと必死でした。赤のメンバーはフランキーのことが大好きで、彼らの心の中心には常にフランキーがいました。赤のフランキーは特にニックに、思い入れが強かったように見えました。

もう話すまでもないですが、フランキーの中川あっきーがとにかく凄くて!シルエットの第一声でみんなトミーの気持ちになれる。本当に素晴らしい声でした。そして少年から大人までを自然な流れで演じる演技力。赤と白で自分の役を変えられる柔軟性。何より最後まで全く不安にならない歌唱力。バケモノかなって思いました。

中川さんの中川さんによる中川さんのための舞台。

だけど、彼はあくまで全員の舞台にしようとしていて、それがすごくフランキーと似ているような気がします。凄いもの観たなあ、と思います。再演は誰が決まってなくても中川さんだけは決まっているでしょう。そう感じるくらい圧倒的に彼の舞台でした。

他にももっくんクルーが素晴らしかったとか、新太くんにハマりそうとか、まりゑ姐さんフランシーヌ好きとか色々言いたいことはありますが、纏まらないのでこの辺で。カンパニー全体が愛しくなってしまいました。

ちょっと前まで某アイドルグループを追っかけていた身としては、この物語はファンタジーでした。

ファンというのはただ彼等の人生を見守ることしかできない。彼等の人生の選択が自分にとって喜ばしいことではなくなるたび、無力さを痛感してしまいます。でも力を合わせればステージ上に再び引っ張り出すことができるかもしれない。

無力な私にもおじいちゃんまで見守っていれば奇跡が起きるのかもしれない。

今日の国民的グループの一大事を見ながら、ジャージーボーイズのRag dollがぐるぐると頭の中を巡っていました。

朗読劇私の頭の中の消しゴム(矢崎広×三倉茉奈回)

朗読劇はあまり得意ではない私が唯一毎年通っている朗読劇、私の頭の中の消しゴム

こちらに矢崎広さんが満を持して登場されるということで、4/29、5/3どちらも観劇してきました。

 

満を持して…というのも毎年アンケートに矢崎さんのお名前を書き、嵐が丘(去年の消しゴム時期)やらしっぽのなかまたち(消しゴムと同じ岡本貴也さん演出)やらでだったかと思いますが、矢崎さんへのお手紙でもしつこく浩介をやって欲しいと書き、ぴろくらのお友達(主に真紀様)にも何時間も浩介と矢崎広がどんなに嵌っているかということを語っていて、正直なところ呆れられて逆にもうやっていただけないのではないかと思っていました。

今年念願叶ったので本当に有難い限りです。

どうしてこの作品を演って欲しかったかというと、今迄の矢崎さんであまり例のないコテコテの恋愛ものだということ、そして何より浩介という役柄が矢崎さんにぴったりだったからです。

 

私の頭の中の消しゴム」という作品は、一見若年性アルツハイマーを中心とした話に思われがちですが、確かにそれは重大なエピソードですが、浩介と薫という2人の生き様のエピソードのひとつにしかすぎず、ベースに浩介が薫によって成長する過程が描かれていると思っています。

私自身がそんな浩介という役が大好きで、矢崎さんがどう演じるのか楽しみだったというのもあります。

 

 

 

 

ご覧の通り、決まる一年も前から私の期待は多大なものでした。矢崎さんならこうするだろう…みたいなことが自分の中で決まりすぎていて、それが逆に恐い部分でもありました。

自分の理想を具現化させたくて矢崎広という役者を使っているだけなのかもしれなくて、もし違った時に私の中で矢崎さんの評価を下げる、そういうことはしたくなかったので。

でも実際、期待通り?、期待を超えて?素晴らしい浩介が見れました。

自分が思っていたところと違う部分、ありました。でもそれは、私の読み方が甘かったり、その後に繋がる解釈だったり。

語弊を恐れずに言うと、初めて、浩介と会えた気がします。

朗読劇だから別に完璧に姿形が一致していなくても良いんです。イメージが違っても面白いんです。声が大事ですし。朗読ですし。

だけど私はずっと浩介に会いたかった。2年間色んな人の口から語られる浩介に会ってみたかった。

無愛想で背中が広くて髭が生えてて薫のタイプではない浩介。私にとってそれは矢崎広が演じる高原浩介で、うまく言えないんですが、朗読ではなく、姿形で、実物で、高原浩介を見てみたかったのだと思います。

矢崎さんならきっと、朗読の枠を超えて浩介を連れて来てくれる気がしていたのだと思います。

矢崎広の浩介はぶっきらぼうで荒っぽくてどこまでも優しく、孤独だった。

薫に導かれながら、一歩ずつ踏み出し、成長していく1人の男性だった。

嵌るだろうとは思っていましたが、本人の資質と本当にぴたりと嵌っていました。

 

そして欠かせないのは三倉茉奈さんの薫。

浩介に比べると薫はどうしても軽視してしまっていた傾向にあったのですが、三倉さんの薫は薫そのものでした。

優しくて包容力があって浩介のことが大好きな薫。

孤独感の強い矢崎浩介と温かく包み込むような三倉薫は親和性が高く、お互いがお互いを唯一無二の存在と思っている印象を強く受けました。

矢崎さんは声優もやられてますが、やっぱりベースは俳優だと思うので、できれば女優さんで…とは思っていたのですが、茉奈さんが素晴らしすぎて、理想の浩介と薫だと思いました。

 

この2人を組ませてくれたことに感謝ですし、素晴らしい演技を観れたことにも感謝です。

スタオベできて良かった。

一場面一場面が胸に刻みこまれています。

 

私はこれからも公演があるかぎりこの朗読劇に通いますし、たくさんの浩介と薫を観ると思います。

だけど、二人の浩介と薫は絶対消えない。

いつかまた、逢えますように。

 

本当にありがとうございました。

Eternal CHIKAMATSU

エターナルチカマツ、現代と過去が交錯し、蜆川の渦に巻き込まれたような作品でした。

ほんのちょっと、15分だけの恋のはずだった。

止むに止まれぬ事情から、売春婦になったハル。割り切って始めた商売だが、 足繁く通うジロウ(妻子持ち・現在失業中)と命懸けの恋に落ちる。周囲の反対を押し切ってこの恋を全うすることが出来ないと諦め、ハルはジロウに愛想尽かしをしたふりをして心ならずもジロウと別れる。自暴自棄になって街をさまよっていたハルは、かつて遊女の涙で溢れたという蜆川(曽根崎川)のあった場所で、ハルと同じ境遇にある、妻も子供もいる紙屋治兵衛と命懸けの恋をしている遊女小春と出会い、近松門左衛門の江戸の世界、古い古い恋の物語に引きこまれていく。

以下感想

15分の恋ってそれなんですね、っていうくらいに意外とエグかった序盤。

深津さん演じるハルは売春婦で身を切るような生活をしている。そのウリの最短時間が15分。どうしても古典が結びつくと高尚な印象を持ってしまうんですが、思い起こせば源氏物語だってカルミナ・ブラーナだってジャンルは違えど昔のものってセクシャルなものが今よりずっとあっぴろげな気がする。

それを現代でもやってみたんでしょうか…?美しい深津さん演じるハルの口から語られる生々しく絶望的な現実が重すぎて最初から泣いてました。

返しきれない亡き夫の借金、愛していたジロウとの別れ。自殺しようとするハルの後ろから現れる小春は幻想的で怖くて美しかった。

観ている方も地に足着いたリアルなお芝居から、不思議な空間に飲み込まれていきます。

七之助さん演じる小春が思いっきり歌舞伎だったからかもしれません。

歌舞伎を異空間としてリアルなお芝居に放り込んだことでファンタジーにすんなりと入り込めました。

小春は喋り方は歌舞伎の声の出し方なんだけど、話してることはとっても分かりやすかったので、まるでホンヤクコンニャクを食べたような感覚でした。いや、歌舞伎でも何話してるのか分かりますけどね。より噛み砕いた言葉になっていたので。

そこから、忙しい人のための心中天網島といえばいいのか、河庄と最後の心中の場面を上演します。

小春は心中してから今日まで107882回、毎日心中天網島を上演している。それを観て喜ぶ観客、真似する恋人たち。初めは心中に同意していたハルだったけれども、徐々にそれはおかしいと感じ始める。

作者の近松門左衛門らしき人物とともにハルの心中を止めようと画策し始めます。

この話のテーマに「心中ダメ絶対」っていうのも含まれていると私は解釈しているのですが、自分自身不倫とか心中とか当人同士の問題だし放っておけばいいのに、っていう考えなので、ここでハルから「心中観て楽しむ観客は悪趣味だ!」と糾弾されるのはちょっと解せなかったです(笑)

受け取り方が捻くれているだけなのかもしれませんが。

こういうので真似して心中とかしちゃう人はどこかでこじつけて同じようなことするから!近松気にすんな!くらいに思ってました。

愛の形というのは人それぞれの正解があって、小春とジロウの決断もおさんを悲しませるけれども、それはそれで良いんじゃないかな、というのは今も思っていますが、ハルは単純に小春のことが好きになったから、今日くらいは心中しなくてもいいじゃない、と声をかけます。

生きてみても良いんじゃないかな、と。

そんな素直なハルだから、小春の心中を止められたのかなとも思います。

そして小春はずっと蜆川でハルを見守っていた亡き夫。小春を通して人生を歩む方向へ導かせていました。

小春の頑固なところも何も言わず黙って決めてしまうところも、優しいところも思い返せば全部夫に通じていたわけです。

全部アンタの所為なのに何言ってんの!と思ったのは全部観終わって余韻が醒めてからのこと。

観ている間はあの世界に入り込んじゃうので、スッキリと泣き、スッキリと笑顔で見終えました。

何も解決していないのに、とても明るい気持ちで終われるところは、サ・ビ・タを思い出しました。

物語としてはぐるぐる考えてしまいますが、人生なんて結局気の持ちようなのかもしれないですね。

深津さんの舞台でのお芝居、七之助さんの小春(海老反り!)、伊藤歩さんという素敵な女優さんを観れて、矢崎さんにこの舞台に連れてきてもらえて良かったなあと思います。

できればもっと印象に残る役ならなお嬉しかったですが…!いや、私の印象には残ってますが、矢崎さんを知らない人たちにはどうなのかなあと思って。

最近素敵な役どころが多かったので、今回はちょっと消化不良でしたが、こんな素敵な作品に呼ばれる俳優さんになっているということに、ファンとしては嬉しい気持ちももちろんあるので、また七之助さんらとガッツリ対峙するような役を見れたら幸せです。

ルヴォーの演出はスタイリッシュで、集中を切らさない仕組みで、濃厚な時間でした。

ちょっと昨年6月の四谷怪談を思い起こさせました。あれも好きな演出だった。

古典をスタイリッシュにされると無条件にかっこいい!って思えるタイプなので、こういう演劇がもっと続いていくと嬉しいです。

できれば次は歌舞伎入門編からもうひとつ入ったところまで観れたら、もう少し解釈を観客に委ねてくれる余白のあるものが観れたら嬉しいなあと個人的には思います。

Endless SHOCK

鉄は熱いうちに打て。

興奮は冷めぬうちに書け。

ということで、この土日も観劇が続くので、上書きする前に書いちゃおうと思います。

Endless SHOCK

日本一チケットが取れない舞台

階段落ち

フライング

観劇する前のSHOCKのイメージといえばこの辺りでした。

主にメディアによるパブリックイメージをそのまま植え付けられたのだと思いますが、個人的にこの宣伝は非常にナンセンスだと思います。

SHOCKの魅力はそこじゃなかった。

素晴らしいセット

素晴らしい演出

素晴らしいストーリー

そして素晴らしい出演者たち

そのどれもが非常にバランスが良く、レベルが高い、とても上質なエンターテインメントでした。

ジャニーズの舞台は、ショーとしてのクオリティは高いのですが、ストーリーは粗いものが多く、SHOCKに関しても特に期待をせずに行ったのですが、このストーリーがめちゃくちゃ良い!

絶対的なカリスマ性を持つコウイチと二番手に甘んじるライバルのヤラ。コウイチに想いを寄せるリカ。主にこの3人が主体となりストーリーが展開します。

特に驚くような展開はなく、読めます。きっとこうなんだろうなっていう展開をそのままなぞります。

ただ、それがあまりにも本人たちに重なるため、その熱量と主軸のshow must go on精神にわんわん泣かされてしまいました。

1幕はコウイチのサクセスストーリー。ワンマンだけど、みんなを惹きつけるコウイチに私たち観客も惹きつけられます。劇中劇のショーはTDSのBBBさながら。大勢のアンサンブルを従えてセンターに君臨するコウイチはミッキーのようでした…!

コウイチは絶対的な王者。カリスマでした。

この有無を言わさない説得力がSHOCKの凄さなんだと思います。

二幕からはライバルのヤラに焦点が合うように作られていました。

幼い頃からコウイチにライバル心を燃やし、コウイチを憎み、でも誰よりコウイチの凄さを知っていて、尊敬していて、挫折を繰り返している人物だということが、二幕で痛いほど伝わってきます。

コウイチが序盤でやりたがっていた、シェイクスピアハムレットとリチャード3世でヤラの心情を表す演出はお見事。

個人的にジャニオタで屋良っちの凄さを知らない人はにわかだと思っているので笑

屋良くんのライバルを観れて本当に良かったなあ、と思っています。

彼はどこまでも光一さんと対等であろうとしているし、身体能力の高さとセンスの良さ、魅せ方の上手さはやっぱり凄まじいんですよね。引けを取らないというか。もちろん、光一くんが輝いている舞台なんですが、「この人はこの人でコウイチの陰を追わなければ素晴らしいエンターティナーなんじゃないか」と観客が思うライバルなんですよ。この2人が切磋琢磨してショーを良くしているというリアリティ!!!

この不思議なリアリティーがより深い感動に起因していると思います。

エンターテインメントの裏側を見せつつ、最高のショーを展開するという構成がそもそもどストライクでした。

ショーの演出もとにっかく素晴らしくて!ブロードウェイの群舞もまわり盆を使った殺陣も、桜吹雪の中の桜の木も、今まで観た演出のなかで最上級のものでした。

階段落ちも生で観る迫力は凄かった…!思わず叫びそうになりました。その前に階段の横に背中から落ちるジュニアも凄かった…。

自分の脳内でしか叶えられないと思っていたセットが目の前にあって、むしろ想像を超えていて、自分の舞台に対しての価値観をグラグラに揺さぶられました。

世界のどこで上演しても恥ずかしくない作品だと思います。日本で作るミュージカルに限界を感じている部分があったのですが、これは凄かった…。

1400回を超える上演回数の意味が分かりました。生で観ないとこの感動は味わえないと思います。堂本光一…同じ人間とは思えなかった。こんなに全力で挑んでいると思ってなかった。1400回、毎回彼は全力で舞台上で人生を全うしているんでしょうか。尊敬します。

素晴らしい作品にも関わらずとてもクローズドな評価を受けていると思います。

もっと幅広い人が観ることのできるエンターテインメントになるといいんですが…!

チケット競争を乗り越える価値のある舞台だと思うので、気になった方は是非!!!

shockめちゃくちゃ楽しかったーー!!!ワンピース歌舞伎も観たいよー!!!

エンタメ好きの叫びでした。

ジャージーボーイズPVレポート

東宝さんはわたしのダーリンからイベントものにはそこそこ当選させていただけるので本当に感謝です。

それは恐らく私が様々なSNSを駆使して宣伝することを見込んでのことだと(勝手に)思っているのでジャージー・ボーイズのPVをレポートしたいと思います。いつものごとく脳内で再生しているので、誤りがあったらすみません!宜しければご指摘ください。

撮影場所は都内某所のライブハウス。

フロアの真ん中に高さ30cmもないくらいの四角い2畳(矢崎広曰く)のステージが設置されており、外側にマイクが4本。チラシのフライヤーにも使われてるあれです。

お客さんはそのセンターステージの周り、元々設置してある本来のステージの壇上、フロアの段差上(中川さんと向かい合う辺り)に配置されます。

整理番号順に入場し、スタッフの方から場所を指示される形だったので、WOWOWで当たった2人1組の方々以外はほぼ1人で参加している状態でした。

私は終業後ギリギリ参加だったため、藤田さんがフランキー・ヴァリのコンサートに行った感想の後くらいからしかお話を聞けていないのですが、「青春は続いていくのだということをこのPVのラストに皆さんと踊ることで伝えていきたい」と熱く語ってらっしゃいました。

キャストの皆さん、10:30からPV撮影してらしたとか。シェリーとかあと数曲WhiteもRedあるみたいなのでメドレーみたいな感じになるのかな。

私たちが参加するのは"Big girls don't cry "。

多分1分半くらいの長さでした。

藤田さんのお話が終わった後、白石さんと石川さんらが加わって振り付けの講習。

参加者には事前に石川さんが振り付けをしている動画が配られており、皆さんフリは完璧。

動画を見た人ーって訊かれててほぼ9割は手を挙げてたかと思われます。

ギリギリ参加のため、これ以上迷惑はかけられないと動画を繰り返し観ていた私。本当に観ていて良かったです…笑

観客だけのリハを2回ほど行い、「最後のBig〜は跳んで盛り上がってください」とか「歌い終わったら拍手と歓声くださーい!オッケーが出るまでお願いします!」とかややアレンジはあったものの、スムーズに進行し、さあ!ボーイズたちの登場です!と思いきや、予想以上に巻いており、まだ準備中ですとのこと。

藤田さんがお話で繋いでいました。

マイクの調整をしながら、「これで誰がどこに来るのかわかりますねー」とか吉原さんのマイクの前で「ここにあっきーは来ないですもんねー」とか笑

あと、「皆さん振り覚え良すぎです!藤岡より全然!」とか笑

そんなこんなしているうちにようやくフォーシーズンズRedが登場。

矢崎さん藤岡さん吉原さん中川さんの順だったと思うのですが、観客とのあまりの距離感の近さに一旦ハケようとするフォーシーズンズ笑

マイクの位置について、リハーサルです。

中川さんを正面にして左回りに藤岡さん、吉原さん、矢崎さんの順。

私は中川さんと藤岡さんの間くらいにいました。

観客には白石さんと石川さんも混じっていました。

藤田さんか演出助手の方から「踊り子さんには手を触れないでくださーい」と言われる距離感でスタート。

藤田さんからは「テンションはずっと高めでお願いします!!」って言われていたため、エキストラ皆リハーサルからしっかり盛り上がってました。hooooo!とか拍手にびっくりのフォーシーズンズ。

吉原さんは「動物園の動物になった気分だよ!」とおっしゃってました。

藤田さんからは「最後のテンションはいいです!そんな感じで最初の方からお願いします!」と言われて「はいっ」と意気込む私たち。「え、まだ盛り上がるの?」「俺たち呑まれてるんだけど」と怯えるフォーシーズンズ。

吉原さん「ちょっと待って、これ俺たちはどういうスタンスでいればいいの?」と藤田さんに質問。

藤田さんは「この曲はフォーシーズンズが人気アーティストとして地位を確立した時の曲。堂々と歓声に応えて」的なことをおっしゃってた気がします。

リハからそんなテンションだったため、1回目テイクからしっかり盛り上がるエキストラ。「これから何回も撮るので、このテンションを落とさないようにお願いしますー」と藤田さんから指示が入ります。

2回目が撮り終わり、3回目の前に「あと3テイクで終わりです!」と言われるフォーシーズンズの方々。「えー!おれ後1回だと思ってたのにー!」という矢崎さんに「おれもー」と乗っかる吉原さん。ねー!とふざけるお二人。中川さんが「面倒くせえって言いながらやるときはやる」って表現されてたのが、まさに!って感じのRedです。

3テイク目に入る前に藤田さんの思いつきでエキストラが隣の人と入れ替わるよう指示されます。だいたい1人参加な会場だったのですが、皆さん隣の方に話しかけてタイミング良く入れ替わるよう打ち合わせます。

振り付けながら盛り上がりながらの入れ替わり。自然と入れ替わることに夢中になりすぎて、終わった後藤田さんから「うちのボーイズたちを忘れないでください!」と言われてしまうエキストラ笑

「そーだよ!俺たちのこと見てなかったでしょー!」って言う中川さん。

…はい。確かに全然見てませんでした。

4テイク目は段上の方達もフロアに降りて上からの撮影。入れ替わりはなしです。

4テイク目終わったところで10分休憩になりました。熱気とライトで暑くて、みんな実はフラフラだったのです。

5テイク目はフロアにいる観客とフォーシーズンズがいるステージの間をカメラがぐるぐると回ることに。一回リハーサルをしてぶつからないように気をつけながら本番です。

6テイク目はご褒美テイク。使われるか分かりませんが、ステージにフロアの観客が全員近づいて振りを踊ります。

「これ踊れます!?」と振りを確認するフォーシーズンズ。

「踊り子さんには手を触れない」が非常に厳しいくらい近い最前列。お客さん同士で「ぶつかっても良いから盛り上がりましょう!」と言い合う素敵なエキストラさんたち。

それを聞いた中川さんから「ぼくマイク傾けたらぶつけちゃうかも」と言われてました笑

まさに毛穴が見えそう(というか見える)距離感でした…!

あんなに近くでフォーシーズンズの面々を見ることはもうしばらくなさそうです。

中川さんがハンドクラップでノッて盛り上げてくれたおかげで1番盛り上がって全員がひとつになった気がした6テイク目。採用されたらいいなあ、と内心思っています。

撮影が全て終わり、ひと言ずつ。

「本番も観に来てください」と中川さん。

「最高の作品にします」と藤岡さん。

「俳優なんで、あんまりこういう場には慣れていないんですが、本番は藤田としっかり作品を作り上げますので。」と吉原さん。

「皆さんの勢いに押されてびっくりしちゃったんですが、皆さんの熱気のおかげで良いPVになると思います。」と矢崎さん。

藤田さんから「これから、つらい稽古をして、良い作品を作っていきますので、皆さん是非本番も観にいらしてください。」とご挨拶があり、〆でした。

本当に自画自賛みたいですが、エキストラがとても優秀で。盛り上がるときは盛り上がる。話を聞くときは静かに聞く。俳優さんたちにキャーキャーするのもカメラが回っている時のみ…といった感じで、どこから連れてきたんだろう?と思うくらいでした。良いPVにしたい、照れがあると見てる方が恥ずかしくなるから、思いっきり盛り上がった方が良い、と知ってる方が多かった印象です。実際人前に立つことに慣れている方が多かったんだろうな、と思っています。「温度下げているのに、熱気で下がらない!」とスタッフさんが言うくらい暑くて水も飲めない状況でしたが、リハ含め毎回フルパワーで頑張りました笑

素敵な仕上がりになっているといいなあ。

最後にフォーシーズンズのメンバーの様子を一人ずつ

中川さん

エキストラに驚きながらも、ひとりひとりを見てくれて一緒に盛り上がって、盛り上げてくれた印象です。

近くの人にすぐ話しかけてくれるし、フォーシーズンズともコミュニケーションを取りつつ、周りも見れる方なんだなあ、と思いました。

その割に気がつくとどこかに居なくなってたりもするんですけど笑

チャーミングで明るくて、なにより歌が上手いー!フランキーに寄せてる?気がします。私はフォーシーズンズに馴染みがあるわけではないため、あまり大きなことは言えないのですが、イメージを崩さない歌声になっているんじゃないでしょうか。私が知ってる中川さんのお声とは結構違った気がします。PV撮りながらも完全口パクではなく、ちょこちょこ生声が聴こえてきたのですが、ハイトーンが素敵でしたー!

他の曲も楽しみです。

藤岡さん

とっても優しいんですよね、藤岡さんって。

1番お客さんとの距離が近かったかもしれません。

私は前日の居酒屋まさから2日続けてだったためちょっと気まずく(勝手に)なっていたのですが(笑)

それでもやっぱりとっても気遣いのできる方だなあ、と思いました。

毎テイク「よろしくお願いします」と頭を下げてくれるし、キャストがお水を飲む時間が2テイク目か3テイク目にあった時も「すみませんね、みんな喉渇いてるのに僕たちばっかり飲んじゃって」と気遣ってくれるし、最後にはハイタッチ大会でしたし。カメラが回ってるときにだけ行われているのが可笑しかったですけど(エキストラがサクラみたいで)

盛り上げ上手でエキストラに1番感謝してくれていた気がします。

テイクの合間も衣装が可愛いというエキストラの声に反応して、ドットの部分を見せてくれたり、そのまま中川さんと芸人になってくれたり。(「マサです!」「アキです!」とやってくれました。)

Redはツッコミ不在らしく、1番ツッコミらしい吉原さんが「なんでやねん」とツッコミを入れてくれました。

そんな藤岡さんですが、フリと歌は1番入っておらず、序盤は毎回矢崎さんに確認してました。

矢崎さんと仲良しな感じでタイタニック以来に2ショットを見た私は大喜びでした。

カメラが回ればきっちり決めてくれていたし、楽しみです。

吉原さん

Redのコワモテ代表でガラ悪い代表で面倒くせえって言う代表の吉原さん。

身長も高くて威圧感たっぷりですが、私吉原さんの飾らない人柄が好きなんですよね。

以前吉原さんが「お客さんと役者はステージと客席で繋がっていると思っているし、それが理想」とおっしゃっててすごく共感できたし、心に残っていて。

そんな吉原さんには今回のPVは距離が近すぎたのか、「動物園じゃねえ!」とか「どんな感じでいればいいのかわかんねーよ!」とかおっしゃってたんですが、いいんです。吉原さんのカタギでちょい悪なところが好きなので。そして面白かったので笑

そしてカメラが回ってない時はやってらんねーよ、って感じなのに、音楽が始まるとすっごくかっこよく盛り上げてくれるんですよね。天井に指差しながら。

なんだかんだ盛り上げ上手なのでした。大人な貫禄が素敵でした。あと、初めて低音ボイス聴いたのですが、低い音域もびっくりするほど素敵な声ですね。バスマスター(楽器)かと思いました。

矢崎さん

はい!今回の1番の御目当てです。今年初めての矢崎さんはキョドっていてふわふわしてて、なんだか久しぶりの素のぴろしでした。

最初マイクの前に立って目の前が男性なことを吉原さんに大爆笑されていた矢崎さん。実はジャンヌダルクイングランド軍のエキストラの方だったらしく、矢崎さんもそれを覚えていて、ステージの上から久しぶりの再会をされていました。

矢崎さんは1番踊りがしっかり入っていて、テイク毎に他のメンバーに教えたり(主に藤岡さん)、自分の振りを確認していました。

矢崎さんは藤岡さんにはほぼタメ口、中川さんと吉原さんには敬語でしたが、皆さんと軽口を叩いていて、ほんと人見知りしなくなったなあ、としみじみ。

中川さんから「スポーツなにかやっていたの?」って訊かれて「野球やってました。」「小学生のころから、野球だけやってましたね」ってお話されていて、運動神経いいんだねー、と。

本当、運動神経いいですよね。ドッグファイトを経たからか、ダンスのキレがさらに精度を増していた気がします。

Redの中では最年少なので恐縮しているところも見受けられましたが、意外と(?)堂々とフォーシーズンズしてました。ただ、お客さんには1番気圧されてましたけどね笑

肩をダウンダウンダウンする踊りがとってもかっこいいので、PVにも映り込んでいたらいいなあって思います。

歌い終わったらすぐ笑いながら中川さんの方を向いて肩組んでいたテイクが多かったので、PVのラストはニコニコの矢崎さんが見れるかもしれないです。

踊ってる間は全く様子が伺えなかったので、私も完成を楽しみにしています。

そんな感じのPV撮影でした。

なんだかとっても長くなってしまいました。

公開は3月頭を予定しているそう!

まだ5ヶ月も先ですが、こんな個性豊かなメンバーで行われるジャージーボーイズ。RedもWhiteもとっても楽しみです。

ドッグファイト

2015年こんなに行く予定じゃなかった舞台大賞でした。

それなのに名古屋の千秋楽を行きたかったとジタバタしてるなんて、オタクの欲望というものは底なしです。

 

以下あらすじ

 

ベトナム戦争出征前夜のアメリカ、サンフランシスコ―。

エディ(屋良朝幸)と2人の親友・ボーランド中河内雅貴)と

バーンスタイン(矢崎 広)は訓練期間を終えた兵士たちで、

自分たちを“3匹の蜂”(スリービーズ)と称するほど仲が良い。

 

彼らは母国での最後の夜を楽しむために街で大騒ぎをはじめ、【ドッグファイト】に参加する。

ドッグファイト】とは、海兵隊に伝わる、パーティに一番イケてない女の子を

連れてきた者が賞金を得るゲーム。

 

エディは街のとある食堂に行きつき、ウェイトレスのローズ(ラフルアー宮澤エマ)と出会う。

エディはローズをパーティーに連れ出すことに成功し、彼女は生まれて初めてのデートに興奮する。

 

エディはローズの優しさに触れ、次第に彼女をパーティに誘ったことに心苦しさを感じ始めるが、

時すでに遅く、2人はパーティーに参加することになり・・・。

 

ドッグファイト】―それは兵士である彼らに愛情を捨てさせ、

冷徹さを築くために大人たちが仕組んだ罠でもあった。

 

 

以下、感想

 

大阪の初日で観た時には、ボーイミーツガールの後のベトナム戦争がつらすぎて、リピできないかと思ったのですが、最後のカーテンコールの楽しさが回数を重ねる毎に増していき、また私の推しである矢崎広さんのバーンスタインが目まぐるしく演技を変えてくるので、それを追いかけるためにどんどんチケットが増えた恐ろしい作品です。

 

一番素敵だったのはエマローズと屋良エディの丁寧な心の動き。

ミュージカルって歌で伝わってしまうので心の動きを端折ってしまうきらいがあると個人的には思っているので、そこを丁寧にしっかりと描いていて毎回胸がときめきました。

エマローズは元が可愛くて華奢なので、ブサイクというよりは地味でパッとしない子、といった感じなのですが、大人しいと思いきや、嫌なことは嫌、と言える子。そして変に卑屈にならず、見栄を張ってしまうところとか、でもボロが出ちゃうところとか、逆にとても可愛らしく共感できました。

エマちゃんは地声に芯があって、さらに透明感のある綺麗な歌声だったので素直に心に響いてきてとても気持ちが良かったです。

エマちゃんのローズが好きすぎて初めて矢崎さん以外にお手紙を書きました。それほど私にとってローズは革命的な役でした。

こんな女性になれたらいいな、頑張ればきっとなることができると思える女性。

エマちゃんはとてもクレバーで、役への寄り添い方や解釈の深さが優れていたから女性の共感を得ていたのではないかな、と思います。

シスアクのメアリーロバートも観る予定なので楽しみ。あの役もとても共感を得る役だと思うので素敵だろうなあ。

誰より台詞の喋り方が吹き替えっぽくなくて、それも感情移入できる理由だったんですが、帰国子女で英語ペラペラなのに不思議だな〜と思って、「…逆に外国人=吹き替え喋りという概念がないのではないか」という結論にたどり着きました。しかも帰国子女あるあるのWやTHの発音が気にならない!素晴らしいの一言でした。

 

この愛らしいローズをブスだからとパーティーに誘うエディと海兵隊員たちが女性をモノとしてしかみなしていないところが最初とても不快だったのですが、エディがローズを自分と同じ存在だと思い始めたところ、そしてそこから海兵隊員たちと微妙に感情がずれていくところがとても分かりやすくて。屋良くんの演技は毎回安定していて、安心して観れました。そして回数を重ねる毎に海兵隊員たちにも感情移入してしまい、最初は腹ただしいだけだったのに徐々に何も知らされず死んでいく未来が哀れで悲しくなってきました。

 

主な3人のキャラクターとして、ボーランドは1番大人というか、戦争の現実を知っているのではないかと思わせる発言がちょこちょこありました。これから行く場所の過酷さを知っているからこそ、今を楽しんでいるような。戦争の怖さに気づいていない仲間たちにも戦地で後悔しないように、現地での心のあり方を身につけられるように立ち回っていた気がします。ともすれば1番性格悪く見えるんですが、視点を変えると1番仲間想いだったのかもしれません。

 

バーンスタインは、中の人ゆえに特に注目して観てしまっていたのですが、とにかく愛すべきおばかさんというか子どもというか。無垢なんですよね。脳内が性欲で満たされている子ども。戦争なんて自分たちの力があればなんとかなると思っていて、本気で信じていて、最後の夜の馬鹿騒ぎもその前祝いと思ってるみたいで。

女と寝ることしか考えてなくて、女性をモノとしか考えてなくて、ブスな女の惨めな姿を馬鹿にすることも平気だし、強姦まがいなこともする。

…言葉にすると本当最低ですね笑

しかし何故だかバーンスタインは愛らしい子どもに感じるんです。これは矢崎さんの魅力なのでは、としか言えないんですけど。

極力観客が不快感なく観られるようにしていると思いました。ここでバーンスタインボーランドを嫌になってしまうと最後に受ける悲しさが薄まってしまうんですよね。

特にタトゥーを入れる場面でバーンスタインの本来の人間性が出ていたと思っています。

バーンスタインは色んな大人や周りの仲間たちが大好きで心から信頼していて、狭い世界の中で色々なことを知らされずに生きていたのかなあ、と思います。

「知らない」ということが免罪符にはならないと思いますが、「知らされない」というのは一周まわって可哀想になりました。

まわりを囲われていて、その中でなんの疑問も持たずに戦争に行くことをゲームか何かだと思っている。少年兵と言える年齢ではないですが、それくらい無知で無垢に見えました。だから最後の場面が悲しくて、やりきれない気持ちで。前情報で好きになれるか不安なキャラクターだったのですが、私自身は嫌いではなかったです。

タトゥーの場面でニコニコした笑顔で、「お前が俺を守るし、俺がお前を守る」って言うバーンスタインに戦争の恐怖に内心怯えていたのであろうボーランドは救われていたのだろうし、私自身もこの場面でバーンスタインのことが嫌いにはなれないなあ、と思った気がします。

矢崎さん個人の話になると、毎回毎回演技やアドリブを変えてくるので、見逃すまい必死で通いました笑

歌も大分安定してた気が!ミュージカルでもここまでしっかりお芝居作ってくるんだな、と新たな発見だったのでジャージーボーイズも楽しみです。

 

屋良くんが演じた主人公エディですが、心情がボーランドバーンスタインの間に位置しているように感じました。

バーンスタインほど何も知らないわけではなく、どこかこれからの不安が心に引っかかっているけどボーランドほど割り切れない、といった印象でした。

もし、ボーランドバーンスタインがローズを見つけていたらエディのようになったかというと、個人的にはそうはならないと思います。

エディの現状への迷いとか不安とか疑問がローズも自分と同じ意思を持つ人間だということを気づかせたのかな、と。

自分と共通点がある人って親近感から急激に仲を縮められるじゃないですか。ローズが初めてのデート、初めてのパーティーにどきどきしているっていう共通点に気づいて、エディは人間の気持ちをひとつ取り戻したのだと思います。

とにかく最後生き残ってしまったエディの慟哭がつらくて…。

ローズの元に戻ってからの私の解釈が本来と全く違う方向性で、正直蛇足だと思っていました。

今も、もうちょっとやりようがあったのでは、と思いますが、戸井さんのおかげで前向きに解釈できて良かったです。

 

ameblo.jp

 

この見方でもう一度観たいなあ、と切に思います。

 

ドッグファイトは人と人との在り方を丁寧に描いていました。年末ということもあり第九とどこか共通しているメッセージ性が私はとても好きでした。

戦争を題材に残酷な事実を描く話より、「広島に原爆を落とす日」や「ドッグファイト」のように、たった数人の中で起きる悲劇の方が戦争という存在を近くに、そして悲しみを強く感じてしまうんですよね。個人的には、なんですけど。

現代の日本にエディのような人生を送る若者を生み出してしまってはいけない、と強く感じました。

激動の2015年、この作品を今演る意味を強く感じ、観ることができて良かったな、と思いました。

バイオハザード・ザ・ステージ

矢崎広さん10月2本目の主演舞台です。

ファンとしてもバタバタしてましたが、なんだかんだとても楽しく通ってました。

あらすじ

西オーストラリアの大学で突如起こったバイオテロ事件。

現地に到着した対バイオテロ部隊BSAAのピアーズとクリスは、

その大学で教鞭をとる元S.T.A.R.S.隊員レベッカらと協力し事態の鎮圧を図る。

そこに現れた謎の青年タイラー・ハワード。彼は一体何者なのか?

そして彼の口から聞かされた事件の裏にある驚愕の真実とは?

蔓延するウィルスと迫りくるゾンビの群れが世界に放たれてしまうのか!?

感想

バイオハザード5と6の間で起こったお話。

ゲームからの出演はクリスとピアーズとレベッカです。

私はゲーム未プレイなので、ゲームの登場人物が!みたいな感動はあまりありませんでしたが、未プレイの人にもかなり分かりやすく作られていた気がします。

クリスの中村誠治郎さんは、舞台Kでアクションが物凄くてとても期待していたのですが、期待通り素晴らしかった!

さすがでした。

クリスはかなり良い男で、チームとして仲間をとても大事に思っていてかっこ良かったです。

ピアーズの栗山くんは可愛い感じでした。

ライフル重そうだったなあ。

舞台初経験にはとても見えない。声通るし、動けるし、演技も分かりやすい。

これからも舞台でも活躍していってほしいです。

レベッカが潜入していた学校で起きたバイオテロにクリスとピアーズが鎮圧に向かい、そこで現れた謎の青年が矢崎さんが演じるタイラー・ハワードです。

タイラーはエージェントの一員でありながら、この事件の首謀者の疑いがあるリアンの息子で、リアンの無実を証明するために学校に潜り込んでいたのですが、クリス達と会い、事件の真相を突き止める役柄です。

このタイラーが本当に良い矢崎さんだった!ありがとうございます!ありがとうございます!!

常々、矢崎広は何かを背負い込んだり、孤独のオーラを纏う役柄が似合うと感じているのですが、今回ドンピシャでした。

タイラーは序盤、父親を信じようとするあまり、他のバイオテロ鎮圧をしようとするメンバーを排除しようとします。なので、前半は味方か敵か分からないようになっていて、ニヒル銃口を突きつける仕草が大ヒットでした。

対立するおかげで1幕のラストに誠治郎さんと闘う場面があるのですが、そちらもかなり良かったです。

矢崎さん、とても運動神経がいいと思うのですが、それがいかんなく発揮されていたかと思います。俊敏というか。

もちろん、誠治郎さんはアクションに長けている方なので、合わせてくれたのだと思いますが、それでも一番のアクションの見どころはあの場面じゃないかな、と。

タイラーはずっと1人きりで父親を探しながら生きてきて、その父親をも失いそうな中、クリスと出会って仲間となることで本来持っていた正義感を取り戻していきます。

その過程をとても繊細に描いていました。

父親役の岸さんとの場面も回を重ねる毎にどんどん熱くなり、良い場面になっていったかと思います。

岸さんは演技的な面でマイベストジャベールなので、そういう意味でも親子としての共演は胸熱でした。

今度はお歌で共演してくれないかなあ、と夢は広がるばかりです。

また最初と最後に同じ台詞を言うんですが、それが「俺」から「俺たち」に変わってることもささやかですが、タイラーにとっては大きな変化だったのだろうな、と。

矢崎さんは舞台の上で成長していく過程をとても丁寧に描くことを心がけている気がするので、タイラーは得意な面を見せられる役柄だったと思います。

衣装も本人のスタイルの良さが見える衣装でした。格好良かった。

舞台自体ツッコミどころも多々ありましたが、私自身はとても楽しみました。

壁のステレオからゾンビの声が聞こえるのは何度行ってもびっくりしたなあ…

体感お化け屋敷といった感じだったですし、イベントも多かったですし、楽しく観れました。